第36話「 村での1コマ 」
-金縛り②-
まず私の金縛りを受ける場所は必ず布団の中です。
で、私の受けた金縛りですが、大きく分けると2つの種類に分かれます。
分け方ですが、単純です。
「怖いか」と感じるか、全く「怖くない」かです。
どのように怖いかというと、感覚です。
とりあえず人の所に行って安心したくなるのです。
で何が怖いかと言うと、ハッキリ分からないのです。
で、面白い事に金縛りが解けると、その人の所に行きたい衝動は波を引くように消えるのです。
とりあえず、電気やテレビは一応つけますが。
反対に怖くない時は、5分程ストレッチして寝ます。
たまに再度来ますが、次はストレッチしません。
諦めて金縛りにかかっています。
あと、金縛りかよく分からないのですが、夢っぽいような状態で金縛りにあった事が年に何度かあります。時間にして10-15分ほど。
ちなみに何故その時間が分かるかというと、私は寝る前に睡眠時間を計算して寝るくせというか習慣があるからです。
これは非常に怖いです。
何故か自分の部屋で座った視点で部屋を見ているのです。
ただそれだけですが、この現象がくると明け方近くまで恐怖で眠れません。
翌日になると何故、そんなに怖かったのかよくわかりません。
種類にすると、そのような感じです。
街にいた住民さん達を島に移住してから3ヶ月が経った。
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この間に俺は、やっと満足出来る自宅を作ったのだ。
それは、日本の昭和の旅館をイメージして貰えばお分かり頂けると思う。
なんといっても、畳っぽいのがキチンとあるのだ! 畳っぽいのをキチンと言っていいのかと突っ込まれるかもしれないが、いいのだ!
俺は、畳が好きなのだ♪
畳の何が俺を惹きつけるかわからないが、好きなのだから仕方ない。
お銀もアラクネさん達も気に入ってくれているみたいだ。
特に気に入っているのが森の妖精さん達で2日に1回来るのでログハウスの横に昭和の初期の日本の一般的な家を建ててあげたら、ログハウスからそっちに引っ越してしまったくらいだ。
牧場の動物達も環境が良いため、順調にいっている。 鶏さんも100羽くらいに増えたので小屋を増築した。 もうちょっとしたら食卓に卵があがるだろう。
ちなみに、牛乳は食卓にあがるようになった。
あとさくらから採る世界樹の蜂蜜採りだが、中くらいの瓶に5つ採れた。
爽やかな甘さでとても美味しい。 妖精さん達やお銀とアラクネさん達にちょこっとずつあげたらあっという間になくなってしまった。
こりゃ俺が手伝わねばなるまいと考え、世界樹と蜂さん( 皆が巣に居る夜に )に回復魔法をかけている。 蜂さんも俺に回復魔法をかけられている事がわかっているので信頼関係はバッチリだ。
最近では俺の為に蜜を採っているような感じだ。 何といっても皆さん餌が殆どいらないからだ。 幼虫には少し餌をあげているみたいだが、俺の回復魔法で育っている感じだ。 ただ、俺がいない時等は食べているみたいだけどね。
是非とも元気に育って欲しいものだ。
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そしてセイレーンさん達だが、現在55人?くらいまで群れが増えたとの事だ。 温泉の効果によるものと安全で住みやすい環境なのが一因らしい。
食べ物も果実や魚など、特にお魚さんは来る種類が増えて以前より多く獲れるので心なしかふっくらしてきた。
あと最近では、人魚さんや森の妖精さん達の所で一緒に歌っているらしい。 俺も何度かお呼ばれしたが、行く度に規模が大きくなっている。 なんか今度は、虎の獣人の有志も加わるんだとか … 。 まあ、人に迷惑をかけなければ問題ない。
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そのセイレーンさん達と一緒に来た人魚さん達だが、最近ちょこちょこ他の島民さん達の所に遊びに行っているらしい。 ちなみに、手土産はお魚の干物や海草などらしい。 そのお土産は漁師さんが用意しているらしい …
行き先は、以前より知り合いだったセイレーンさん達や洞窟を作ってくれた森の妖精さんの所が多いみたいだ。
そして森の妖精さん所の家具を見て触発されたのか、何やらギーコーギーコと家具を作っている人魚さんが増えてきているのだとか …
人魚さんが家具作って、人間がお魚獲るって時代が変わったんですかねぇ
人魚の旦那さんである漁師さん達も街にいた住民さん達の所に行って差し入れやら何やらで交流を深めているみたいだ。 噂だとモンドさんに溜息をつきながら何か相談しているみたいだが …
ちなみに、泣いている虎の村長さんの目撃情報も …
頑張れ男の子?
どんなに泣いても明日はあるさ!
