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異世界の天気予報士「明日、天気になーれ」  作者: 藤崎日向
ちょこっと一息
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閑話「 ちょっと遅れたクリスマス 」

胃薬-その1-

胃薬には

①胃酸を出すタイプ

②胃酸を止めるタイプ

と2つのタイプに分かれます。

あと

③複合タイプ

というのがありますが、こう見ると微妙ですね。

なので、胃薬を服用する際は自分の症状に合うのを選ばないと、効くどころかヒドクなる可能性もあるんですよね。

続きは

胃薬-その2-で

…気が向いたら-その2-を書きます。

「 む~ 上達しているはずなんだが … 」


ここは、神界である。

で、俺は何をしているかというと現在編み物をしている最中だ。

何を編んでいるかというと、お糸やアラクネさん達にあげる腹巻である。

ちなみに、腹巻きはアラクネさん状態でも子ども化状態でも大丈夫なように伸縮性だ。

ピンク地に黄緑色文字で名前を入れる。

それを30個も作らないといけないのであるから、なかなか大変である。


「 これで22個目か。 あともう少しだな 」


俺が背伸びしていると、女神様がお茶の準備をしてくれた。

最近は、女神様とお茶を飲みながらこうやって進捗情報を話す事が日課となってきた。

ちなみに現在の状況を説明すると夜みんなが寝た後、俺の意識だけ神界に行っているのだ。

で、そこで夜の生活というか作業をしている。

起きても寝ても何かしらしているのだ。

でこちらで作った物は、島に持って帰る事が出来るのだ。

この毛糸だが、毛糸の腹巻の事を女神様に話したら、どこからか持ってきてくれた。

何でもこれで腹巻を作ったら汚れないし、破けもしないらしい。


俺と女神様がお茶を楽しみながら、いつもの様に会話を楽しむ。


「 小太郎さま、捗っていますか? 」


「 あと8個です 」


「 クリスマスまでには、ちょっと無理そうですね 」


「 ええ。 ただ島の子達は、クリスマスの事は知らないのであまり気にしていません 」


「 それもそうですね。 」


「 ただ、いつも頑張っている娘達なので、きちんと作ってあげないと 」


「 そういえばお銀ちゃんは、首輪でしたっけ? 」


「 やっぱり、嫌がりますかねぇ? 」


「 いえ、お銀ちゃんも喜んで着けると思いますよ 」


と女神様は微笑む。

そうなのだ。

アラクネさん達は、いつもお腹に回復魔法をかけているので、腹巻にしたのだ。

特に深い意味はない。

それにアラクネさん達は一見、似ているのでちょっと離れるとわからなくなってしまうのだ。

他の住民さん達は見分けが付かないかもしれないので、ピンクの腹巻に中心部分を黄緑色で名前を編みこんだのだ。

これで、他の皆さんも気軽に話し掛けられるようになれると思う。


ちなみにお銀には、先程の会話にもあった通り首輪を作ったのだ。

黒い皮の首輪に銀色の丸いプレートの中心に 『 お銀 』 って書いてある。

自分で言うのも何だけど、なかなか上手に出来た。


で、全部出来上がったのは、クリスマスから遅れて3日後だった。



… で、今日はクリスマスパーティ前日の深夜である。

俺はというと、またもや神界にいる。

現在、女神さまと一緒にケーキを作っている。

本当は自分1人で作るつもりだったが、作っているのを見て女神さまが一緒に作りたいと言った為だ。

とりあえず、丸いスポンジケーキなど作る事など出来ないし、上手く切り分ける事なんて無理そうだ。

幸い、島の住民はケーキなど知らない筈だ。

なので、長方形にでっかいのを作る事にする。

難しいというか色々なケーキの作り方のレシピは頭に入っているが、やっぱり初めてのケーキはショートケーキだろ、との俺の勝手な思い込みでショートケーキを作る事にした。


… でも、本当に魔法は便利だなと思う。

というか、女神さまがいなかったら無理だと思った。

