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異世界の天気予報士「明日、天気になーれ」  作者: 藤崎日向
ちょこっと一息
36/95

閑話「 新しい住民さん達の出来事 」

最近のシャワーってスゴイですね。

私の家は、いじっていない普通のシャワーだったのですが先日、出張先のホテルでミストなるものを体験しました。

あれは、いいです。

現在、買いたい物リストで1位です。

節水にもなるらしいですし、あれは買いです。

お花見から1週間までの間の新しい住人さんの1コマです。



▼ セイレーンさん:小太郎視点 ▼


俺がお花見の時に温めていたセイレーンさんの卵が孵った。

俺が回復魔法をちょこちょこかけていた為か、普通1週間くらいかかるのが3日程で孵ったとの事だ。

ちなみに、セイレーンさんが言うには普通の雛? より一回り程大きいそうだ。

とりあえず元気に孵ってくれてホッとした。


… で、他にいるセイレーンさん達はというと、あれから1週間も経っていないのにもう10個程の卵を産んだとの事だ。

せっかく来たので、セイレーンさんの卵が元気に孵るように回復魔法をかけた。

セイレーンさんが言うには、この島は今まで住んでいた所より温暖で、温泉があり食料も豊富だし、何より身の危険がなく卵が産みやすいとの事だ。

特に温泉が気に入ったようで1日に3回ほど入っているみたいだ。

で、血行も良くなってさらに産みやすくなったみたいだ。


そういえば、セイレーンさんは初めて会った時より羽が艶やかになっていた。

ちなみに、本人達は声も澄んだとか言っているがよくわからん …



▼ 人魚のメイさん ▼


花見の翌日から漁師さんがこの島に住むようになりました。

そして森の妖精さんが、人魚さん1人につき1洞窟を作ってあげたお陰で、何時の間にか全員旦那さん持ちになりました。

それに今までより住む環境が良くなったせいか、より艶やかになり漁師さんの心をぎゅっと鷲掴みです。

漁師の旦那さんは、朝からせっせと人魚さんの為に漁に行きます。

お部屋の掃除もマッサージも何でもやってくれる奴隷…じゃなく満点な旦那さんとの事です。


あと温泉ですが、温かい水があれ程いい物だなんて知りませんでした。

初めは誰も入りませんでしたが、旦那さん達が嬉しそうにいそいそと出掛けるのを見て試しに入ってみる事にしたんです。

そしたら … もう … !

それから人魚さんも旦那さんも温泉が気に入り、そして何時の間にか近くに宴会場が出来たとの事です。

温泉帰りにみんなで寄ってワイワイ騒いでいます。

旦那さんたちが料理を作って、みんなで楽しく食べてお酒を飲むのです。


ちなみに私にも何でもやってくれる素晴らしい旦那さんが出来ました。

ここに来てからの毎日が夢のようです。

これも全て、小太郎様のお陰です。

他の住人さんに教えて貰った 『 南無~ 』 をみんなで小太郎様のいる方向に朝と夕の2回行う習慣が出来ました。

もちろん、旦那さんもです。 異論は認めません!



▼ 森の妖精さん ▼


あの幻想的で楽しかったお花見からあっという間に1週間が経ちました。

それまでに私達は、森やその周辺に土魔法をかけ、色々な植物の種を蒔きました。

私達が来た当初は、何もありませんでした。

その後に小太郎様達と一緒に木を植えました。

ただ現在のところ、その木だけしか植えていないので、他の植物等も植えてせっせと森を大きくしないと!

私達は、ここの森を王都近くの森以上にしたいです!

だってここには、あの追い出された森と違って世界樹があるんです!

前の森も良かったですけど、今の住んでいる島に比べたら天と地の差があります。

怖い魔物もいないですし、こちらにはお友達も沢山できました。


しかもこの島には既に4本の世界樹があり、小太郎さまの区にある世界樹を見たときは、あまりの素晴らしさに声も出ませんでした。

あのような幻想的な花なんて今までに見た事がありませんでした。


この世界には、世界樹の木が私の知っている限りですと2本と聞いていました。

それがなんとこの小さな島に4本もあるなんて、本当にありえない話です!

こちらに来て植えた木もあっという間に元気になりました。

小太郎様の回復魔法に加え、世界樹の恩恵ですごい勢いで成長しています。

果実がなる木なんて、普通の3倍近い数の実がなっています。

しかもその実は、一回りも大きく美味しいのです!

