EX第12話「その頃、小太郎の住んでいた島では……?」番外編
昔のテレビ番組
昔やっていた、「あなたの知らない世界」という番組をご存知だろうか?
何故か昼時にやっていた怖い番組でお盆休みの時、テレビに背を向けて見ていた?番組でした。
そのお陰もあり、夜はトイレに行くとき「南無妙法蓮華経」と唱え、なにか棒を振り回しながら忍び足で行っていた記憶があります。
ちなみに寝ているのは二階で一階にトイレと離れている為。
他に、築百年以上の田舎に泊まるのも非常に怖かった(仏壇のある部屋だったので)記憶もあります。
そして、何故か心霊写真を何枚か見つけたりと……。
だから、お墓で写真撮ったらダメだって!
何故そんな話しをしたかって……。
お彼岸が終わったからですね。
皆さん、お墓参りは行きましたか?
写真撮ってはいけませんよ。
私は勿論撮りません。
家族で撮っている人が居たら注意しましょう。
処分に困りますよ!
◆◇◆◇◆◇◆◇
【異世界の天気予報士「明日、天気になーれ」】
異世界生活10日目
本日の予定……休み
◆◇◆◇◆◇◆◇
【???SIDE】
電車に乗っていた。
『ドン!』と大きな物が倒れる音がした。
人身事故だった。
自分の駅まであと6駅。
電車が再開するのと歩いて帰る時間を考えると歩いて帰った方が早く着きそうな感じだった。
『ハァ……』と俺は溜め息を吐き、歩いて帰る事にした。
今日は、8月30日。
8月にしては、少し涼しく9月下旬の秋の陽気を感じさせる。
駅の近くの喧騒を抜け、商店街を歩き始める。
時間は、22時を少し回ったくらいだ。
駅の近くは賑やかだが、少し離れた商店街はシャッターを下ろしている。
一つ目、二つ目の商店街を後にする。
辺りは、近くに住んでいる家の漏れた灯りがあるくらいなので、かなり暗い。
それをあまり気にせずに歩いていると、三つ目の商店街が見えてきた。
暗いのと、あまり興味がないのでチラリとしか見てなかったのだが、かなり古い商店街のようだ。
では、何を見ていたのかというと、商店街に飾られている提灯だ。
橙色を少し赤くした感じの提灯が暗闇の中を淡く照らしている。
普段は、何も感じないが、その時は、ひどく魅惑的に感じられた。
その商店街は、帰る予定の道から一つ外れた少し狭い道だ。
ただ少し外れても帰る方角には変わらない。
明日は、休みだから多少遅くなっても構わないと考え、提灯の灯す商店街に向かって歩き出した。
その商店街だが、当然閉まっている。
ただ、シャッターじゃなく、木戸のようだったが……。
ただ、その様な事を気にせずに商店街を進んで行く。
商店街を進んで行くと、何やら囃子の様な音が聞こえた。
その時、何故囃子がなっているか全く気にせず音が鳴る方に引き込まれて行った。
しばらく歩いていると、ふっ……と雰囲気が変わるのに気付いた。
後ろを見ると、先程の道ではなく、全く違う道になっていた。
俺が混乱していると、ふよふよと飛んでいる光る何かがいた。
目を凝らして見ると、妖精?がそこには居た。
そういえば、この一週間の睡眠時間は平均5時間だったからなのだろうか?
元々俺は、7~8時間寝ないとダメな人間だ。
それが2時間以上も少ないときっと目も頭もボケてしまったのだろう……。
あ~ウヨウヨ妖精がいっぱい居る。
「あれ~この人誰?」
「小太郎さまと少し雰囲気が似ている~」
「何か疲れているね~?」
あぁ、よくお分かりで……。
俺は相当疲れている。
疲れすぎて、頭まで少し大変な事になってきているみたいだ。
ところで、小太郎さまって誰だ?
ふ~……ただ、先程より空気が良くて過ごしやすいな……。
◆◇◆◇◆◇◆◇
【アルテナSIDE】
あら……。
何時の間にか、小太郎さまの元の世界の方がこちらに迷い込んでしまいました。
多分、先日の次元の歪みで、迷い込んでしまったようですね。
それにあの方、少し疲れているみたいですね。
何時も小太郎さまにお世話になっているのですし、小太郎さまの居た世界のお方。
せっかくですので、おもてなしをして疲れを取ってから元の世界に帰して差し上げましょう。
幸い、明日はお休みみたいなので一日、この世界を楽しんで貰いましょう。
では……、森の妖精さんにお願いして……と。
◆◇◆◇◆◇◆◇
どうやら、この妖精曰く、この島のお祭りとの事だ。
どうやら俺は、異世界に迷い込んだのか夢の中に居るようだ。
微妙に現実味のある夢だが、こういった夢もきっとあるのだろう。
うだうだ考えても仕方ないので、この状況を受け入れるしかない。
「これから、盆踊り~」
「一緒に踊ろう!」
「そうそう、みんなで踊るの楽しい」
妖精達が盆踊りを踊ろうと誘ってくる。
これは夢だ。
異世界に盆踊りなど、聞いた事がない。
それにしても、妖精が盆踊りとは……。
いくら夢でも設定が酷すぎる。
妖精のワルツなら見てもいいが、盆踊りとはね。
まあ夏だし、仕方ないのかな?
