表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぶちのめしますわよ、旦那様【領主を継いだので好き勝手やてみたい別冊?】   作者: 堀江ヒロ
領主一家と愉快な仲間たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/142

領主を継いだので決断を迫られてみた


「大変です!領主様。 奥様が先輩を荒縄で縛るという高度なぷ、ぷれいを始められています」

 レイさまに押し付けられた仕事をしていると、そんな戯言を言いながら下女の一人(アホ兵士の嫁)が飛び込んできた。

 何言ってんだ、こいつ? 確かにあの女はSっぽいが、そんなことする性癖はないはずだぞ。お前の目の錯覚だ。

 アホと結婚してからこいつも一層変人に近づいたな。いや、前から変か?

「奥様達を盗み見てたら、じゃなくって、覗いて・・・じゃなくて。とりあえず、大変なんですって」

 お前の頭がな。


 アホ下女の追い立てられ、渋々その現場というか、オレの部屋へ向かう。

「あら? 旦那様。準備が出来てから呼びに行こうとしていましたのに」

 そう言って迎えたのはレイさまだ。

 まさにぐるぐるに縛りつけられた女が布団の上に転がっている。猿ぐつわまでされてるそいつは妊娠したって言ってた女だ。


 見間違いじゃなかった!? 人の部屋で何やってんの?

 ほら言ったとおりですよね、という顔の下女。

 オレに仕事押し付けて、ホント一体何してんの?

 下女はオレを無理やり連れてきたくせに、これ以上関わりたくないのか、どっか行きやがった。


「見て分かりませんの?」

 うん。分からん。エスでエムなプレイしてるようにしか見えん。老婆心ながら、妊婦にそのプレイはキツイんじゃないか。

 ついでに言っとくけど、オレはノーマルだから付き合わないぞ。

「違いますわ!」

 レイさまは顔を真っ赤にして否定する。

 縛られている女も「ぎがぎがぐ」と、首を振りつつ、うめき声を上げて何か言っている。

 当然何を言いたいのか分からない。


「え~と、これはスィを捕縛しているのですわ」

 それは見ればわかる。聞きたいのはその捕縛している理由だ。

 何でまたそんな事を? 他の奴が失敗しても、今までこんな折檻したことないじゃん。

 何かとでもない粗相でもしたのか?

 でも、こいつって顔の通り平凡だから致命的な失敗起こさないだろ。むしろ、さっきの下女の方がどえらい事をしでかしそうだ。

「そうではありませんわ。スィはきちんとしていますわよ。旦那様は夫なんだから知っているでしょ」

 最近こいつ、よそよそしく避けられてたから知らないんだけど。

 っていうか、なんでこいつの肩を持つんだ? 折檻してるんだろ。


「それとこれとは別ですわ。スィが旦那様から粗相をするような娘だと誤解されてはかわいそうです」

 いや、こいつが粗相しようがしまいが、どっちでも良い。

 それなら、何でこいつは縛られてるんだ?


「これはスィが子を身ごもったからですわ!」

 びしっとオレに人差し指を突き付けてくる。

「良いですか、旦那様。事は後継ぎ問題に絡んでいるのですわ。スィが男の子を産んだらどうする気ですの!?」


 え~と、普通に祝うんじゃ・・・ダメなんだろうな。話の流れ的に。


「当然です。いいですか? 跡継ぎは実家の後ろ盾もあるわたくしの子にしなければなりませんわ。

 その時、スィの子がいたらどうなると思います? 将来後継ぎ問題で揉めるのが分かっているのですから、今の内にその芽を摘んでおく必要があるのですわ」

 穏やかじゃないけど、結局こいつ縛ってどうすんの? お腹の子共々屋敷から追い出すつもりかか。


「こうするのですわ!」

 レイさまは懐から短剣を出す。そして、こちらに抜き身を見せつけてくる。

 マジで!? 冗談じゃないの? 貴族こわっ!

 まさか、先日ふと考えたことが考え過ぎじゃなかったとは・・・

 将来どころか今抹殺されそうになってんぞ。


「旦那様が殺りますか?」

 そう言って、呆然としていたオレに短剣を強引に握らせてくる。


 無理ムリむりっ!? いやいやっ。きっとオレをビビらせるために言ってるだけだよな。

 ほ~ら、刃に手を這わして・・・切れた~っ。皮一枚だけだど、切れたところから血が出てる。模擬刃じゃなくて本物じゃん。

 そして本人は腰に佩いている剣の鞘に左手を添え、鯉口を切っている。

 何でそんなに殺す気満々なの? お前ら仲良くやってたじゃん。

「貴族とは非情なのですわ。さあ、旦那様。せめて苦しまない様に一思いにやってあげてください」


 以前本で似たようなシチュエーションの話を読んだ事あるけど、その時はこんなのあり得ないよなぁって流してた。けど、自分の身にふりかかるなんて・・・どう対応するのが正解なんだ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