第2話「異世界へ向けて」【改稿】
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当然、粉で!「ジキニン」が売れているのは、、この成分が入っているからこそ。
副作用や注意などは、薬局・薬店できいてください。
では、本文をどうぞ。
5/2修正。
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とりあえず、3日後に異世界に行く事が決まった。
……決まったのだが、何も準備せずに行くというのは無謀というものだ。
まず、異世界へ向けてチェックすべき点を考えよう。
1.住む場所や環境。
2.食文化も当然必要だ。
3.着る物も必要である。
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まず一番大切なのは、住む環境である。
文明の発達した日本で生まれ育った俺は、基本的に何も出来ないし、面倒臭いから何もしたくない。
もし異世界の文化が発展してなかったら、すぐホームシックになる事は間違いないだろう。
救うのと働くのは、俺の中では違うのだ!
自分に余裕が出来てこそ、人を救う事が出来るのだ。……と思う。
もともと怠惰な俺は、何でも人にやってもらいたいし、もし許される事なら介護されたいのだ。
楽してゴロゴロしたい!
次に困るのは、食生活だ。
俺は好き嫌いは、あまりないのだが、昆虫を食べろとかそこいらの草を食べろとか言われたら、これまたホームシックになってしまう。
好き嫌いは特にないのだが、マズイ食べ物は嫌だし、毎日同じ食べ物でも嫌だ。
お分かりと思うが俺は、わがままなのだ。
最後は、着るものだ。
シャツやパンツ等の肌着は、毎日洗濯されて衛生的なものを使いたい。
汚れたり、黄ばんだ服を着るのは論外だ。
毎日、清潔な服を着たいのだ!
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以上の事を解決する為に、女神様にその辺りの事を聞いてみる事にした。
ただ、こちらから女神様へのコンタクトの仕方がわからないので、もしかして寝ると会えるかなぁ? と思って念じて寝る事にしたけど、まさか本当に会えるとは思わなかった。
まず話をするにあたり、現代の本などを持っていけるかと確認したところ、持っていけないが買った本など必要な知識は、あちらに行く際に記憶としてなら持っていけるとの事だ。しかも忘れないとの事で、頭の中に知りたい知識があれば思い出せるとの事。 ただし買った本限定らしい。
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よし、必要な本を買いに行こう!
1.薬草や医学書など健康に関する本
2.農業や畜産などの本
3.科学・化学の本
4.料理・裁縫など家庭の本
5.哲学の本
まあ、1~4は必要な意味は分かるが何故5も買ったかというと、基本人とは、驕りやすいものであり、その驕りが自らを滅ぼすものだからである。
いわば、心のストッパーみたいなものである。
とりあえず、本の件は解決した。
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次は異世界での衣食住について解決していこう!
まず一つ目の生活環境だが、日本でいうと江戸時代レベルの生活レベルらしい。
こちらの生活の機械類などを持って行くと所謂オーバーテクノロジー的なものになってマズイので、包丁やまな板などの台所用品とコップなど身の周りのもの。
それと、石鹸などを持って行こう。
まあ何かあっても、最悪お玉を片手に武器とし、お鍋の蓋を盾とすれば勇者になれるだろう。
お玉と鍋は必要だ。 たくさん用意しておこう。
次に二つ目だが、あちらの世界でも、地球と同じような食べ物でそんなに違和感を感じないようだ。
まあ、始めに6畳くらいの倉庫に好きな食料を用意してくれるとの事なので、しばらくは大丈夫そうだ。
しかも腐らないそうだ。
まず、やはり調味料だけは用意して行きたい。
I LOVE 醤油だ。 俺は、醤油があればなんとかなると考えている男だ。 醤油1Lを1000本くらいお願いしよう。 多分100ケースくらいだろう。
倉庫の中は、まだ充分に余っており、まだいける。
次に、おかずではカレーを愛している。 1日2食カレーでいける。 ただ3食は少し嫌だ。
カレーのルーを3000個くらいお願いする。 これも100ケースくらいと思う。
具にいれる玉ねぎや肉もお願いしたいが、嵩張りそうだからあきらめる。
これくらいなら似たような物も異世界ならあるだろう。
最悪、具なしカレーでもいい! 結構好きな自分がいる。
最後は、米だ。
俺は、パン派か米派かと聞かれたら断然に米派だ!
