閑話「ギルドに登録しよう!」【新稿】
花粉症の話②
最近、花粉がすごいです。
大変です。
花粉症のひどい人は、家に帰ったら着替えるだけでなく、シャーワーやお風呂に入りましょう。
特に頭や顔を洗って、髪についた花粉を洗い流しましょう。
あと、最近一般薬でアレグラという鼻炎薬が出ています。
あちらの特徴は、眠くならないのが大きな特徴です。
普通の鼻炎薬は、眠くなるのです。
ただ、寝る前に普通の鼻炎薬を飲むと、グッスリ寝れる訳なのです。
働く時はアレグラなど、眠くならない鼻炎薬。
就寝前は、眠くなる鼻炎薬でグッスリと。
使い分けが大切な訳なのです。
◆◇◆◇◆◇◆◇
小太郎は、暇だった。
島での生活は楽しかったが、何かが足りなかった。
異世界に来て、エルフ、ドワーフ、獣人さん、魔物さん、世界樹などに出会った。
でも何かが足りない。
そうだ! こんな時にこそ、地球で買った本を思い出せばいいのだ!
そして気付いた!
ギルドに行ってない事に。
基本中の基本でもある冒険者、若しくはお仕事ギルド。
うむ。 これは行かねばなるまいな!
◆◇◆◇◆◇◆◇
冒険者ギルド……何やら荒野を感じさせる魅惑の言葉。
荒野といえば、カウボーイハットだ。
アラクネさんに頼んで作って貰おう。
そして、革の鎧。
いや……初心者の俺には少し分が高すぎる。
やっぱり旅人の服だろ?
「アラクネさ~ん!お願い」
ただ小太郎は気付いていない。
アラクネさんの作る服は、とんでもない金額ということを。
しかも小太郎に頼まれたものだから、お糸を含め気合が入りまくりだ。
そして出来上がったカウボーイハットと旅人の服を着る。
見た目こそ地味だが、見る人が見れば恐ろしい程の価値がある装備が出来上がったのだ。
「あと銃があれば完璧なんだけど、物騒だから木刀でいいか」
世界樹の方に行くと、ポロリと木刀が。
【世界樹の木刀】
おっ!世界樹からのプレゼントか。
うん!いいね~。
小太郎は普通に喜んでいるが、エルフが見たら卒倒ものである。
「よし!準備が出来たか!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
小太郎が向かっているのは、王都のギルドである。
勿論、お供はお銀だ。(中型犬化済み)
早速ギルドへと向かう。
王都のギルドは、白い平屋の建物である。
イメージ的にいうと、コンビニの建物をイメージすると分かりやすい。
一歩中に入ると、普通の人たちが。
あれ? 荒くれものは?
聞くと、普通のハロワ的ギルドだった。
ギルド=職業案内所。
俺の求めている荒くれ者いっぱいの冒険者ギルドは、騎士の詰合所近くにあるらしい。
問題が起きてもすぐ解決出来るようにとのことだ。
教えてくれたオッサンにお礼を言って早速、向かうことに。
着いた先は、先ほどと違って土色をしたレンガの家だった。
むう。 冒険者っぽくて良い感じだと内心で喜んでいる。
とりあえず登録、とうろく~っと!
おっ! エルフさんのお姉さんだ。
よし! 異世界っぽくて幸先が感じだ。
人間のキレイなお姉さんもいるけど、こっちに並ぼうっと!
ちなみにイケメンなお兄さんもいる。 勿論、論外だ。
◆◇◆◇◆◇◆◇
【エルフの受付嬢SIDE】
今日も、いつも通り暇ですね。
まあ、毎日何かあっても大変なんですけどね。
天気の良い昼下がり、少し眠気が襲ってきます。
「すみません、こちらで冒険者の登録をしたいのですが」
「では、どうぞこち……らを……」
……うそ。
神です。
神が現れました!
エルフ族が全員で認識している大事なこと。
翡翠の腕輪(16話参照)を持った人が来たら、それは人の形をした神だと!