後で、雪の妖精さんの所に持っていってあげようかな。



▼ 雪の妖精さん ▼


小太郎さまが来てから、この島が賑やかになりました。

フェンリル様にアラクネさん、森の妖精に獣人さん。

そして、人魚さんとセイレーン。

今まで私達と少しだけの動物達だけでこの島にいました。

変わった出来事といえば、半年くらい前にフェンリル様が病気で来ました。

でも、このフェンリル様の命の火は消えかかっていました。

その火消えちゃうと、また同じ時間がフワフワと過ぎていくんだと思っていました。

そんな時に小太郎さまがやってきました。

初めて会ったというより見た時から私達は、この人に惹かれました。

何か楽しそうな雰囲気で、私達と一緒に居てくれるのでは?と。

予想通りでした。

いえ予想を大きく超えてくれました。

私達は、毎日が楽しくて仕方ありません。


小太郎さまは、私達に世界樹と蜂蜜をくれました。

まさかこのような寒い地に世界樹を植えてしまうだなんて。

世界樹が植えられてから他の動物達も元気になりました。

きっとあの木には、気を与えてくれているに違いないです。


そして小太郎さまから頂いた蜂蜜 …。

なんて甘美な響き …

出来る事なら、あの蜂蜜の中に入って溶けてしまいたい …

それくらいの美味しさです。

今までは食べるという事にそこまで執着がなかったのですが、知らないという事は罪なのです。

反対に禁断の蜜を知ってしまったのが罪なのでしょうか …



▼ 虎の獣人さん:ルナさん ▼


お父さん達が新しいお家を作ってくれた。

しかも全部新築で前のお家より広い。

昨日は、お父さんを邪険にしてしまったけど、本当はすごく感謝している。

1週間も経っていないのに、これだけのお家を建てるのは相当大変だったと思う。


えっ … 小太郎様たちは、家畜小屋と柵と井戸を3時間くらいで作った?

温泉も作って頂けたし、あの温泉ってすごく気持ちいいんです。

身体も温まるし、何より1日の疲れが取れるのよ!

『 また明日も頑張ろう 』 っていう気にもなるしね♪

えっと、そういえば小屋って私達の家よりこだわった作りよね?

しかも、木材や道具も小太郎様にお借りした … ?

この住みやすいやすい気候も小太郎様のお陰だしね …

… って、今が一番寒い時期なの?

えーと、お父さん達は、小太郎様達の爪の垢でも煎じて飲まないといけないと思う!

さすが小太郎様。今日もちゃんと拝まないと!

えっ … お父さん? 一応感謝してるかも (笑)



▼ 虎の獣人さん:村長さん ▼


今日は、小太郎様と以前住んでいた村まで来ている。

もちろん、他の住民達も一緒だ。

… で、何故来ているかというと、ちょっと前まで住んでいた村の建物等をどうするかという事でだ。

そのままにして措くと、廃墟とかして夜盗とかの巣窟になってしまうかもしれないのだ。

そうなっては、目もあてられないので、その対策をする為だ。

まず、各家毎に行ってまだ使えそうな生活道具などを回収をしていく。

それを小太郎様の空間収納に入れて貰う。


以前住んでいた家は、取り壊す事になった。

そうと決まればとっとと壊してしまおう。

壊した木材は、薪にでも利用しよう。

何か小太郎様が思い出の詰まっている家をあーたらこーたらと言っているが、俺達にはそのような思い入れは特にない。

何故って?

この住んでいた家はだいたい10年も経っていないからだ。

俺達の今まで住んでいた家は、小太郎様に頂いた木材と違って質が大分落ちる。

なので5年程でガタがき始まめ、10年もすると建て直さないと住んでいて危なくなるからだ。

だから壊す事に関しては抵抗感はない。

その事を小太郎様に言ったらようやく納得してくれた。


建物を取り壊して、村の跡地を見る。

ふむ、よくここで生活してこれたな。

不思議なほど感慨も湧かない。

村の者達を見ても、未練も全くないみたいだ。

今の住んでいる所に比べると、よくここで生活してこれたもんだな。

とっとと、島に戻って作業をしたいな。

村の者達もそのような感じだ。


小太郎様に、そう伝えると 『 もう帰るの? もうちょっとここに居てもいいよ 』 とか言っていたが、私達としては早く戻って作業を再開したい。

今の島での生活が私達にとって全てなのですから!

お読み頂きありがとうございます。


このような閑話はいかがだったでしょうか?

あれ?…あまり普段と変わりませんね…

普通の作品は、シリアスで時々ほのぼので一息つくのですが、私の場合シリアス0ですからね…


新章は来年から始めようと思います。

12/31も投稿出来たらします。

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