その明日は輝いているかどうかは知らないけどね。
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森の妖精さんと雪の妖精さんだが、あれからしばらく時間をかけてアラクネさんから貰ったシーツをほどいて洋服作っていた。 基本アラクネさんの糸は汚れないという利点があるので一生物にするという事で、新しく作った日本家屋で雪の妖精さんと森の妖精さんがこの3ヶ月手の空いている時間はそれに費やしていた。 その作業が1週間ほど前に終わったので見に行ったところ、パッと見普通の服だが、よーく見ると、細かな刺繍がしてあるが、白に白なのでヒドクわかり辛い … ただ、本人達が満足しているので黙っていたが。
で、手が空いていない時間というと、俺と同じく蜂のお世話をしていた。 そちらの方も少し蜂蜜が採れたみたいで、少しお土産を持ってきていた。 で、そこで俺の蜂蜜と交換したのだが、残念ながら俺の作った蜂蜜の方が数倍美味しかったのだ。 森の妖精さんの作った蜂蜜も買った蜂蜜より美味しかったのだが、こちらは世界樹から採ったものだ。 森の妖精さん達はそれに少しでも近づけるように日々蜜蜂さん達のお世話をしているにだ。 そういえば先日、森の妖精さん達に蜂の巣に回復魔法をお願いされかけに行ったっけ。 その際に見た巣箱は機能的であり芸術的でもあったな。 なんか他にも歌を聞かせたり色々試行錯誤しているらしい。
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虎の獣人さん達だが先月くらいから1週間に1度、俺と一緒に前の村にちょこちょこ行き、獣を狩っている。 ちなみに俺は行きと帰りに付き合うだけだ。
昔、アッシー君と言われた人がいたがそれに近い。 ただアッシー君とちょっと違うのは、捌いたお肉を後で頂けるという点だ。
そもそも何でこのような事になったかと言うと、虎の獣人さん達が狩りの勘がなくなってしまうと俺に相談したからだ。 で、毎週行く事になったのだが、行くたびに獲物が増えていく。
ただ虎の獣人さんは、この山の獣の数を見て獲っているので問題ないとの事。 反対に、今まで放置したので、植物が少し食べ荒らされたとの事だった。 今度、王都の近くの森に案内すると言ったら大喜びしていた。
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次に、街から移住して来た住民さん達だが、先日畑に種を植えたらしい。
街の住民さん達はこの冬の間中、畑を耕したり、家を作ったり大忙しだったのだ。まだ両方とも途中だが、頑張って作っている。
そういえば、最近蚕を飼い始めたみたいだ。 これは子ども達が中心になって飼っている。
是非とも繭を採って欲しいものだ。 まあ、たまに蚕の箱を見ている振りをしながら回復魔法をかけているから死ににくくなっていると思うが、俺自身、虫全般が苦手なので直接触らない。
で、なんで蜂は平気なのかというと、飛べ蜜蜂ちゃんを小さい頃見ていたからだ。 蚕には、そんなアニメなかったからな~ 。 多分あっても見なかっただろう。 行動範囲が狭いのに加えシュール過ぎる。 やっぱり飛べ蜜蜂ちゃんみたいじゃないと感情移入出来ないのだ。
話がだいぶ脱線したが、新しく家が出来てもログハウスは活用するらしい。
モンドさんが中心となって、ログハウスで勉強などを教えるらしい。 せっかくなので、虎の獣人さんの子どもにも教えて貰えないかと話たら快諾された。 一緒の島に住んでいるのだから、協力するのは当たり前だと熱く語っていた。 子ども達がその熱い魂をどこまで注入できるか、楽しみ:3に不安:7の割合だ。 そりゃ、全員暑苦しいのはちょっとねぇ …
他にも保育所のような感じで1棟使用したり、相談場所や新しい移住者が来たとき用、パーティにも使用したりする予定らしい。
とりあえず、使わなくなったログハウスは解体して、家を作るのに再利用して欲しいと伝えた。 12棟なんてさすがに使わないと思うからね。
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とまあ、この3ヶ月の島の経過はこのような感じだ。
島の生活も皆慣れて来た事だし、そろそろこの世界を旅してみるのもいいかもしれないな。
いつでも帰れるしね!
とりあえず、王都を中心にして出掛けようかな。
お読み頂きありがとうございます。
次回から少しの間、旅に出ます。
そろそろお仕事をしないとタイトル変更を本気で考えないといけなくなりますから。
いわば、お仕事編です。
宜しくお願いします。
で、まさかの金縛り続編です。
今回は金縛りの種類について書きました。
金縛り③は、金縛りにあって試してみた事を書くと思います。
ただ、残念な事にこれによって解決したかはよくわかりません(笑)
なので、気が向いたら書きます。




