8話
今日は学校が始まってもう3週間は経つ。と言っても特に変わったことはない。いや、小学校と比べて私に対するヒソヒソ話(悪口だろう)が増えた。しかも、男女両方からだ。まぁ、ほんの少しだが……。
「また言ってるよ。あいつら」
そう言って、ランことラーフィン・アルバンは心底嫌そうな顔でヒソヒソ話をしている女子を睨む。睨まれている彼女達は外部生だ。
「まぁまぁ。私は別に気にしていませんわ。でも、ありがとうございます。」
そう 正直噂とか陰口は貴族の娘なら日常茶飯事な事だ。外部生とは言え、相手は公爵家の娘だ。
「自分があの男の婚約者じゃないから、婚約者であるマリアにあたるなんてね。」
彼女は何かと突っかかってくるのだ。昔から。それでも嫌いではない。
「あら、マリアさん。今日も随分とお綺麗ですこと。その美貌でジェード様を落としたのです?」
うっすらと笑みを浮かべ、馬鹿にした様に言う。
「美貌?それなら……」
「「アリティエ様のほうでは?/ですわ」」
顔をゆがめる3人。正面にいるのは金髪の長い髪にウェーブがしてあり整った顔は大人顔負けと言えるほど大人びていた。彼女は公爵家の第二子アリティエ・ダーレインだ。昨日のパーティーのの双子の妹である。マリアと被って言葉を発した二人は伯爵家の娘達だ。確か双子だった。
「何の真似ですの?私を馬鹿にしてますの?」
「いいえ。事実を述べたまでですわ。」
実際、よく噂になる程の美貌だ。私なんか足元にも及ばない。
「私より断然綺麗ですわ!!」
「これ以上馬鹿にしないでくださいます?私にはそんな嘘通用しなくってよ?いい子ぶっているんでしょう?本音を言いなさいよ。」
「そろそろ授業始まるんだけど?それに毎日毎日私とマリアとの時間を潰さないでくれる?鬱陶しい。」
ランの言葉により毎回「覚えていらっしゃい!!」と言う言葉と共に去っていく。毎日毎日言われているので忘れません。こんな感じで日々過ぎていく。
因みにジェード様は生徒会と王宮に戻って仕事?をするので忙しいようで、あれから一度も教室に来ていない。寂しいです。