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ぶちのめしますわよ、旦那様【領主を継いだので好き勝手やてみたい別冊?】   作者: 堀江ヒロ
結婚とその顛末

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領主を継いだのでもてなしてみた


 結婚式での向こうの出席者は花嫁の直接の関係者だけだってのに、何あの人数? なんであんなに来るんだ?

 花嫁たちの行列を屋敷から観察する。

 大名行列ってのはああいうことを言うのか。嫁入り道具を積んだ馬車も列をなしている。

 こっちは数合わせで近所の領民を追加で借り出さなくちゃならないんじゃないのか。

 まあ、手配はオレじゃないけれど。一応、主役のはずだしな。

 式までは出番も無いし、始まるまでゴロゴロしてようかな。




 あれ? 何でオレが料理してんの? 今日って、オレが主役だよね。

「坊ちゃん、何手を止めてるんですか。忙しんですからちゃっちゃと料理を進めてください」

「ね~、何でオレが料理してんの?」

「式が始まるまでやることないじゃないですか。人手が足りないんだから、無駄口たたいてないで手を動かしてください」

 取り合ってくれない。たしかに、男なんで女と違って化粧しないし、時間はかからない。

 けれど、声を大にして言いたい。オレって領主だぞ。一番偉いはずだぞ。

 『言いたい』だけなので、口には出さない。だって、おばちゃんズが怖いんだもん。特に令嬢の部屋へ準備で向かっている時の雰囲気は鬼気迫るものがあった。

 近所のおばちゃんたち総出で頑張っているが量も量だし、作っても作っても終わる気配もない。

 野菜の皮むきもガキどもに手伝わせているが、こいつらは気もそぞろで手際が悪いし、役に立たない。

 はっきり言って、煩わしい。

「わ~、花嫁さんだ~」とお祭り騒ぎだ。遠巻きに様子を伺って来てはきゃっきゃと無駄に喜んでいる。

 実際、関係ない奴らにとってはお祭りなのだろう。確かに美人であるのは否定しない。

 でも、オレにとっては不幸祭りだ。


 結婚式は・・・、うん。取り立てて言う事は無いな。花嫁の関係者に「ありがとうございます」と挨拶を返すだけだ。

 向こうはきちんとした身なりの人ばかりだが、こっちの出席者は数合わせの平民らだから格差が酷い。

 ただ、酒が入れば無礼講だ。酒がガンガン消費され、近所のオッサンが怖そうな面構えのオッサンの肩をバシバシ叩いている。酔いがさめたら無礼討ちとかされねぇだろうな。


 一つだけ良かったのは、料理の最中につまみ食いしまくったので、他の結婚式の時と違って目の前の料理を指をくわえて見てなくて済んだことだけだ。


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