何しろ住民全員を呼んでパーティを開くのだから量が半端じゃないのだ。

幸い空間収納の中では時間が経過しないので、料理が腐ったり冷めたりしないのだが、これを1人で作れと言われたら何日もかかるに違いない。

ちなみに下が今回のメニューだ。


①ショートケーキ

②鳥のから揚げ

③カレー

④刺身

⑤焼きそば

⑥お好み焼き

⑦焼肉

⑧チャーハン

⑨果物に蜂蜜をかけたもの

⑩すいとん汁


これがパーティ料理? と突っ込まれそうだが、現実というのはそんなものである。

大きな鉄板と大きな鍋があれば、ほぼ事足りる。

とりあえず皆のお腹が膨れるのが1番だし、まず失敗しないであろう選択だと思う。

妖精さん用に⑨を作った。

あれで満足する事間違いなしだ。

手抜き? … はい、そうです。

ショートケーキは、女神さまに丸投げして、残りは俺が作った。

特にから揚げは辛かった。

何が辛いと言えば臭いである。

作っているだけでお腹いっぱいである。

揚げては、皿に盛り付け空間収納に入れる。

それをずーーっと頑張るのだ。

とりあえず、200kg程作った。

そんなに食べないって? ええ、知っていますよ。 これはストックなのです。

これで何時でもから揚げを食べられるし、人にあげる事も出来るのです。

他には、すいとん汁を500kg程作った。

本当は、豚汁を作りたかったが、あいにく味噌がないので諦めた。

仕方なので、すいとん汁にした。

これは炊き出し用にも使えるしね。

その為にこっそり1人で街にいって鍋を沢山買ったのだ。

鍋じゃなくてもいいと言われそうなのだが、俺のイメージ的に鍋だったのだから仕方ない。

他の分は、それなりに作ったので大丈夫だ。

足りなかったら、すいとん汁を飲んで我慢して貰うだけだ。

という訳でやっと料理も出来上がったのだ。

で、女神さまといえば、芸術的と言いたかったが、素人さんをちょこっと不器用にした感じのショートケーキが出来上がっていた。

切れ端を食べたら、素朴で優しい味がした。

うん♪これなら皆喜んで貰えるな!

俺が 『 とても優しい味がして美味しかったです 』 と伝えると女神さまが凄く嬉しそうな表情してた。

さて、それでは明日パーティーだな。



パーティの前にお銀とお糸、アラクネさん達を呼んで神界で作った首輪と腹巻をプレゼントする。

お銀やお糸とアラクネさん達も気に入ってくれたようで、とても喜んでくれた。


で、お銀には今日の夜にクリスマスパーティーを開く事を島の住人に伝えに行ってもらう。

もちろん場所は雪の妖精さんの所である。

その為に世界樹をモミの木バージョンにして貰ったのだからね♪

そして俺は、女神さまと一緒に小さな特殊な石を作った。

それは、持っているとその人の住んでいる気温に出来るという優れものだ。

ただ小さい石なので、3日くらいしか効果がない。

お銀に島の全員にこれを持って来るようにお願いした。

今回は基本全員という旨を伝えた。

せっかくのパーティだ。

初回くらいは問答無用で参加して貰おう!

ちなみに体調の悪い人には回復魔法をかけてあげるので体調不良で不参加というのはまずない。


で、その間に俺やアラクネさん達がやることは、アラクネさんにパーティー用の机やイスなどを作って貰う。

俺とお糸は、女神さまにあげるプレゼントを作る。

プレゼントは、お糸の糸で作ったお手製の若草色のワンピースだ。

この季節にはちょっと向かないが、女神さまのいる神界で着る分には問題ないと思う。

まず、お糸に頼んで糸を作って貰う。

後は、頭に入っている知識を総動員すれば問題ない。

幸い編み物や何やらで俺の器用さはうなぎ上りだ。

俺はいったい何処を目指しているのか疑問は残るが、今は深く考えない事にした。

お糸から貰った糸を使ってチクチクとワンピースを縫っていく。

いつもお世話になっているので、感謝を込めて縫っていく。

せっかくなので、俺の魔力も込めてみよう!

チクチクとおよそ2時間くらいかけて完成した。

よし!この前に行った王都の洋服屋さんにも負けない仕上がりだ!