余っているスペースは全て米を入れる。
醤油とカレーで1畳半くらいだったので、残り4畳半を米にする。
米、バンザイだ。 米は万能だ。
米から、パンも作れるし酒も造れる。
日本人なら米を愛さなくてはならない。
異世界で米を作らないとな……
ふむ、しばらくしたら自給自足を考えないといけないな。
最後に三つ目だが、あちらの世界には靴やシャツ・トランクス等がないそうだ。
簡単にいうと、靴の代わりがサンダルみたいな感じだ。
シャツ自体がなく、そのまま上着を着る。
トランクスやパンツの代わりにフンドシみたいのを着けるとの事だ。
とりあえず、下着の準備をしなくては……。
パンツは、100枚くらい用意しとこ……。
服は、こちらとあちらの世界では違って目立つと困るので、生地と裁縫道具だけ持って行けば何とかなるだろう。
ただ、裁縫の技術は小学校の家庭科の授業からほぼ0というくらいやっていないので、かなり心配だ。
生地は心配なので、いっぱい買っていこう。
そんなに不器用じゃないので、そのうち上手になるはずだ。
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ある程度、時間にも心にも余裕が出てきたので、身辺整理をする事にした。
とりあえず部屋を片付けて、私物(まあ全て私物だが……)を整理していらない物を捨てる。
必要な物は、一まとめにしてダンボールにまとめた。
なんか持って行くものは、ほとんど家庭用品と衣類だった。
しかも、あちらの世界に用意されているのは、醤油とカレーと米か……
深く考えてはいけない……考えたら負けだ。
それはともかく何故、身辺整理しているかというと、俺が向こうの世界に旅立った時点で、こちらにいた事が抹消されるらしい。
簡単にいうと、始めから存在してなかった事になるらしい。
まあなんとも複雑な気分だが、仕方ないと言えば仕方ないのかなぁと割り切る事にした。
気分的に落ち込むのが嫌だから、そのような気分にならないように、女神様にお願いしておいた。
後に残った家族には、現在の10倍の幸運がプレゼントされるらしい。
そういう事が出来るんだから、天候くらい出来そうな気もするんだが、それは出来ないらしい。
まあ個人と世界レベルだから仕方ないといえば仕方ないとも思えるが、本当に俺で大丈夫なのか?といった心配がないわけでもない。
まあここまできたら、後は覚悟を決めるだけだ。
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そんなこんなで、行く準備が出来て女神様の所に行く日がきた。
やってきたのは、女神様のいる神界である。
辺りを見まわすと、白い空間で雲の上にいるといった感覚だ。
何故か妙に気持ちが落ち着く空間であり、時間の流れる感覚を忘れてしまいそうだ。
ぼけーっしていたら、何時の間にか女神様が横で俺の顔を見ていた。
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「なにやら放心しておりましたが、大丈夫ですか?」
(いえ……こちらに初めてきたのですが、何やら心が落ち着いて、つい何時も通りぼけ~っとしてしてしまいました)
「それなら、宜しいのですが体調や気分が優れないとかといった事はありませんか?」
(いえ、特には。ところで、女神様の世界と私たちの住んでいる世界では、何か大きな違いはありますか?)
「そうですねえ、私の世界にはあなたの住んでいる世界と違い、魔法が科学の代わりをしています」
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ふむ、あらかたの予想通りといったところか
(ところで、私が所持している魔法とかスキルってありますか?)
「あなたが所持している特別なスキルは、奇門遁甲というものです」
(なんですか、奇門遁甲って?)
「所謂、天候を自由自在に操作できるスキルです」
(これがあなたの世界に行くきっかけになった訳ですね)
「このスキルは、数百年に1人持つか持たないかという特別なものです」
(おぉーー、チートですね)
「しかも、あなたの奇門遁甲スキルは私の予想を遥かに超えたレベルでした」
(晴れとか雨降れーとか風吹けーにレベルがあるんですか?)
「私もびっくりしたのですが、あなたは私の管理をしている世界の季節すら思うがままに操れるのです」
(……というと、秋だけが1年とか?)