世界樹を生き返らせ、奇門遁甲のスキルを遣い、里の病人を治し、神獣を従えるお方。
私如きがご尊顔を拝見するなんて恐れ多いことなんて出来ません。
足元をそっと見ます。
あぁ……犬に見せかけているけど、紛れもなく神獣のフェンリル様です。
とりあえず、私には判断など出来ません。
ギルド長に報告です。
「申し訳ございません。 少し、ほんの少し大切なお時間を頂けないでしょうか?」
「ええ、こちらに記入してますから大丈夫ですよ」
私は、それこそ土下座をする気持ちで深々と頭を下げると、背後にあるドアを開けます。
勿論、お尻を向けるなんて失礼なことはしませんよ。
そして私は、勢いよく駆け出しました。
神を待たせているという罪悪感を背負いながら。
◆◇◆◇◆◇◆◇
【小太郎SIDE】
むう。
何かエルフの受付嬢さんが、テンパっているんだけど。
最近、俺を見てテンパる人多いけど、何か無意識の内にやったのかな?
今度、お銀にでも聞いてみよう。
でも今はとりあえず、記入するか。
名前:由布 小太郎
年齢:あれ? 何歳だっけ? 仕方ないので空白でと。
出身:日本。 別に隠すことないしね。 きっと誰もわからんけど。
性別:男。 つまらんイケメンとでも書いておくかな。
職業:ここはタイトル詐欺になってはいかんからな。 天気予報士で
備考:お供がいる。 お銀のことね。
うむ、書けた。
名前:由布 小太郎
年齢:
出身:日本
性別:イケメン
職業:天気予報士
備考:お供がいる。
……俺が面接官だったら落とすな。
でもまあ、異世界だから大丈夫でしょ、多分。 イケメン消そうか考え中。
それにしても受付嬢のお姉さんどうしたんだろう、と思っているとドアからドタバタと。
まだ3分も経っていないから、そんなに慌てなくてもいいのに。
「……お待たせしましたぁ!」
何か、そこにはイケメンのエルフを連れた先ほどの受付嬢が息を切らせていた。
そしてエルフのイケメンが深々とお辞儀をして一言。
「ようこそ、ギルドへ。 私はギルド総本部長のマンセルと言います。 どうぞ宜しくお願い致します」
あれ? ここは荒くれ者を成敗するテンプレでは?
「あの、登録に来たんですけど。 こちらでいいですかね?」
「勿論です!」
「はぁ……」(すごい食いつきようだ)
「ギルド室でお飾りしても?」
「それで登録が出来るのでしたら……」
「勿論です」
「あのランクは……」
「ええ、ランクは
E:見習い
D:初心者
C:一般の冒険者
B:ベテランの冒険者
A:一流の冒険者
S:国が認める冒険者
EX:小太郎さま
と、こうなっておりますね。 勿論、小太郎さまが頂点です」
「ぶふぅ~っ! あの今、登録したんですが?」
「はい。 実は万が一、小太郎さまが登録された場合を想定してギルドは勿論のこと、国も話し合って決めたんですよ」
「私の為に?」
「勿論です。 この世界を救って頂いた小太郎さまがSランクなど、失礼極まりないので、小太郎さま専用に作らせて頂いた次第です」
「……ありがとうございます」
◆◇◆◇◆◇◆◇
結局、俺は断われなかった。
皆あんなに瞳をキラキラされては、断わることなんて出来ない。
お銀もキラキラさせていたし。
俺は1日でEXランクの冒険者になった。 頂点なのでランク上げの楽しみがなくなった。
ギルド長であるマンセルさんからは、小太郎さまから依頼があれば全力で応えますと言われた。
何かがおかしい。 立場が逆になっている。
ちなみに俺が記入した用紙は、ギルド長の部屋で額縁に入れられ飾られているらしい。
あぁ……イケメンなんて書かなければよかった。
その日、俺は枕を濡らしたのだった。
お読み頂きありがとうございます。
時事的には、プロローグの後です。
いずれ移動する予定です。




