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姉上の話


 僕には姉上がいます。幼い頃から眼差しは鋭く、凛々しい顔立ち。数年経ち、麗しい女性になりました。容姿だけでなく、昔から凄い頑張り屋で尊敬する人のひとりです。



 姉上は小さい頃は母上や侍女殿に就いて学問を学んでいましたが、ある時からお爺様に教えを乞うことになりました。

 同時期に僕も一緒にお爺様の元で学ぶよう言われ、共に勉学に励みました。しかし、同じ場所で学ぶといっても、当然学問の進み具合の違うのですから、必然的に僕の方がすぐに終わります。


 僕はこの時間が苦手でした。お爺様は寡黙な方で、教えを乞うといってもじ~っと見ているだけです。質問をすれば答えてくれますが、基本見守っているだけです。

 問答がなければ無言の時間が続きます。

 姉上は気にならない様で、僕の課題が終わってもずっとお爺様と対峙していました。

 僕は基礎的な読み書き中心でしたが、姉上は語学、算術、法学、歴史といった基礎的なものから法学、領地経営学、経済学、軍略まで多岐に渡っていました。その後は農学、地学、商学にまで手を伸ばしました。お爺様だけでは教えられず、領地内外から人材を募りました。

 当然、姉上の様にひとりで全てを習得する大人は貴族でも稀です。


 また、姉上は武芸も学んでいました。こちらは完全に趣味だと言っていました。護身術として武術を嗜んでいる女性は珍しくありませんが、姉上の様に本格的なのは稀です。

 弓術や槍術、馬術、無手も一通り学んでいましたが、最も熱心にやっていたのは剣術です。楽しそうに素振りをしていました。

 同世代の男性に善戦はするものの、勝てないのを悩んでいましたが、朝から晩まで剣を振っている様な人間を練習相手としているのですから当り前です。我が領地の剣士は国でもトップクラスの人材ぞろいなので善戦するだけでも、むしろ驚きです。



 たゆまぬ努力のたまものです。時間が掛かりますが、モノにできないことは何一つありません。けでど、遊びとは無縁の生活を送っている姉上。

 どうか幸せになって欲しいものです。


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