「……そうです。 ですので気をつけてお使いください」
(これって、自分の範囲何mとかでも大丈夫ですか?)
「勿論、大丈夫です」
ふむ、これは使えるな。
(他にスキルはありますか?)
「他にスキルというのではないのですが、幸運というのを持っていますね」
(これがないと私は生きていける自信がありませんね)
「他に私からあなたにいくつかスキルをお渡しするのがあります」
(何か頂けるのがあるんですか?)
「こちらが、お願いしたのですから当然の事です」
(どのようなものですか?)
「まず、不老不死と生活魔法です」
(幸運と生活魔法はいいとして、不老不死は……)
「まず、不老不死ですが、あなたには死んでもらっては困りますので強制的に付けさせて頂きました。
尚、こちらですが、
1.翌日になると常に一番良い状態になる。
ご飯を食べなくても問題ありませんし、二日酔いなども当然しません。
2.スキルやレベルなどの経験は、更新される。
ずっと使わなくても忘れたりする事がありませんので安心です。
3.ある一定のダメージを受けたらそれ以降のダメージは受けない。
ちなみに、そのダメージですが最大HPの2割以降のダメージは受けません」
(……無茶苦茶じゃありません……?)
「それくらいでないと、私が心配で仕方ないのです」
(……はぁ……わかりました……)
「他に私からプレゼントをしたいのですが、何か必要な物はありますか?」
(えーと、不老不死なんですよねぇ?)
「そうですが、何か問題でもありますか?」
(いえ、やっぱり仲の良くなった人や動物などには寿命があるじゃあないですか ……毎回死に別れていたら、こちらの精神が壊れてしまいますよ……)
「そうですねぇ……なら眷属化というスキルを差し上げましょう」
(それってどんな効果があるんですか?)
「メリットとして、あなたと同じ不老不死効果があります。ただ、ダメージは受けると通常の人と同じく死んでしまいますが、翌日にはHPが1/4の状態で生き返ります。次の日が何もないと翌日全快します。デメリットとしては、まず、レベルが半分になってしまう事と子どもが作れません。まぁ余程その方がこの世界に功績などを残した場合には例外として認めるかもしれませんが……」
(ありがとうございます。その眷属化ってどうすればいいのですか?)
「お互いがそれを了承すれば、自然とやり方が頭に思い浮かびます。 それは、個々でやり方が変わるそうです」
(ありがとうございます。他に、回復魔法を教えて頂きたいです)
「あなたには、不老不死なので必要ないと思うのですが?」
(まず私は、人の血をみると気分が悪く下手をすると卒倒してしまいます。あと、親しい人や知人が病人や怪我をしている時に無視する事など、そんな強い精神は持っていないからです)
「なる程、よくわかりました」
女神様がクスクス笑っている。むぅ~
(他に神聖魔法や白魔法・生活魔法などありませんか?)
「ありますよ。白魔法はありませんが、神聖魔法と生活魔法ならありますよ。 今回は、特別です。 全部最高の10レベルを差し上げます」
(それって大丈夫なんですか?)
「大丈夫じゃないから特別なんです」にっこりと微笑む女神様。
(……ありがとうございます)
「あと、運勢を上げてさしあげましょう、他はもう大丈夫ですか?」
(え~と、スキルとかではないのですが、好奇心とか新鮮な気持ちをず~っともてるようには、なりませんか?)
「なる程、ず~っと生きてると飽きてしまいますものねぇ……わかりました。 毎年、そのような気持ちになるようにしましょう」
俺は、ただ無意味に時間がすぎるのは苦痛だと思うのだ。
だからこそ、このお願いをしたのだ。
永遠は苦痛を伴うが、興味や好奇心を持ち続ける事でその苦痛を取り除けると俺は考える。
「ただ、虫の一生とかも研究するようになるかもしれませんよ(笑)」
(問題ありません。それも楽しいかもしれませんし……)
「あと、あちらの世界でも働いたり戦闘したりするとスキルが取れます。 全てのスキルを集めてみるのも面白いかもしれませんし、新しく作れるかもしれませんね」
(それも楽しいかもしれませんね)
「それでは、そろそろ私の世界にいきましょうか?」
そうして俺は、異世界の扉を開いたのだった。
次回から異世界です。