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享受

作者: 頭蓋

何もかもが自分のものでは無いようで

僕はまだ夢の途中

夢中になって走る後ろ姿を

目で追いかける事すら 後ろめたくて


月が笑う

月が笑う


誰のものだったの?

その記憶の持ち主は

誰が求めたの?

僕らが進む その意味を


ああ 誰か教えてくれ

それが間違いではなかったと

嘘でも良いから肯定してくれ


はい

いいえ

私は元気です


きっとこの痛みは僕のものではなくて

でもそれは確実に存在して

傷が抉られるたび 声を殺して

叫びは文字に代わる


ああ 誰か認めてくれ

一瞬で良いんだ

この世界に存在した俺を

ああ 誰か認めてくれ

ああ 誰か認めてくれ



承認欲求 自業自得

自意識過剰 自業自得

被害妄想 自業自得

自己顕示欲 自業自得

わかってたって

誰でも自分が可愛くて


愚かしく生きて

賢しく死んで

繰り返す世界に

ああ 誰か教えてくれ

俺は生きているのか

それとも死んだのか?

生きていたのか

最初から居なかったのか


返答は沈黙

月が笑う

陽が嘲笑う


月が笑って

陽はまた昇る


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