6話
遅くなりました。
一応受験生なためこれからも不定期更新が続くと思います。
「マリア!」
「マリア姉様!」
教室の入り口で私を呼ぶ声がする。
「お父様!アリス!今行きますわ。」
お迎えが来たようだ。私はジェード様とソフィーとランにお先に失礼します。とだけ声をかけた。
「お父様。お母様とお兄様はどうしたのですか?」
そう尋ねると、
「今日、これからもパーティーがあるだろ?フィーがその準備をしないといけないからって先に帰ると言い出したんだ。」
と返ってきた。フィーとはお母様のことでフィオナの愛称である。ちなみにパーティーは入学を祝うもので同時に親睦も高める為でもある。小学生はまだなく、中学生が対象となる。時々、将来有望な外部性もいるが推薦で庶民なことが多く、配給されるドレス・タキシードを着ることもできる。
「つまり、お兄様はお母様が心配で付き添ったのですね。」
お父様は無言で頷く。いろいろな話を三人で楽しく馬車の中でしていた。
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家に帰ると、案の定、お母様がドレスを並べてあれやこれやと唸っていた。お兄様が居なかったら、今頃、何処かへ買いに行っていただろう。過去には1日に二十着程買い、お父様に怒られていた。今回は大丈夫そうだ。きっと、お兄様が止めていたのだろう。感謝いたします。
お母様は自分の仕度が終わると、わたし達に向かいニッコリと微笑んだ。
「マリア。お母様がドレスを選んであげますからね。」
怖いですわ、お母様。その後着せ替え人形のように沢山のドレスを着せられたのは言うまでもない。