EX第20話「帰宅」
ここ数年、用水路にザリガニを見なくなりました。
小学生の頃は、用水路にいて虫とり網で獲っていたものでしたが。
ドジョウ・フナ・鯉などを学校から帰ってとっていた記憶があります。
大人になってザリガニを300円で買うと聞いて、そこら辺にいないんですか?と聞いたら、田んぼがなくなったからいないとの事でした。
そういえば自宅周辺も昔は田んぼや畑がいっぱいあったのに、今では住宅街。
少し寂しいと思う今日この頃です。
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島の住民さん達が帰り、また普段の生活が始まった。
で、初日の今日はのんびりと休む。 みんなで世界樹の下でみんなでお昼寝だ。
アラクネさん達のお腹に回復魔法をかけてあげると、すぐさま夢の世界に旅立った。
木人さん達も分体を回収して普段というか見た感じ普通の木になっている。
イツキも同様で、日差しを浴びているようだ。
そんなイツキの下は日陰でちょうどいい温度になっている。
お銀を枕に寝そべる。
このような時間の過ごし方は何処でも一緒である。
1日、何もせずにゴロゴロする。
とても贅沢な時間の過ごし方である。
やる事はいっぱいあるが、今日は何もしない日なのだ。
朝・昼・晩の食事は、空間魔法から取り出して、食事の用意もしない。
食べたら、ゴロンとして転寝を楽しむ。 夕飯の前にみんなで温泉。
で本日は終了だ。
◆◇◆◇◆◇◆◇
翌日。
また冒険の旅にお出掛けが待っている。 まあ、それもまた楽しいけどね。 とりあえずは、バグ族さんのところかな。
何と言っても木人さん達とバグ族の方しか会っていないからね。 で、しばらくあっていないから何か手土産を持って行こうかな。 そんな訳でバグ族さんの所までテレポートをする。
お土産は木人さんの果実にした。
「生きていたか?」
口は悪いが、口調に元気だったか?と、そんな感じのする挨拶だ。
この素っ気無さが俺的に嬉しい。
「おかげさまで。 木人さんの果実を持って来たんで食べませんか?」
俺がそう言うと、「仕方ないな」と言い、一緒に食べる。
まあ、カバさんだから地面の上でムシャムシャとだけど。 ツンデレ親父みたいで結構好きなのだ。
帰りに小魚と草が合体したものを結構いっぱいくれた。 浅瀬に生えていて、食べてもすぐに生えるのだそうだ。 命名「小魚草」。
戻って食べてみたら、何かにぼしみたいな味がした。
それにしても、この世界の魚って生えているんだね。
◆◇◆◇◆◇◆◇
翌日は、久々に神さまとお茶会だった。
こちらの世界の神さまと、アルテナ様。 そして今回、木人さんも参加した。
バロンさん達は、木人さんを見て何やら感慨深い感じだ。
それもそのはず、こんなにも変わったのだから。 姿も、そして考え方も。
その事を喜んで祝福する神さま達。 そして、俺に酒を要求する神さまたち。
用意した酒は、俺が向こうで醸造したお酒だ。
何せ死なないし、時間だけはいっぱいあるから酒類は結構いっぱい余っているのだ。
一時、趣味で色々なジャンルの物を作ったから量も種類もいっぱいある。
ちなみに醸造するのは好きだけど飲むのは、そうでもなかったりする。
ただ醸造するにあたり、ノミクチなどは研究をしたから美味しいお酒を勧めるくらいは出来る。
用意したお酒を「美味い、美味い!」と飲んで陽気になる神さま達。
調子に乗って、色々な加護を木人さん達にあげているけど……それって大丈夫なの?