耳を澄ますと、遠くからお囃子の音が聞こえてくる。
社会人になって、もう八年。
この秋で三十路かぁ……。
そういえばここ五年程、仕事が忙しくて夏祭りに行ってなかったな。
せっかくの夢だし、参加してみようか。
妖精達が俺の手よシャツを引っ張って盆踊りの会場まで連れて行ってくれる。
うん……くれたのだが。
そこは、何とも言えない会場だった。
何故にたこ焼きじゃなく、ホットケーキが売っている?
ミニカステラやクレープならまだしも、ホットケーキとは……。
他にも唐揚げやら豚汁も売っている。
微妙に定番から外れているのが夢仕様なのか。
「食べる~?」
「これ、すごく美味しい」
「蜂蜜タップリだよ」
あ~美味い……。
虎の獣人さんのオッサンが作るホットケーキはすごく美味い。
美味いんだが……なんか納得いかない気分だ。
「美味しい?」
「美味しいでしょ?」
「もっと食べる?」
妖精達が、褒めて褒めてみたいな感じで俺の周りを飛んでいる。
俺が『美味い』と褒めると、とても嬉しそうに俺の周りをふよふよと飛ぶ。
その光景に癒されながら、微妙に納得のいかないレベルの高いホットケーキを食べていると、何やら昭和の香りのする懐かしい音頭が流れてきた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
その音頭が流れると、会場の中心の台に色々な種族が集まって来て……。
何か、辺りが光って……。
女神さまっぽい人が浴衣を着て降臨してきた。
いくら夢でも、こりゃないだろ?
俺って、そんなに疲れていたのかな……。
女神さまっぽい人が会場に降り立つと周りがどっと沸いた。
その女神さまっぽい人が俺に向かって微笑んだ。
あまりの美しさに何か魂が抜けそうだった。
俺がぼ~っとしていると、踊りが始まったようだ。
人間はともかく、エルフや獣人やら妖精達まで浴衣を着て踊っている。
ちなみに妖精達も俺の近くで音頭に合わせて踊っている。
帯にある団扇は何故かみんな差してあるが意味わかっているのかな?
それにしても、団扇があるとか何とも微妙な日本にいるようだ。
俺の視線が団扇にあると、俺の周りで踊っていた妖精の一人が自分の団扇を俺に渡してにこって笑いかけてきた。
折角の気持ちなので、受け取り団扇をベルトの間に入れ俺も踊り始めた。
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むかし懐かしい曲が流れ円を作って踊る。
ただ楽しい。
種族は違うがみんなの笑顔があり、小さい頃を思い出すようだ。
そういえば、祖父の田舎で家族みんなで踊っていたっけ……。
そんな事を思い出しながら、踊り続けた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
盆踊りが終わると、自然と音がなくなり皆家に帰り始めた。
俺が途方に暮れていると、妖精達が来て休む所に案内をしてくれると手を引っ張っていった。
案内された場所に着くと、そこは夏なのに桜の舞い落ちる日本家屋だった。
部屋にお邪魔すると、畳のいい匂いがした。
そして、そこには女神さまっぽい人がいて、夕飯をご馳走してくれた。
何故か旅館の朝食に出てくるような和食。
ただすごく美味しかった。
食事が終わると、夢なのにすごく眠くなった。
「おやすみなさい……」
そう女神さまっぽい人が言うと、まぶたが重くなった……。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「う~ん……変な夢を見たな……」
朝、目覚めるといつもの布団の中だった。
昨夜は、いつ自分で帰ったか覚えていなかったが確かに自分の部屋で寝ていた。
そして夢も覚えている。
人に話をしたら、三十路になって変な夢を見てと、笑われそうだが、とても楽しい夢だった。
ここ最近疲れが飛んでいったみたいだった。
そして枕元を見ると、そこには昨日夢で見た妖精達の使っていた小さな団扇が……。
不思議な事があるもんだと布団を片付け、起き上がる。
そして今日は、休みだ。
ちょっと遠いけど、久しぶりに祖父の家にでも行ってみるかな。
幸い、まだ元気だし!
そういえば、8月の最終の日曜は夏祭りだったな。
そうとなれば、早速準備して……と。
昨日貰ったこの可愛い団扇を片手に祖父のいる田舎に思いを馳せた。
お読み頂きありがとうございます。
最近、風邪が流行っているようで遅れないよう、私も風邪を引き、ついでに足を痛めなかなか撃沈なる日々を送ってました。
どうぞ皆様は、風邪など引かぬようお気をつけ下さい。




