表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぶちのめしますわよ、旦那様【領主を継いだので好き勝手やてみたい別冊?】   作者: 堀江ヒロ
領主一家と愉快な仲間たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/142

候補者選び


 旦那様の好みはわたくしのような女性ということが判明しました。まあ、少しくらいはお世辞が混じっているかもしれませんが、そう外れていることもないでしょう。

 自分の容姿を評価するのは恥ずかしいですが、客観的に見て不美人ではない、と思います。けれど、わたくしよりも屋敷で働いている女の子たちの方がもっと可愛らしくて、モテそうです。

 つまるところ、自分のことをグイグイ引っ張っていってくれる自立した女性が好きなのでしょう。

 古くからお屋敷で旦那様のお世話をしていたという女性も正にこのタイプに当てはまります。

 殿方はすべからくマザコンだと小耳にはさんだこともあります。やはり、幼い頃から慣れ親しんだ身近な女性が好きになってしまうのでしょう。


 しかしながら、そんな女性が身近にいるかしら? 心当たりは残念ながらほとんどいません。

 試しに、ダメ元で屋敷のお年頃な娘たちにそれとなく探りを入れてみます。

 今すぐお相手を決めなければならない、という訳でもありませんので目星だけつけておきましょう。



 丁度、当たらずとも遠からずな気質の娘が仕事の報告に来ていたので、合間を見計らって世間話がてら聞いてみます。

 そろそろお年頃ですけれど、その、結婚とか考えていないのかしら?

「はぁ? アイツとはそんなんじゃないです。単なる下働きですからね」

 いえ、お相手が誰とまでは尋ねていないのですけれど? 下働きって、噂の幼馴染みの彼のこと?

「だから、カレじゃないです!」

 じゃあ、別の人なら如何かしら?

「いえいえ。今は仕事に専念しているので結婚なんて考えていません」

 そんなに力強く否定しなくても良いですわ。

 元々望み薄なのは分かっていましたわよ。


 旦那様のお菓子が大好きな娘に水を向けてみます。

「奥様を押しのけるなんて!? とても、とても無理です」

 大げさな程、首を振ります。

 そこまで言っていないのですけど?


 更には洗濯かごを抱えてちょうど通りがかった娘にも聞いてみます。

「先輩に悪いので、ちょと・・・」



 目ぼしい娘は誰も色好い返答はもらえません。

 旦那様は、悪い人ではないはずなのですけれども・・・何故人望が無いのでしょう?

 皆楽しそうに仕事しているように見えましたが、実は嫌々仕えていたのでしょうか。




ある幼馴染みな男女の会話


「以前、領主様を籠絡すれば好き勝手できそう、って言ってたじゃないか?」

「バカね。第二夫人以下なんて何の権力もないじゃない。結婚する前なら、それもアリだったけれど・・・。今籠絡に成功しても、確実に奥様に抑えつけられるのは確実でしょ。労力のムダよ」

「ふ~ん」

「それだけよっ。他意はないんだからね。・・・何よ、その顔は? ぶん殴るわよ」

「あ痛っ。もうぶん殴ってるじゃないか。その顔って、オイラいつもの顔だよ」

「うるさいわねっ! ムカついたのよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