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ぶちのめしますわよ、旦那様【領主を継いだので好き勝手やてみたい別冊?】   作者: 堀江ヒロ
領主夫婦と愉快な仲間たち

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新妻の朝

ちょっと遡って、時系列的には結婚式後、美少女剣士(笑)が合流するまでのお話です。



 日の出前、辺りがうす暗くなってきた頃に習慣で目が覚めます。

 寝起きは良い方なので、スパッと起きます。身だしなみを整えたら、侍女が来るまで軽く柔軟体操をして身体をほぐします。


 ふと外を見ると、日が昇るにつれてだんだんと藍色だった空が山際の辺りから白くなっていきます。いつ見ても空と山の稜線とのコントラストが素晴らしいですわね。時には山に朝靄がかかっている事もあり、その場合は紫がかって見えて、尚良いですわ。


 そんな事を考えていると「おはようございます」と声がかかり、女の子が入ってきます。

 正直、わたくしに付き合わずにもっとゆっくり寝ていれば良いと思うのですけれど、「侍女のお仕事です」と言って聞きません。

 真面目なのは、この娘の良い所でもありますわね。

 どこかの侍女とは大違いですわ。どこかの誰かと違って憎まれ口もたたきません。

 『スィ』という愛称で呼ぶと、素直に「はい」と返事をしてくれます。

 ほんのちょっと眠たそうで可愛いらしい表情です。朝からほっこりした気分になります。

 柔らかい彼女の頬を見て自分の頬も緩みそうになるのを我慢し、ピシッと姿勢を正します。内心は兎も角、外見だけは恥ずかしいところは見せられません。


 皆が起きて朝食の時間になるまで裏庭で自主練です。実家にいた時と同じく、剣の型を見直しながら素振りをするのが主です。


 朝食は大きな広間で旦那様や屋敷の皆で一緒に取ります。年上の子は口一杯に食べ物を頬張っている小さな子の世話を焼き、微笑ましい様子が見られます。

 実家にいた頃は各々の部屋で食べており、使用人は元より、家族とでさえ別で静かに食事をしていました。でも、こではワイワイガヤガヤ騒がしいくらいです。

 わたくしも話しかけて良いのかしら? でも、いきなり話しかけで大丈夫かしら?

 まあ、ずっとここに居るのですから焦ることはありません。

 未練を残しつつ、子供たちを横目で窺いながら旦那様と静かに食事をとります。



 食事をとった後は皆で集まって武術の訓練を行います。対象は街の詰所に駐在する当番を除いた兵士と見習いの男の子たちです。

 練度は新兵に満たないひよっ子からから熟練の老兵まで、皆まちまちです。若い人たちはどちらかというと・・・いえ、正直に言ってしまえば弱いです。彼らは戦力としての能力より役人としての能力の方が重視されているようなのです。

 一方、ある程度お年を召した方たちはかなりの実力者揃いです。

 特にある年配の方は先の戦争での激戦地を生き残った経験を持ちます。今では若さでを生かしてわたくしがギリギリ勝てますが、彼が全盛期の頃だったら全く歯が立たないでしょう。

 ただ、兵士の人数は他領に比べ少ないです。毎日が平穏無事なので訓練以外で抜くこともないそうです。


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