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ぶちのめしますわよ、旦那様【領主を継いだので好き勝手やてみたい別冊?】   作者: 堀江ヒロ
結婚とその顛末

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整理


 さて、結婚式も無事終わりました。今日から本格始動ですわ!

 まずは何かしら手をつけましょう。手近なところで屋敷内を見て回りましょうか。それとも、持ってきた品々の荷ほどきでしょうか。

 結婚式の用意や片付けで頑張ってくれた侍女には休むよう言い添えておきます。

「今日から、頑張りますわ!」

 身だしなみを整え、気合を入れます。


 玄関に向かおうとすると、正式に結婚したお相手が現れました。

 もう、結婚したんですわよね。ちょっとだけ、緊張してしまいす。

 結婚式が終わるまでは部屋も別で、結婚式場の移動も別でした。式の最中は隣にいましたけれど、招待したお客様の対応で当人同士が言葉を交わすことはほとんどありませんでした。

 侍女も言われましたが、初めが肝心ですわ。きちんとお話の場を儲けましょう。

 見た目はぽっちゃりした人のよさそうな坊や。弟と同じ年齢のはずですが、他の同年代に比べても幼い顔つきです。

 ぶっちゃけると、頼りがいとは無縁です。全く有能そうには見えません。わたくしがしっかり支えないと。


「うぅ~っ。頭がガンガンする」

 一方、本人は微塵も緊張していないようです。

 だらしがないですわね。酒臭いですし、完全な二日酔いです。

「体調は大丈夫なのかしら?」

「いや、全然平気だ。・・・平気ですよ」

 まあ、本人が平気と言っているのですから、深くは追及しないでおきましょう。殿方の強がりを受け入れるのも、妻の務めでしょう。

「それなら、宜しいですわ」

 でも、見かけた女の子に声を掛けて水を持ってきてくれるようお願いしておきます。

 そのうち本音を言い合える間柄になれるように少しづつ距離を詰めていきましょう。


 まずは、荷物の整理でしょうか。身一つで嫁いできたとは言いませんが、わたくしが持ってきた物などたかが知れていますわ。あれほど連なっていた馬車ですが、わたくしの私物だけなら一台どころか半分も占めていません。

 家具も持ってきませんでしたし、身の回りの調度品と服だけです。あとは愛用の剣を一振りかしら。きょっと大きめの木箱ふたつ分で納まります。

 すぐに片付きますわ。

 水を頼んだのとは別の女の子に昨日荷物を運び入れた部屋に案内してもらいます。

 彼も無言で付いて来ます。すぐに片付くと言ったのに、付き合ってくれるようです。



 ーー何なの? この量・・・ 部屋を覗いて愕然としてしまいました。

 自分が荷造りした量をはるかに凌駕していますわよ。全く身に覚えがないのですけれど。

 箱を開けると豪華な服がぎっしり。どこの舞踏会に着て行こうというのか。それが部屋の天井まで占拠、積み上がっています。

 えっ? お父様達が輿入れに準備したもの? 五着もあれば充分だって言っておいたのに。

 女の子に聞いてみると、「大部分は奥様のご親族の方々からの贈り物ですよ」と、こともなげに言います。

 何ですって。全く聞いていないのですけれど。

 お父様、お母様、伯父様や叔母様達十人から各五着づつ。でも、普段着は一着もありません。

 昨日とは別の花嫁衣装までありましたが、これなんか全く袖を通していませんわよ。その機会も無いですし、今更どうしろと言うのでしょう。

 貰いものを送り返すわけにもいかないので、箱から出して確認します。そして、その後別の部屋へ混ざらない様に運搬します。

 それでも、まだ箱は全部ではありません。他に何があるのかしら?

「どうしたんですか、お嬢さま」

 途方に暮れていると、通りかかった侍女が折りたたまれた紙を差し出します。部屋で休んでいなかったの?

「これが目録です」

 ちゃんと箱と対応した一覧になっていて、あっさり中身が分かります。


 最初から出しなさいよ。


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