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異世界の天気予報士「明日、天気になーれ」  作者: 藤崎日向
明日天気になーれNEXT
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EX第18話「世界を引き継がせるために」

久々に体調が撃沈しました。

健康診断の為、キャベツダイエットを決行!

その他にも特ホ(黒ウーロン茶)なども組み合わせて結果は、昨年より良くなったのですが、体調はその後、最悪に……。

あれ?健康になった筈なんだけどな……。

ちなみに肝機能が良くなり、もともと普通だった中性脂肪の数値も更に良くなりました。

 本日は開拓の日だ。

 とりあえず今回は、開拓というか、この辺りに家を建てる予定だ。

 第一弾はここに何軒か家を建て、この辺りを集落っぽくし、いずれは色々な場所に集落を作りたい考えだ。

 先ず一歩一歩着実に。


 今回もアラクネさんと協力して家を建てる計画である。

 あっちの島は、木造住宅が9割で残りの1割が氷の住宅なので、今回はレンガ造りの家にしようと思っている。 この辺りは木が少ないしね。


 そんな訳でまずは、レンガを作る為に窯を作らなければならない。

 土をレンガの形にして、風魔法と火の魔法で水分を飛ばしていく。

 ……で、土をレンガの形にしていると、少し離れたところからイツキが興味深そうに見ているので、一緒に作業をしないかと勧めると、嬉しそうに頷き、一緒に作ることになった。

 親子のふれあいは大事である。



 今回も職人さんであるアラクネさん達が頑張ったおかげもあり、およそ3時間程で立派な窯が出来上がった。

 その出来上がった窯で中を高温で乾燥させ、その間、のんびりとレンガを作ることにする。

 イツキとの会話は特にないが、同じ作業をしていると心が近くなる感じがする。



 3時間後。



「結構作ったと思うのですが、あとどれくらい必要なのですか?」

「まだまだ必要だな。 まあ1万個くらいは欲しいな」

「えっ! 1万個ですか?」

「そうだね。 それくらいあれば、ある程度の物が作れると思う。 それに始めに作っておくと急な時に対応出来るからね。 レンガは腐らないし、きちんと保管と管理をしておけば何時でも利用出来るから少し多いくらいで丁度いいんだよ」

「そうなんですか?」

「そうそう。 ほら、アラクネさん達は、黙々とレンガを作っているだろ?」

「そうですね」

「アラクネさん達は、この前行ったあの島の殆どの建築物と川の整備をやったんだ。 これくらい造作もないんだ」

「あの島の建物をですか!?」

「そうだよ。 アラクネさん達のお陰で、今のあの島があると言っても過言ではないんだ。 ここはイツキの生まれ故郷なのに、全てアラクネさん達に作って貰うつもりなのかい?」

「いえ、私も木人さん達も一緒に作ります!」



 こうして、当人が知らぬ間にか木人さんたちも加わる事が確定した。

 木人さん達にレンガ作りを手伝うように言ったが、集まったのは1/3くらいだった。

 何故、イツキを信奉しているのに全員が集まらなかったのか?

 理由は、至って簡単だ。

 人化を覚えていない人と、人間以外に変化した人達だからだ。 その人達は一切悪くないのに、イツキに対して非常にバツの悪そうな顔をしていた。


 バツの悪そうな顔をした木人さんを慰め、人化した木人さんとレンガ作りを始めた。 初めてのレンガ作りに四苦八苦している木人さん達だが、そこは足が普段から埋まっている木人さん達。 遅いながらも丁寧に楽しんで作っているようだ。


 イツキも木人さん達を見て、楽しんで作る事を覚えたようで、木人さん達と会話を楽しみながら作っているみたいだ。

 俺はイツキと違って、頭を空っぽにして淡々と作るのが好きだから静かに作っているが、話しながら楽しく作るのを否定をしたりしない。


 レンガがきちんと出来あがれば何の問題もないのだ。 一番ダメなのは、この作業が嫌いになったり雑になったりすることだ。

 三時間もすると、イツキや木人もレンガ作りに慣れてきたらしくスピードがアップした。


 ただ初日なので、今日はこれくらいにして作業を止めることにした。


 イツキと木人さん達は、また明日も作ると張り切っている。 どうやら働くことや作ることの喜びに目覚めたようだ。 木人さん達は数十年といや、生まれてから何かを作り出すということをやった事がなかったからこの作業、全てが新鮮だったのだろう。

 こちらとしては、最後に自分たちで完成させたという喜びを味わって貰って、ゆくゆくはこの世界を背負っていって貰いたいと心より願っている。 だからここは、是非とも成功したいというかさせたいな。



「みんな、お疲れさま。 イツキも木人さん達もお疲れさま。 アラクネさん達と違って慣れてなかったから色々大変だったでしょ?」

「はい。 大変でしたけど、楽しかったです。 木人さん達ともいっぱい話せましたし」



 と、イツキがそう話すと近くに居た木人さんも



「うむ。 なかなか大変だったが、物を作るのは新鮮で楽しかった。 若と一緒に同じ物を作るというのも良かった。 人型以外になった木人たちも、今日の様子を見て向こうで人型の練習を頑張っているみたいだ」


 と、木人さん達もイツキと一緒のレンガ作りを楽しんでいるみたいだ。

 何といっても「イツキさま」から「若」にクラスチェンジしたみたいで言葉遣いも少し硬さが抜け良い感じになったのだが……若って時代劇で聞いたことあるな。


 後片付けも嬉々としている彼等を見ると、この世界の変革も遠くない未来な感じがする。

 変わらないという事も大事だけど、今回に関しては極端過ぎだ。

 何事も程度があるというのをこの世界で学んだ。


 今後は、変える部分と変えない部分を神さま達とお茶を飲みながら決めていき、ある程度の大枠が決まったらイツキ達に投げていこうかな。 初めから全部投げても困ると思うからね。

 まあ、しばらくはこっちでノンビリ過ごすけど、いずれは……1週間に2日くらいでいいかな。


 俺たちの本拠地は向こうだからね。 ただイツキが居るから週に2日くらいは来てあげないといけないし、退屈している神さまとのお茶会は月1で開催すればいいかな。

 むっ……何やら文句が聞こえてくるけど聞こえない。 今まで何万年も退屈してたんだから月1でも十分でしょ。 今度はお酒も用意するからね。

 あっ……、文句が聞こえなくなった。

 現金でありがたい。 何事も妥協が大事である。


 後片付けが終わったので、温泉に浸かることにする。

 せっかくだから木人さん達も誘う。



「ふむ。 長い時間入っていると、身体に良くなさそうだが、少しなら問題なさそうだな。 今日わかったが、何事も経験することも大切だとわかった。 せっかくの誘いだからお言葉に甘え入らせて貰おうか」

「ええ。 長時間ですと、木人さんだけでなく人間も動物もダメですが、身体の汚れを落とすくらいな時間ですと、疲れも取れて身体も良い感じになりますよ」



 その後、木人さん達が温泉文化を堪能して、翌日から仕事後に温泉に浸かるようになったのは言うまでもない。

 木人さんから採れる果実も少し甘くなるといった効果がうまれてきたのは、かなり嬉しい誤算だ。 

お読み頂きありがとうございます。

もうちょいでお仕舞いです。

今月中に完結させる予定です。

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