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ぶちのめしますわよ、旦那様【領主を継いだので好き勝手やてみたい別冊?】   作者: 堀江ヒロ
領主夫婦と愉快な仲間たち

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ある身バレしてた女の子の話


 盗賊側の奇襲によりピンチになるレイさまですが、ちゃんと書いたら『残酷な描写あり』な表現になってしまいます。コメディーなので戦闘シーンはカットしています。




 あたしの活躍により盗賊をなんとか撃退することが出来た。

「助かりましたわ」と奥様からねぎらいの言葉も貰った。さすが、あたし。

 苦戦している奥様や有象無象の後ろから石を投げるだけの簡単なお仕事だった。正直、物足りなかったんだけど、仕方ないよね。日々精進しているあたしが強すぎるのがいけないんだよね、きっと。


 街道脇に繋いでおいた馬はどこか行っちゃったので、仕方なく歩いて帰る。街から遠くじゃなくて良かったよ。

「話に聞いていた通り、勇敢なお嬢さんだ」

 道中、細マッチョも褒めてくれたけど、ひとりで突撃していたから本当はあたしの活躍見てないよね。

 しかも、そう言っている本人が一番盗賊を多くやっつけてるんだよね。あたしだって、もっと動きやすい服装だったならもっと活躍したはずはずだけどね。

 でも、この人はアジトだった小屋ごと吹っ飛ばしてたし、父様と同じ規格外な人間なんじゃないだろうか。

 返り血で真っ赤な顔で豪快に笑っているけど、気の弱い人ならドン引きだからね。

 あんだけ豪快に暴れたというのに自身は全くケガしていないというから驚きだ。



 行きの2倍以上の時間をかけて、やっとのことで帰還したあたしたちを待ち構えていたのは、兄様だった。

 あたしらの帰還を聞いたのか、館の玄関で手をあげて迎えてくれる。

 久しぶりだなぁ。でも、なんでここにいるんだろう?

「にい・・・」

 声を掛けようとして、思い留まる。

 あたしの扱いって、今どうなってるんだろう? 父様以外には黙って出てきちゃったし、面倒なことにならないかな?

 これが父様なら何でも許してくれるんだけど、怒られるかも? 兄様、あたしのことスッゴイ可愛がってたもんね。

 あたしだとバレたらきっと実家に連れ帰られちゃうよ。家に帰ったら今のような好き勝手は絶対出来ない。

 下手したら過保護な母様に座敷牢で説教された上で、軟禁だ。


 う~ん。でも、直接顔を合わせなければ問題ないよね。奥様にだってあたしのこと気づかれてないんだからきっと大丈夫だよね。実家にいた時と服も違ってるし、平気だよ。

 弱っちい兵士の影にコソコソ隠れてそっぽを向いてスルーする。

 細マッチョは兄様と知り合いらしく、親しげに話しかけているが、当の兄様からは「生臭いから、近寄るな」と邪険にされている。

 ちょっとはぬぐってるけど、着替えもしてないから乾いて黒くなっている血がそのままだ。

「いや~、不届きものどもをぶちのめしてきたのだぞ。我が活躍をお主にも見せたかった」

 細マッチョは兄様の様子に頓着せず、にこやかに笑っている。

 あまりの空気を読まない態度が気になるが、素知らぬふりを貫く。

「お嬢様もお久しぶりです」

 兄様は細マッチョを無視することに決めたようだ。

「あら、わたくしはもう人妻ですわ」

 本家の元お嬢様である奥様には御大層な口上を述べ始める。

 このあいさつってまだ続くの? 細マッチョに比べればマシだけど、あたしも汚れちゃったから、お風呂に入りたい。身分的に偉い人が立ち止まってるから解散できやしない。


 ぼけ~っと聞き流していると、驚きの言葉を発する。

「妹御も随分と活躍したのだぞ。御父上に聞いていた通り、素晴らしいお嬢さんだ」

 何であたしが兄様の妹だって細マッチョが知ってるの!? っていうか、こっち指さないでよ。兄様にバレるでしょ!?

 あたしの祈りむなしく、兄様があたしに気づく。

「ああ、そこにいたのか。珍しい格好をしてるな」

 あたしは他人だよ。その素晴らしいお嬢さんってよく人に似た、ただの可愛くって強い女の子だよ。

「・・・」

 誤魔化されるはずもない。認めるしかない。

 ええ、あたしは兄様の妹ですよ!


 あたしの正体が明かされたというのに、どういう訳か奥様は全く驚いていない。もしかして、以前からあたしのお嬢さま感があふれ出てたのかなぁ? それで薄々察してたのかも。


「兄様、久しぶり。元気してた?」

 愛しの妹との再会だよ。

 一応確認したいんだけど、母様とか姐様とか怒ってなかった? 怒ってないよね? あたし悪くないもん。


「本人に聞いたらどうだ?」

 えっ? まさか、マサカダヨ?

 何で姐様がいらっしゃるのでしょうか?

「夫婦が一緒にいるのはおかしい事ではないでしょ?」

 オカシイよ! ここ家じゃないよね。

「あなたがとんでもないことをしているから様子を見に来たんでしょ」

 はて? 常に品行方正なあたしは全く身に覚えがないんだけど? 

「全く、この愚妹は・・・、自覚しなさい」

 何故か、ため息をついた姐様はあたしのこめかみをグリグリ突いてくる。

 全く非がないのに、お仕置き決定!? 理不尽だよね。

 でも、あたしの言い分を聞いてくれるハズもない。

 兄様にヘルプを訴える。でも、兄様は苦笑いするだけ。

 兄様の裏切り者! カワイイ妹より鬼嫁の言う事を聞くの!?


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