7話
私は今、学校の大広間にいる。自由参加でいつ来てもいいことになっているため、まだあまり人はいないと思っていた。しかし、沢山の人が既に集まっていた。お父様とお母様と来たのだが、二人は挨拶があるため、行ってしまった。お兄様はマリアとお留守番である。お兄様は参加可能だが、マリアはできないためだ。つまり、私一人である。パーティーは何度か行ったことがある。しかし、一人になるのは初めてだ。とりあえず、隅の方でお父様方が来るのを待とう。とてもではないが、堂々と歩き回れる気がしない。
「お一人ですか?」
同学年と思われる男の子に声をかけられる。ジェード様に並ぶ美形だった。
「はい。えーっと、ごきげんよう?」
お母様の挨拶を思い出してドレスを軽くつまみ、右足を軽く後ろに下げ挨拶をする。
「そんなに畏まらなくていいよ。だって、君も1年生だろ?」
どうやら、同学年という認識であっていたようだ。
「はい。……あっ!私、マリア。マリア・ウォスカーと言いますわ。宜しくお願い致しますわ。」
美形くんの顔を見て、ニコッと笑う。どこかで見たことがある気がする。
「僕はアルフレッド
。アルフレッド・スタッカーさ。よろしく。」
アルフレッド様は片手を差し出す。握手のようだ。
「ええ。よろしく……スタッカーって公爵の!?」
忘れていた。一度会った人を。しかも、自分よりも偉い人を。
「申し訳ございません。」
慌てて頭を下げる。
「いいよ。だって、一回しかあった事無いんだし。」
優しいです。本来なら、怒鳴られても文句を言えない。
「そうだなぁ。お詫びってことで僕の話相手になってよ。」
「そんなことでいいのですか?もう二度と視界に入るな!とかではなく……。」
「はは。そんなことで怒っていたら大変だよ。周りに誰も居なくなっちゃうじゃん。」
言われてみればその通りである。
それから楽しくおしゃべりしていると、いつの間にか沢山の御令嬢が集まって、彼の話を聞いていた。私もその一人で、ここまで楽しい話ができるのは凄いなと思っていた。
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凄いな。と思い話を聞いて相槌を打って、質問に答えていたのだが、いつの間にか、私は輪から追い出されていて、アルフレッド様が見えない。仕方ないから、ジュースをもらってから出直そうと思う。
にしてもすごい人気だな。
だって、私が少し離れた間にさっきの倍になっている。恐ろしい。
なんか、今から戻るのもな。話が終わるまで遠くで見守っておこう。遠くから眺めていた。それからは、ジェード様と合流し、気づいたらパーティーは終わっていた。なんか、意外と終わるのが早かったな。なんてね。帰りは馬車に揺られているうちに眠ってしまった様だ。
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次の日、起きたら朝だった。学校は一日休みで、アリスは寮へ行き、いろいろ確認していた。もちろん、私も、お兄様も。お父様とお母様は、お家へ帰っていった。実は、王都にある家は別宅というもので、本家は、遠いところにある。緑がいっぱいで綺麗なところ。田舎ではなく華やかだが、自然にあった華やかさを持つ。私の大好きなところだ。いいな。と思いながら、眠りにつく。
ちなみに、一人部屋である。