パーティが終わってからにでも渡そうかな。



さてお銀も帰ってきたし、準備にも時間がかかると思うから、先に行く事にする。

で、向こうに行ったら、半分くらいの人達が来ていた。

どうもこういうイベントは初めてなので待ちきれずに来たとの事だ。

とりあえず、飾り付けを皆でやる事にした。

とりああえず、地面に絵を書いてどのような感じに作るかわかってもらう。

妖精さん達は、飛べるので上を飾ってもらう。

で、飛べない人達は下を飾る。

飾っている間にも、どんどん人数が増えていく。

その人達も飾りつけを手伝っている。

どの人もとても楽しそうだ。

そして、どんどん飾りがつけられていく。

途中から何か想像を超えた芸術品っぽくなっていた。

特に妖精さん達が凝っていた。

そういえば、人魚さんの洞窟も凝っていたしね。

3時間くらいで仕上げると、もう空が薄墨色になっていた。

さて、パーティの始まりだ!



よし!パーティだ!

と言おうとする直前で何か足りないのに気付く!!


①女神さま …

②クリスマスソング


まずい呼んだと思っていた。

慌てて女神さまを通信で呼ぶ事にした。

と思っていたら、あれ?どこかで見た事が …

あ … 女神さまだ。

とりあえず、女神さまに心の中でコンタクトをとる。


( すみません、女神さま。 呼ぶのを忘れていました )


( ずっと楽しみにしていたのにヒドイです )


( ごめんなさい。 ところで何時からいらっしゃったのですか? )


( 始めの頃ですよ。 飾り付けも一緒に出来て楽しかったです )


( ところで、女神さまの事は皆に紹介した方が宜しいですか? )


( いいえ。このままでお願いします。今日はこのまま皆と楽しみます )


( わかりました。 これから料理とかも出すのでパーティをお楽しみください )


良かった … 女神さまはこの状況を楽しんでいるようだ。

… あ、そうだ料理を出す前にクリスマスソングがないとクリスマスっぽくない!

という事で、1時間ほどかけて、クリスマスソング5曲程教える。

結構厳しく指導したので、文句を言われるかなーと思ったが好評である。

特に好評だったのは、セイレーンさん達である。

もう大興奮である!

この世界にはなかったジャンルらしく飛びながら歌い続けていた。



そんな訳でクリスマスパーティが始まった。

初めにクリスマスソングを歌って気分を出したら、テーブルの上に料理を並べた。

今回の料理はお銀やアラクネさん達にも出した事がない料理もあるので、興味津々である。

他の人達も、小太郎様の料理を食べられるなんて幸せだ!とか言っているが、そこまで感動に浸るものでもないから …

と思っていたら、結構皆が感動しているのに驚いた。

特に感動していたのが、お好み焼きである。

… あ、マヨネーズね。

どうやらマヨネーズは異世界人にとっても感動的な物らしい。

とりあえず、教えてあげたら拝まれていた。

女神さま … あなたもですか …

どうやら女神さまもマヨラーになるらしい。

そんな感じ?で賑やかに時間が経過していった。

アラクネさんはパーティ時は子ども化しており、色々な人達とお話出来て楽しそうだった。

後で、自分でアラクネって教えて相手をびっくりさせていたが、その後も普通にお話出来ていたみたいだったので安心した。

女神さまは … というと以外な事にセイレーンさんと一緒に歌ったり話を聞いて身の上話を聞いて泣いていたりと意外な一面を見せていた。

クリスマスパーティから4時間くらい経ったところでお開きにした。

まだ、皆話したそうだったけど、もう遅いからね!

とりあえず、帰りは皆区までテレポートで送っていく。

で、最後に残った女神さまにクリスマスプレゼントをあげて神界まで一緒に行った。

向こうに戻った女神さまは、俺がプレゼントしたワンピースを来て『ありがとう』と嬉しそうに微笑んでいた。

実はプレゼントは贈る方が嬉しいのかもしれないなと、お銀やお糸・アラクネさんと女神さまを見てそう思った。


とりあえず、クリスマスパーティは幸せのうちに閉幕したと思ったのだが…

こんどのパーティは、私の区でやりたいですと言い出す人がいて大変だった。


お読み頂きありがとうございます。

今回は、全てが遅くなりました。

全てが無念なりでございまする。

…でも年内に投稿出来て良かったです。

来年も読んで頂けたら幸いです。

では、よいお年を。

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