お手紙
先日、隣領で行われた盗賊討伐では少々不覚を取りました。
口惜しい事ですがあの従姉妹の娘が居なかったら、わたくしの身も無事では済まなかったことでしょう。
わたくしもまだまだ鍛錬が必要ですわね。
幸いにして無事でしたが、旦那様にも心配をかけてしまいました。
旦那様は帰ってきたわたくしを積極的に抱きしめ、迎えてくれました。そして休むように優しく言い含めてきました。
こんなに大事にされてしまって良いのでしょうか。。
わたくしはこれでも武家の家に生まれた娘です。人を傷つける者は傷つけられる覚悟を持たなけれななりません。幼少より命を落とした際の心構えは出来ています。けれども、わたくしが死んでしまった場合、わたくしにベタ惚れな旦那様はどうなるでしょうか?
愛寵が深すぎるのも困りものですわ。
けれども今回のことに限らず、不慮の事故で命を落とす可能性はないとは言えません。
万一のことを考え、側室でも迎えた方がよろしいのかしら? 少し他の方々にも目を向けさせてあげないと、わたくしの身が持ちません。
旦那様は夜も積極的に求めてきますが、今のところ懐妊の兆候はありません。後継ぎをもうけるためにも一考の余地はあるでしょう。
でも、旦那様と結婚しても良いという娘いるかしら?
さすがに無理やり女の子をあてがうつもりはありません。以前、侍女たちのお喋りを小耳にはさみましたが、「旦那様はちょっと・・・」って言ってましたわよね。
それに旦那様の好みも考慮する必要もあるでしょう。せっかく側室を娶っても、その娘に見向きもせずにわたくしにべったりでは上手くありませんわ。
それとなく旦那様に探りを入れてみます。
「最近の女性で好みはどうかしら」
いえ、ちょっと待ってください。旦那様本人に直接女性の好みを聞くって・・・少々恥ずかしいですわよね。
そうですわ! ここはお手紙でやりとりをしましょう。
あら? これって、恋物語の乙女みたいじゃないかしら?
ちゃんと、ご回答いただかなくちゃ。
お返事には、わたくしへの褒め言葉と共に、もっと一緒に眠りたいって書かれていました。
こんな直積的な誘い文句は想定していませんでした。恥ずかしいですわよ。旦那様。
嬉しいですのですが、これでは旦那様の好みがわかりませんわね。




