第27話 兄妹
「おかえり、お兄ちゃん。」
「ただいま。」
シンとアウラはリベロの家にきていた。アウラとは宿屋外で出くわし一緒にきたのだ。レークスは疲れたので寝るといっていた。家は村の外れにあり木が朽ち今にも崩れてしまいそうだった。
「妹のぺルナ。ぺルナ、シンとアウラだ。」
「「よろしくな(ね)!」」
「えっと、プレゼント…ありがとです。」
リベロが双方を紹介すると、シンとアウラの声がハモった。ベッドに座っていたぺルナは二人の元気な声に驚き傍にいたリベロに掴まり隠れた。そしてチラリとシン達を覗き見しほんのりと赤い顔をしながらお見舞い品のお礼を言った。ちなみにお見舞い品は食べ物の詰め合わせだった。
「いいって!遠慮せずに食えよな!」
「じゃあみんなで…。」
「ぺルナのなんだから、自分で食べな?」
シンが買ったわけでも、選んだわけでもないが何故か自信満々に言う。アウラが文句を言っていたがシンは聴こえないフリを決め込んでいた。照れ笑いをしながらぺルナは言った。それをリベロが心配そうな表情で諭す。
「俺達はもう飯食ってきたから気にすんな。」
「そうだよ、貰った人が食べるのが一番だよ!」
本当はまだ食べてなかったがシンは嘘をついた。アウラがフォローの言葉を被せた。それを知っているリベロは気まずそうな顔をしていた。
「お兄ちゃん、半分ずっこしようね。」
ぺルナはリベロの袖を掴み小さく笑った。そうだな、っと言うリベロは愛おしそうな表情をする。それを見ていたシンとアウラは二人が本当に大切に想い合っているのを感じた。そしてそれはずっと見ていたいと思えたのだった。しばらく談笑をして、ぺルナが寝付くとリベロが外に出るように促した。シンとアウラは素直に従った。
「どうだった?」
「可愛い妹だな、俺の妹に欲しいくらいだったぜ!」
「それは可哀相だよ。」
外に出るとリベロが下を向き落ち着かなさそうに動いていた。シンは思ったままの感想を言う。シンの発言に対してアウラは思ったことをいった。
「最高の妹なんだ。」
「だな。」
リベロの言葉にシンは二カッと笑った。それを見たリベロは真剣な表情になる。
「僕頑張ってサイン集める。だから、僕に戦わせて。」
「いや、俺が戦う。」
「シン!」
頭を下げ懇願するリベロに、シンはすぐさま返事する。それを聞いたアウラが反論の声を上げた。リベロは頭を下げたまま手を握り締める。それを見ていたシンは反対側を向き空を見上げた。空には星と光魂が輝いていた。
「勝った時の条件は毎日皆が腹いっぱい食べれるようにするだ。」
「…え?」
リベロが顔を上げてシンを見上げる。反対側を見ているのでリベロにはシンの表情は見えない。アウラも驚いた顔をしていた。
「お前戦ったことないだろ?まだ俺の方が経験あるし勝機があるしな。代理ってことになるから、サインは集めないとだけどな。」
「それって…。」
「どうせなら、一緒に戦おうぜ。」
「うん!」
シンがリベロに手をさし出した。それをリベロは力強く掴み握手をした。その上にアウラが両手を置いた。
「よっしゃ、じゃあしらみ潰し作戦だ!」
「そうだね!」
「そういえばアウラって階級ってなんだ?」
シンは思いついたように言った。シンとリベロがアウラをみる。
「あ、そっか。アタシは貴族で…役に立てなくてごめん。」
「じゃあどっちにしろ村人のサインがいるな。」
「ちょ、ちょっと待って!」
「何だ?」
早速歩き出すシンをリベロは止めた。シンとアウラは不思議そうな顔をした。
「どうして、そこまでしてくれるの?」
「理由がないとダメなのか?」
「だって、今までずっとそうだった。誰も僕達のことなんて…。」
悔しそうな顔をするリベロ。今までどれだけ不遇な日々を送ってきたのかが窺えた。
「納得できる理由がっていうなら、俺も母親一人しか家族がいないのがあるのかもな。全部は分からなくてもたった一人の大切さは分かるからさ。」
「アタシは単純に助けたいって思ったんだけど…。」
「実際俺もただ力になりたいって心底思った。それだけなんだ。」
リベロの問いにシンとアウラは答えた。それを聞いたリベロは鼻を手で擦って二人を見つめた。
「時間もないし、やれること全部やって全力で戦おうぜ!」
「おー!」
そういうとシンは走り出した。アウラは片手を掲げながらそれについて行く。リベロは目を瞑り今までとはまるで異なる力で手を握り締めた。そして瞬時に目を開け走り出したのだった。