まあ俺には関係ないし、見ないことにしておこう。
そうそう話は変わるけれど、あれから島の住民さん達は、あれからローテーションで来ている。
で、1番人気はパターゴルフだ。
島にも、あれから伝わったらしくあるみたいだけど、こことはコースや環境が違うので楽しみにしてたとの事だ。
もちろん、この世界の観光も人気があるし、1日の最後に入る露天風呂も人気だ。
何といっても、時折神さまと一緒に入れるというサプライズもある。
特に一緒に入ると御利益があるのだとか。
実際はないのだが、ふだんよりクラブの調子がいいとか、少しお肌がキレイになったとか験かつぎみたいなもんだ。
本人たちは、喜んでいるし否定はしない。
で、1週間ほど滞在をしてお土産を買って持って帰っている。
ちなみにお金はこっちが欲しいものを向こうで買って交換するというのを俺たちが間接的にやって成り立っている。
ちなみに1番人気は水瓶である。
ここで今後の事も考えて、回復魔法を石にかなり積め込んで、だいたい1つで約10年持つのを作った。
その石を水瓶に入れると回復魔法配合の水になるのだ。
これをセットで交換にしているのだ。
おかげで自分たちで作った集会場にも入りきらず専用の2階建ての建物を作ったくらいだから。
◆◇◆◇◆◇◆◇
3年後。
俺たちは、この世界をぐるっと一周した。
で、木人さんやバグ族以外の他の住民たちにも会った。 蜂の虫人さん達や花の植人さん達。
どうもこの世界では、獣の住人はバグ族さんだけで、虫や植物が進化した惑星というか世界らしい。
でも何故か猫や犬、そして大型動物にも会わなかった。 見かけたのはトカゲさんみたいな爬虫類くらいだった。
そう考えると、バグ族さんは珍しいのかもしれないな。
それに、鳥類は全然見かけなかった。
でも……空を飛ぶ草は見かけたけど。(すすっきっぽいので箒みたいな感じ)
何というか、走る草に空飛ぶ草……。
俺的にどういう原理か知らないけど、草が走ったり飛んだりする風景は違和感はタップリだ。
まあ、こっちの世界の住民から見たら、俺たちの世界が違和感たっぷりなんだろうけどね。
それに何と言っても、こっちの神さま達が木人さん達やこの世界の住民の事を興味持ってくれたのだから。 もう今までと違って暇ではないだろうからね。
俺たちも週2日くらいはこっちに来る予定だし。
で、イツキは、分体の1つを俺たちの所に寄越すとのことだ。
そして島からこっちに戻ったら、一度本体に戻って記憶や経験の統合をするとの事だ。
で、更にもう1つ分体を作って、この世界を旅したいとの事だ。
ちなみにこの分体、イツキなら3体ほどで、他の木人さんは2体なら大丈夫との事だ。
ただしテレパシーなんかで通信は出来ず、本体のところで統合しないといけないとの事だが、それでも十分チートな気がする。
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そんなこんなで島に戻って数ヶ月が経過した。
もちろん、週に1回~2回は、向こうにも行っている。
で現在、木人さんの分体も結構こっちに来ているし、あっちに森の妖精さん達がお邪魔をしている。
ホームスティみたいな感じなのだろうか?
そして走る草もこっちにあるとうかいる。 それこそ全速力で走っている。
何故なら、牧場の家畜さん達に追われているからだ。
別に牧場じゃなくても良さそうだが、何故か居ついているのだ。
で、その牧場の土壌がいいのか、靴からちょっとはみ出したくらいの丈だったのが、大人のひざ下くらいの丈に育っている。
「あっ……、少しかじられた」
葉が2、3枚、ヤギさんに食べられた。
そして、すぐに生えた。 う~む、繁殖したら草刈が面倒臭そうだ。 いや半分ハンティングか。
ちなみに夜になると、牧場の端っこに土を掘って埋まっている。 ふむ、刈るなら夜だな。
とまあ、あっちとこの島の関係は上手くいっている。
そもそもお互いの価値感が全く違うのでぶつかる事などないんだけどね。
とりあえず、向こうの世界の危機も乗り越えたし、またしばらくのんびりとマイペースに生活をしている。
そうそう色々な出来事があったら世の中が崩壊をするし、何もないのが一番なんだと思うんだ。
平和で平凡な日々で「毎日が同じでツマラナイな~」でいいと思う。 だってそのツマラナイが平和な証なんだから。
でもツマラナイ毎日に少しでも華をつける為に、みんなに新しくサッカーでも教えてあげようかね。
オフサイドは当然抜きにしてね。
「お銀、みんなで玉遊びだ! みんなを集めてきて!」
「了解です。 小太郎さま」
と、いう訳で。 じゃあ、またね!
お読み頂き、ありがとうございました(*˘︶˘*).。.:*♡




