第30話「新たな移住希望者です!」
レビュー書いてみました。
書いて投稿した後、他のレビューをされているものと比較したのですが、私だけ毛色が違いますね…
作者の方、申し訳ない…
私にレビューされたのも運の尽きです。
もう投稿してしまったので諦めてください。
5/5修正
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前話のあらすじ
城下町に遊びに行った。
お土産をみんなに買ってあげた。
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今日は、人魚さんの病気後の経過を見に行く日である。
多分何も問題ないと思うが、万が一を考えて様子をみるのだ。
という訳で、お銀と一緒に海岸へと向かう。
海岸に来ると、既に人魚のメイさんが来ていた。
まだ9時前である。
特に時間の指定どころか待ち合わせもしていないのに来ているという事は何かあったのかな?
でも、特に俺の姿を見ても慌ててもいないし、とりあえず聞いてみよう。
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「おはよう。メイさん」
「おはようございます、小太郎様」
「他の人魚さん達だけど、体調が悪かったり再発したりとかしてない?」
「いえ、皆元気です。みんなが早く来ないかな~って私の事を見ながら言うので、その視線に負けてここで小太郎様が来るのを待っていました」
苦笑いのメイさんと一緒に人魚さん達の住処へ向かう。
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俺達の姿が見えた途端、人魚さん達から
「ようこそ来てくださいました」
「体調はすごくいいです」
「お待ちしていました」
と声援っぽいものを頂きそれこそ大歓迎を受けた。
お銀さんがものすごくキラキラした目で俺をみている。
人魚さん達は俺に回復魔法をかけられてから、体調はいたって良好であるとの事。
ふむ人魚さんの自慢の鱗は、たしかにとてもキレイだ。
艶が出てピカピカである。
そんな訳で人魚さん達は、小太郎に大感謝である。
で、メイさんに島への移住の件を聞くと、この間の時に何でその場ですぐに移住するって言わなかったの!とあの後みんなからブーイングで大変だったと苦笑いしていた。
という訳で移住はOKとの事だ。
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……で、移住の事が終わったので1度島に戻ろうとすると、メイさんに呼び止められ、お願いがあるとの事だ。
それは、人魚さんのお友達のセイレーンさんが、最近咽喉の調子が悪いそうだ。
特に急ぐ用事もないし、放っておくのも可哀想なので、会って治してあげる事にした。
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そんな訳で、メイさんと一緒にセイレーンさん達を会いに行く。
セイレーンさんは、見た目は半人半鳥の女性の方であるそうだ。
ちなみにセイレーンさんの伝承は、キレイな歌声で船の人を惑わし、海に誘い込むとっても怖い人らしい。
まあ、人魚さんは、その伝承の事を笑いながら否定していた。
でそのセイレーンさん達だが、30人程で生活をしているらしい。
人魚さんが伝承の事で笑っていたので、実際のところはどうなのかを本人達に聞いてみた。
セイレーンさんは、伝承の通り歌が得意との事だ。
声が治っていつも以上に調子がいいといっているので聞いてみた。
で実際に聞いてみると、確かにキレイな歌声だが、そこまで絶賛する程でもないと思う。
本人達も自分達の歌で海に誘い込まれたと聞いたとき、とてもびっくりしたそうだ。
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では、何故そのような伝承になってしまったか聞いてみた。
セイレーンの話によると、夜中に航海中に禁止されていたお酒(輸送用の高級酒)を不寝番の航海士が盗んで飲んでいた。
最近曇りの日が多く、久しぶりの月のきれいな夜に気分が良かったセイレーンが歌っていた。
で、良い気分で飲んでいた航海士がセイレーンの歌声を聞いていた。
ほろ酔い気分で穏やかな歌声を聞いていたら、転寝をしてしまった。
……でしばらく転寝をしていたら岩にぶつかってしまったというのだ。
そして慌てた航海士が、セイレーンの歌声のせいにして、自分のミスをごまかした。
そのセイレーンのせいにした策は成功した。
何故成功したかと言うと、セイレーンさんは、人間の言葉を理解できないし喋れないからだ。
人魚さんは、話せるがそれを知った時はすでに遅かったのだそうだ。
それが、広まってセイレーンさん達は居場所がなくなっていったらしい。
……で、流れ着いたのがこの地なのだそうだ。
全くひどい話である。
ちなみに俺は生活魔法の翻訳のおかげでばっちり話せるし、理解も出来る。
