閑話「 開拓地でのお銀 」
開拓地での魔獣狩り時の1コマです。
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お銀は、開拓村に来て小太郎に魔獣を狩って、生態系をあるべき姿に戻してくれと言われた。
「小太郎様に名誉ある仕事を頂けるなんて幸せです」
お銀は仕事を与えられてとても幸せそうである。
ちなみに小太郎がお銀に仕事を頼むと全てが『名誉ある仕事』になる。
例をあげると、『お銀、悪いけど木を切ってくれない』や『ちょっと乗せてくれない』なども彼女にとって全て『名誉ある仕事』なのだ。
ちなみに『ちょっと乗せてくれない』は【名誉ある仕事+ご褒美っぽい仕事】で万物を排しても譲れないお仕事なのだ。
今回も『名誉ある仕事』を小太郎に与えられて、とても満足そうだ。
ただ、一緒にいられないのが少し寂しいが今回の仕事を頑張って、そして褒めて貰いながらブラッシングされたいという大いなる野望?を胸に秘め
「小太郎様が満足するような成果をあげなければ!」
と気持ちを奮い立たせるのであった。
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お銀の狩りが始まった。
お銀の狩りは、普通の狩りの仕方ではない。
普通なら獲物の首筋あたりをガブリとなのだが、お銀はそういった狩りはしない。
何故なら小太郎が血を見ると貧血を起こすからだ。
お銀の狩りは、もっぱら氷魔法で凍らせたり、尻尾でなぎ倒したりして狩っている。
猪の魔獣が出た。
猪の魔獣が突っ込んできた。
お銀は、尻尾でベチン! みたいな感じだ。
熊の魔獣が現れた。
お銀は、心臓を凍らせた。
そんな感じで狩っていく。
一番狩りで時間が掛かるのは、後処理である。
全身を凍らせて、1箇所に集める。
まるで札幌雪祭りのような感じになっている。
お銀の開拓地でのお仕事は、毎日こんな感じである。
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ある日、お銀は何故か急に穴を掘ってみたくなった。
お銀には穴を掘る趣味など全くない。
ただ、その日だけは、無性に穴を掘りたくなったのだ。
お銀は、訳のわからない衝動に突き動かされ、穴を掘るとすぐに緑がかったクリーム色の大きなタマゴを見つけた。
みどらのタマゴである。
「これは、お手柄ですね!! プリンをいっぱい作れます(小太郎が) きっと小太郎様も喜んで下さるに違いありません♪」
お銀は、タマゴを空中に浮かせ、敬愛する小太郎の元に帰ったのだった。




