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異世界の天気予報士「明日、天気になーれ」  作者: 藤崎日向
明日天気になーれNEXT
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EX第11話「子どもが出来ました。」

夏が終わって……

売れ残りのカキ氷シロップを100円で買って、シロップ1:炭酸水4もしくは水4でメロンソーダとブルーハワイソーダにして飲んでいます。

体に悪そうだけど、あの鮮やかさに心惹かれます。

作り始めて3回目からシロップ1:炭酸水2:水2の炭酸少な目で楽しんでいます。

もうちょっと残りそうな残暑。

シロップ残り2本。

シロップ来年に持ち越し確定かな。




◆◇◆◇◆◇◆◇



 今週の予定

 8日目……人里探し。

 9日目……人里探し。

 10日目……拠点作り。発展させる。

 11日目……休み。

 12日目……人里探し。

 13日目……神様達とのお茶会。

 14日目……休み。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 異世界生活10日目。


 本日の予定は、この世界での拠点を発展させる日だ。

 昨日、森人さんの新しい特技?を見つけて、拠点の近くに住んでもらおうと考えている。

 そうすると……。

 うん!新たな世界樹の側に住んでもらうのが望ましいね。


 そんな訳で、みんなで世界樹の所に向かうと……。



「ちちうえ、今日は来て下さったのですね!」

「……うん?ちちうえ……?」



 誰か父上はおらぬでござるか?

 というか、男は俺しかいないし……。

 居たとしてもミケくらいだし……。

 心当たりナッシングだし。

 でも当てはまるのは俺くらいか。



「オレ?」

「そうですよ。ちちうえ」



 辺りを見回す。

 ふむ。俺達以外は、誰もいない。

 ただ少し思い当たる節はある。

 子どもを作った記憶はないが、木が喋る現象は最近知っている。



「世界樹くん……?」

「そうですよ。ちちうえ」



 ふむ。

 やはり世界樹くんでした。

 ただ何故に『ちちうえ』なのかが不明だ。

 わからないなら、本人に聞いてみた方が早い。



「いつから俺はちちうえになったの?」

「うん、僕をこの世界に植えた時からだよ。ひょっとしてイヤなの?」



 ふむ。

 植えた記憶ならあるな。

 ただ結婚もしていないのに『ちちうえ』か……。

 まっ……いっか!

 特に問題もあるまい。

 それに植えたのは事実だしな。



「そんな事ないさ。うむ!俺は君の父だ!」

「ちちうえ!」



 顔はわからないが、とても嬉しそうだ。

 俺は、この異世界に来てから何か全てに対して大らかになっている気がする。

 特に家族に関してその傾向が顕著だ。

 俺の周りでは、何時の間にか家族が形成されているのだ。

 血は当然、繋がっていないが、ここに居るお銀やらアラクネさん達は、俺にとってまぎれもなく大切な家族である。

 モチロンみどらやミケも大事な家族だ。

 そのアラクネさんだけで30人も居るんだし、今更家族が一人増えようが二人増えようが大した事ではない。

 ドンと来いだ!

 あの島の住人達も半分家族みたいなもんだし、イザとなればこの子もあの島で住めばいいのだ。



「よし!世界樹くんよ!父に名前を付けさせてくれ」

「僕に名前を付けてくれるの?」

「自分の子どもに名前を付けるのは親の初めての仕事だ。父親として名付けるのは大切な仕事だ」

「ありがとう!……で、僕の名前は?」

「イツキだ!『樹』と書いてイツキと読む。イツキは、名前に負けないように『でっかい樹』になってくれ!」

「ちちうえ、僕は誰にも負けないような『でっかい樹』になってみせるよ!」



 ふむふむ。

 新たな家族で出来て余は満足じゃ。

 お銀もアラクネさん達も新しい家族が出来て嬉しそうにしている。

 ちなみに、この家族の素晴らしいところは、全て受け入れる事である。

 今まで受け入れるのに反対意見という事は一度もなかった。

 全員、喜んで受け入れて一ヶ月もすると何年も一緒に住んでいたかのような雰囲気を醸し出すのだ。

 そう考えると、一番初めに家族にしたお銀が偉いのかもしれないな。

 アラクネさん達を上手に受け入れてくれたのもお銀だしな。

 感謝の気持ちを込めて、お銀の頭を撫でると、目を細めて嬉しそうにしていた。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 そういえば、今回ツリーさん達、木人さんの件があるんだよな。

 イツキにお願いをしてみようかな。



「イツキ、悪いんだけど、ここに新しく出来た友人を住まわせてもいい?」

「ともだち?」

「うん。この世界の住人だけど、イツキは嫌かい?素直に言っていいよ」

「ううん。一人よりいっぱい人が居た方が楽しいから住んでも大丈夫だよ」

「ありがとう。もし嫌だったら、イツキに新しい場所を作ってあげるから、遠慮せずに言うんだよ」

「わかった」



 よし!イツキからの了承も得たし、この辺りの土地を整理して、土壌を豊かにするぞ!

 生えているサボテンを空間収納に入れて、アラクネさん達が土魔法を使っていると『僕もお手伝いする』と、イツキが申し出てきた。



「そうか!ただ、あまり無理をするなよ」

「うん。まかせて」



 そう言って、自分の体を震わせたかと思うと、イツキが中心地となって波のようにウネウネ~っと土が盛り上がったと思ったら、素晴らしい土壌が出来上がっていた。

 イツキは、大丈夫かな?と思い、聞いてみたら『僕、世界樹だから、このくらい全然大丈夫だよ』と先程と同じ感じで言っていた。

 世界樹のわが子、恐るべし!

 撫でてあげよう。

 幹を撫でてあげたら、ポツンと桜の花が咲いた。

 嬉しかったらしい。

 そういえば、ずっと一人にさせていた訳だし、食事の時はみんなでここに集まって食べよう。

 ところで、この子は食事をするのだろうか?

 『水と魔力があれば大丈夫』との事だったので、夜に雨を降らせて、一ヶ月に一度魔力をあげる事にした。

 毎日でも良かったが、一ヶ月に一度でも多いくらいとの事だった。

 省エネ、ここに極まれりだ。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 何か開拓も早く終わってしまったので、今まで放っておいた罪ほろぼしも兼ねて、ここで夜まで過ごす事にした。

 イツキは、基本あまり話さないが、みんなでここに居ると嬉しい波動が伝わってくる。

 俺達もそれが嬉しくて、夜までゴロゴロしていた。

 夜も遅くなって帰る時、イツキから淡い光が出ていた。

 きっと嬉しかったのだろう。

 『また、明日も来るよ』と幹を撫でて自宅に帰った。

お読み頂きありがとうございます。

最近、新作をのんびりと書いています。

だーって書けないので少しずつ。

今回は、完結させてから投稿する予定なので何時になるかは未定ですし、投稿出来ないかもしれないですし。

完結させたら報告させて頂きますので、お読み頂ければ嬉しい限りです。

では。

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