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人魚さん達の移住も決まり、せっかくの機会なので、セイレーンさん達にも島への移住をすすめた。
この辺りの気候は寒すぎて、生きていくには辛すぎる。
この過酷な環境はセイレーンさん達にも辛く、一番多い時の1/10の人数になっていまったのだそうだ。
むー。絶滅危惧種もいいところだ。
セイレーンさん達は、助けてもらった上にここより快適な居場所まで確保して頂けるとはと大喜びだった。
ちなみにセイレーンさん達は、どうすれば増えていくの? って聞いたところ、やはり卵を産むらしい。
特に♂は必要なく、元気で体力があれば産めるらしい。
もちろん、全部♀だ。
ちなみに、群れは100羽くらいで構成されるので、上限が100羽前後らしい。
だから1/10だったのかと納得した。
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で、住む場所だが
人魚さん達は、四季のある海を希望した。
そしてセイレーンさん達は、冬の海を希望した。
……で、セイレーンさん達に関してはあまり変わらないじゃん! と思われるが、実際はだいぶ違う。
今の住んでいる場所に比べ水温が7℃も温かいのだ。
そして、気温に関しては、13℃も違うのだ。
アラスカから北海道に引っ越したような感じである。
セイレーンさんは泳がないので水温は関係ないと思われるが、今後こちらに繁殖するであろうと思われるお魚さんの種類や量が変わるので食料も改善され元気になれそうである。
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そして人魚さん達に関しては、内縁の夫である人間の漁師さんもこちらの島に引っ越してくるそうだ。
ちなみに、人族の移住に関しては少ないながらも虎の獣人さんの所にも人間がいたので初めてという訳ではない。
この島にも市場など早めに作らなきゃと思う今日この頃である……
とりあえず、人魚さん達もセイレーンさん達もすぐに島に引っ越したいといったので大変である。
『今がいいの?』と聞いたらまさかの『今でしょ!』発言である。
あなた達、用意とか大丈夫?と聞いたら、今までも何度か着の身着のまま逃げた事もあるので全然問題ないとの事である。
俺からすると、逃げ出す訳でもないのだから、ゆっくり用意していけば良いと思うのだが、人魚さん達やセイレーンさん達がピーチクパーチク騒いでいる。
海の人?達は容赦がない。
お銀さんは、この騒ぎに怒ったりしないのかなとちょっと不安になって様子を見たが、怒る処か満足気なご様子である。
後ほどその訳を聞いてみたら、島の規模というか住民が大きくなるには俺の器に気付いて、人魚さん達やセイレーンさん達は誠に天晴れとの事だ。
もはや、お銀の思考にはついて行くのが困難になりつつある。
で、人魚さん達に内縁の夫である『漁師さん達は?』と聞くと『後で大丈夫です♪とりあえず、私達だけでも最初に移住したいです』と何とも今後の愛の行方に不安のいっぱいな返事が返ってきた。
こりゃ、かかあ天下確定だな……とここにはいない漁師さん達に同情した。
でもさすがに今日は、無理なので明日にして下さいとお願いしたところ、ちょっと残念そうな顔をしていたが、了承してくれた。
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それからが大変である。
すぐにお銀以外の皆さんとお別れして、すぐさま島へテレポートする。
アラクネさん達と森の妖精さん達を呼んで、今日の事を説明しないといけない。
とりあえず協力をお願いすると、アラクネさんも森の妖精さんも快く承諾してくれた。
まずは、森の妖精さん達と人魚さん達の行く青区へ行く。
そこに行って、人魚さん達の住処である洞窟っぽい空間を岩場に作って貰うのである。
ノルマは1人1つの洞窟である。
微妙に数は少ないが、内縁の夫のいない人には、2人1部屋でお願いする。
で作ってもらう洞窟だが、畳6丈くらいの空間を2つ作って完了である。
1つは人間用で、もう1つは人魚用である。
他に何か要望があれば、順次作ればいいしね♪
とりあえず、1人1人に回復魔法と疲れた時に食べてもらう王都で買ったお菓子1袋ずつを渡してアラクネさんの所へ戻る。
ちなみにお菓子1袋には、焼き菓子3枚と蜂蜜の飴が2個入っている。
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お銀とお糸やアラクネさん達と一緒に行くのは、王都近くの森である。
現在2つの区には、何もない。
ちょこっと草が生えてきた程度である。
木が少しくらい欲しい。
という訳で、お銀とアラクネさん達を連れてテレポートをする。
お銀に乗って、前より少し奥に向かう。
お糸が木を集める時『主様、どれくらい木を貰いますか』と聞かれたので『1200本くらい欲しいから1人40本お願い出来る?』とお願いしたらそれだけで大丈夫ですかみたいな顔をしていたが今日は時間がないのだよ……。
で、アラクネさん達に木を空間収納に入れてもらう。
何かすごく忙しい!!
