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ぶちのめしますわよ、旦那様【領主を継いだので好き勝手やてみたい別冊?】   作者: 堀江ヒロ
領主夫婦と愉快な仲間たち

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領主を継いだので商人にムカついてみた


 今年も無事に収穫の時期を迎えた。

 農作物の一部が税という形で我が家の倉庫に納められている。納められた分の一部は売り払って現金化している。

 慎ましく生活するだけなら金なんてなくて無くても問題ないのだが、金でしか買えないものもある。物々交換では限界がある。

 今回の収入以外にも街へ入る時に徴収する税金収入があるが、こんな田舎ではたかが知れている。ぶっちゃけその金額は雀の涙だ。

 やっぱり秋の収入が領地予算の大半を占める。


 やっと、待ちに待った現金収入だ。何を買ってやろう?

 税収自体は去年に比べると微増だ。毎年ちょっとづつ農地は広がっているはずだから、レイさまがやいのやいの口出ししてきた事は大勢に影響はない、と思う。

 あの女が計画した面倒くさい水路開発なんかは今年は構想だけで、工事は冬の閑散期から始めることになっている。

 いや、あんなに仕事を押し付けられているのに収入に結びつかない現実を嘆くべきか?

 いいんだ、いいんだ。気にしたら負けだ。

 嫌なことは忘れて、パーッと散財してやるぜ。


 露店などをひと通り冷やかした後、街で一番デカい商店に入る。

「これはこれは。領主様いらっしゃいませ。奥様への贈り物でもお探しですか?」

 はぁ? 何でオレがあの女にプレゼントやんなきゃいけないんだ?

 人の話を聞かず、商人がゴテゴテした装飾品を見せてくる。

「どうです? 王都でもなかなか手に入らない一品です」

 値段を聞くと、メチャクチャ馬鹿高い。誰が買うんだ? こんなモン。

 どうせあんな女には似合わないだろうし、買ってやるなんて勿体ない。

 そういや、レイさまって普段はラフな格好ばかりだな。ちゃんと着飾っているのなんて結婚式の他は数えるほどしか見ていない。

 この間拾って来たアホっぽい娘の方が余程小奇麗な格好をしている。


 まあ、一応まがいなりのも、結婚したんだし、・・・プレゼントを用意してやるのも、構わない、こともない。

 言っとくけど、今は懐が暖かいから、気も大きくなって大らかな気分なだけだからな。


 だけど、あの女って何をくれてやったら喜ぶんだ?

 良く考えたら彼女の好みを全く知らない。下女らみたいにお菓子でも恵んでやれば楽なのに。

 あれ? そう云えば、レイさまにお菓子とかってくれてやったことあったか? いや、無かった様な・・・

 甘いモノ食べるのか? さっぱり知らない。

 欲しくなれば自分で言ってくるだろう。遠慮するような殊勝なタマじゃないだろう。


 まあ、店を見てれば何か良さそうなモノも思い浮かぶだろう。

 麦の値札が目に入る。・・・あれ? 見間違いか?

 オレが昨日売った麦が金額の倍の値段で店に並んでいる。

「ふざけるなよ!」

 何の冗談だ? ウチの倉庫からここの店に運ぶだけでどんな暴利だ!?

「これが私どもの商売ですから」

 指摘された商人は悪びれることなく、しれっと答える。

「他から仕入れたとか、凶作とかなら兎も角・・・、如何いう値段設定だ?」

 商人に文句を言うが、のらりくらりと言い逃れる。何てムカつく物言いだ!?

 そっちがその気なら、こっちにも考えがある。


 ぶちのめすぞ!レイさまが! 残念ながらオレは暴力沙汰はまったく自信がない。

 屋敷に帰ったらレイさまに言い付けてやる。

 あの女なら口だけでもけちょんけちょんにやっつけてくれそうだ。


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