表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぶちのめしますわよ、旦那様【領主を継いだので好き勝手やてみたい別冊?】   作者: 堀江ヒロ
結婚とその顛末

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/142

嫁入り


 馬車が街道を列をなして進んでいます。その一台にわたくしも侍女と一緒に乗っています。婚約者殿が今回のために整備した街道ですわね。以前来た時よりも道幅も広がり、デコボコもなくなっています。

 いえ、もう結婚したから呼び方も変えなくては。何て呼んだら良いのかしら? まあ、後で考えましょう。

「でも、こんなに馬車って必要かしら?」

 乗っている馬車の小窓から連なっている他の馬車を見てため息をつきます。

 わたくしは今、物凄いゴテゴテした服を重ね着させられています。こんな恰好でなければ、馬にも乗れるから楽ですのに。

「その花嫁衣裳は昔からのしきたりで決まっていますから、諦めてください。あと、花嫁が馬に乗って現れるなんて論外です」

 良いじゃない。着いてから着替えれば。昔からの慣習に文句を言っても詮無いことかもしれないけれど。

「あの馬車も大半がお嬢さまの嫁入りに頂いた贈り物ですよ」

 何が入っているの? わたくしが自分で用意した荷物なんてあの一台分に満たないはずですわ。

 離れて明らかに種類の違う馬車も続いているじゃないの。

「あれって、どこの者かしら? ウチの馬車じゃないわよね?」

「あちらは商人の一団です。どうやら、金の匂いを嗅ぎつけたようで。蹴散らしましょうか?」

「何言っているの!?」

 そんな物騒なことはしなくてよろしいですわ。まあ、追い払うほどではないでしょう。一応不審な動きがないかだけ見ていれば良いですわ。



 そんなこんな?で、街に着き、屋敷へ向かいます。以前訪れたときは庭で子供たちが遊んでいましたが、見当たりません。代わりに大人の領民たちが集まっていました。でも、こちらに近づくでもなく、遠巻きにこちらを伺っています。

「どうしたのかしら。何故か、怖がられていない?」

「怖がられているのは、多分護衛の方たちですよ」

 侍女に言われて、道中付き添って来てくれた方々を見回します。

 屈強な男性たちが剣を佩き、完全武装で騎乗しています。頼もさは感じても、怖いとは思いません。地元ではむしろ領民たちに人気者ですわよ。儀式用なので、煌びやかも兼ねているので強度は劣りますが、ちゃんと切れます。

「所変われば、領民も変わります。慣れない方には威圧的に感じるのでしょう。大丈夫です。お嬢さまが登場で、バーンと空気を変えましょう」

 そんなこと言われると余計出て行きづらいですわよ。

 静々と侍女の手を借り、馬車から降ります。

「微笑んで、胸元で手を軽く振ってください。お嬢さま」

 息をのむ領民たち。緊張していた空気が緩むのを感じます。

 好意的に受け入れられたと思って、良いのかしら?


 一室に案内されて準備をします。道中で着ていた花嫁衣装を結婚式用に着替えますが、わざわざ着替える意味ってかるのあるしら?

 良いじゃない。同じで。そう思って、侍女を見ますが、

「駄目です」

 ニッコリと笑って、一刀両断します。

 まあ、判ってましたけれど。

「はいはい。黙ってお人形になりますわよ」

 別の重い衣装を着せられて、真っ白く化粧を塗りたくられて・・・ 鏡を見ても自分とは思えないですわ。

「やっぱり化粧って慣れないですわね」

 入れ替わりに子供たちがわたくしの控室をこっそりのぞいていきます。

 あの子らをぎゅっと抱きしめてストレス解消したいですが、化粧の仕上げで動けません。

 侍女は眉を吊り上げますが、良いじゃないの。微笑ましくて。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