あれ? 何の罰ゲームなの? と1人突っ込みながらもどんどん作業をこなしていく。
内訳は、人魚さんの区に600本・セイレーンさんの区に600本でいいかと勝手に納得して2つの区に行きどんどん植えていく。
同じ木なのに違う区に植えても大丈夫なの? と質問が来そうだが、全然問題ないのだ!
木の周囲に奇門遁甲スキルで気温を変えてあげれば全て解決だ。
それなので、あまり季節感の無い木を植えている。
でも、それだけでもどうかと思うので、あまり目立たない所にこっそり果実のなる木を植えていたりする。どんぐりみたいな物や果物の木を各20本ほどだけどね。
もちろん後で教えてあげるつもりだ。
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とりあえず全部植え終わったので、ここに居るみんなで人魚さんの洞窟を作っている妖精さんの所へ行く。もし、終わっていなかったら手伝ってあげないといけないしね。
で、妖精さんの所に様子を見に来たのだけど……。
ん、終わってた。で、何か終わって時間が余ったらしく趣味にはしっていた。
部屋には、光が取り入られるようになっているし、空気が澱まない様に工夫されている。
湿度を調整しようとしたけど、何やら工夫されているらしくジメジメしてないで快適な空間である。
観葉植物まである。青々としてとても癒される。
しかもテーブルとベッドまで完備されている。
すごい!すごいぞ!妖精くん!
他の洞窟を見て回ったが、部屋の模様や配置こそ少し違うが、すばらしい洞窟ばかりだ。
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思ったより早く終わったので、皆でセイレーンさんの住む予定の場所へ行く。
そういえば、セイレーンさん達ってどこに住むのか聞いたら、普通の小屋でいいみたいだ。
例のアラクネさんのクッションでもあればいいかな……?
ただ、あちらの近くってなかなか木が育たないな……。
う~ん……やっぱり世界樹が欲しいよな……。
(女神様、お願いがあるのですが……)
「小太郎様、何かご用ですか?」
(はい、今度というか明日、セイレーンが来るので)
女神さまが全部言わないうちに
「はい、わかりました。 世界樹の木が必要なのですね? 」
(よくお分かりで!)
「それでしたら、世界樹の苗を植えておいて頂いたら、明日には20mの大きさにして差し上げますよ」
との事だった。
エルフさんの所と同じ大きさである。
だんだん世界樹が珍しくなくなってきている。
冷静に考えてみたが、世界樹の木をポンって貰うのって普通ありえないよな……
けどもう頼んでしまったし、仕方ないのだ。
とりあえず、クッションを用意する事にした。
アラクネさんにお願いして1人1つ作って貰う事にした。
余った分は、増えた時用である。
で、他の人達はというと、みんなで30坪くらいの広さのちょこっと大きめのログハウスを作る事にした。
これくらいあれば、セイレーンさん達全員が休めるし、人数が増えても大丈夫だよね。
急に他の移住者が来ても対応も出来るしね!
そのログハウスの横あたりに温泉を作る事にした。
水浴びならぬ、お湯浴びである。
あ……そういえば、妖精さんの所も人魚さんの所も温泉を作っていなかったな。
せっかくなので、この後、みんなの所も一緒に作ってしまおう。
人魚さんも1ヶ月に何度かは人型になれるし、人間の方もいるからね。
とりあえず、人魚さんの所には、大きめの男女別の温泉を1つづつ作成する。
森の妖精さんの所は、ログハウスの近くにちょっと大きめのを1つ作成する。
森の妖精さんは、温泉が出来て大喜びである。
せっかくなので『温泉に入ったら』と言ったら、その場で裸になろうとしていたので、ログハウスに着替えをおいて入りなさいと注意した。
あと、今日頑張ってくれたので、前の世界から持ってきたハンドタオルをプレゼントした。
俺にとってはハンドタオルでも妖精さん達にとってはちょっと大きめのバスタオルだ。
俺からのプレゼントで喜びも倍増みたいだ。
今日の手伝ってくれたお礼を言って妖精さんとは別れた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
妖精さんと別れた後で、自宅に戻って世界樹の木を持ち、再度セイレーンさんの住む所にテレポートし世界樹の苗木を植える。
……でとりあえず、本日のお仕事はお仕舞いである。
なかなかハードな1日だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
明日は、虎の獣人さんと人魚さんとセイレーンさんの移住予定である。
俺の異世界スローライフは何処にいった……?
お読み頂きありがとうございます。
他の人のレビューするくらいなら自分のを書け!と怒られそうなので微妙な時間になりましたが23時に投稿します。




