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異世界の天気予報士「明日、天気になーれ」  作者: 藤崎日向
島に移住して貰おう!
30/95

第26話「戦争、撲滅!」【改稿】

「坂木 司」さんって小説家を知っていますか。

身近な職業や推理?の小説を書かれている方です。

ほろってくる作品が多いです。

ちょっと心が疲れた時に読むと元気が出てくるので、社会人の方におすすめです。

通勤電車の帰り道に読むと少し元気が貰えますよ♪

5/4修正


 虎の獣人さん達がやって来た翌日。

 小太郎は街にお買い物に行こうとすると、女神様からあることをお願いされた。


◆◇◆◇◆◇◆◇



 女神様が切迫した感じの声で



「小太郎様にお願いがあります」

(はい、何でしょうか?)

「この世界で大きな戦争が起ころうとしているので、その芽を摘んで欲しいのです」

(はい。 いいですよ)

「えっ……と。 私がお願いをしてそんなことを聞くのも変なのですが、そんなに簡単に引き受けられて大丈夫なのですか?」

(私は、この様なことも想定して日々、頭の中で色々なシュチュエーションなどを考え、シュミレーションしていたのです!!)



 そうなのだ! いずれこの様な事態が起きるかもしれないと思い、いくつかの方法をシュミレーションを既に作成済みなのだ!

 女神様は、自信たっぷりな小太郎の声を聞いてすっかり調子を戻し、



「そうなのですか♪……で、どれくらいの準備がかかりますか?」

(ふふふ……何時でも大丈夫ですし、まあ場所が分かればここからでも解決しますよ)

「でもあまり死者や怪我人などは、出して欲しくはないのですが……」

(はい、勿論それも問題ないです。 まあ余程不幸でない限り死者は出ないですよ)



 死人や怪我人が出ないこと、それは俺にとっての当たり前のクラッカーなのだ!

 俺は、戦場で血や、その臭いを嗅いだだけでもぶっ倒れる自信があるほど繊細な人間だ!

 会社の健康診断で血液検査をさせられた時に、血を採られる前に他人の血が入っている試験管みたいな物を見ただけで、貧血になってしまったくらい繊細な俺なのだ!

 その検査の結果? 当然、貧血気味というのが書いてあったよ。

 ……しかもその後に血圧を測ったら、あまりの低さに何度か測りなおされ……とまあ、そんな訳で痛そうな事は一切無しなのだ!



「本当ですか!」

(でも、まあその現場まで行った方が完璧ですがね)

「それでしたら、他の皆さんを呼んで頂ければすぐにでも……」

(あっ、私1人だけで充分です)

「いくら不老不死とはいえ……以前使われたお玉と鍋のフタでは……」



 女神様、幾らなんでも、さすがに俺もその装備で戦争に行く訳あり……あぁ、ありましたね……

 確か先日のドラゴンさんとの戦いでは、そんな装備でしたね……。

 ……でもそんなものは、過ぎ去った遠い過去の事なのです。

 ふふふ……今回の俺は以前とは違うのだ!



(まあ、大丈夫です。 そのかわりと言ってはなんですが、女神様にお願いがあります)

「どの様なことですか? 小太郎様のお願いでしたら頑張りますよ♪」

(えっとですね。 ――――ということですがお願いしても大丈夫ですか?)

「それくらいでしたら、全然問題ありません。 それくらいお願いされなくても全然問題ないですよ」

(ありがとうございます)

「それでしたら、もう戦地にテレポートしても宜しいですか?」

(はい大丈夫ですよ。 ただ人目につかない場所にお願い出来ますか?)

「それでしたら、私の力で小太郎様を見えなくする方法がありますが……」

(それは、スゴイですね。 それでしたらその方法でお願い出来ますか?)

「わかりました。 では、いきますよ」



◆◇◆◇◆◇◆◇



 小高い丘の上から小太郎は両軍を見ていた。

 戦場は、両軍が着いたばかりで、まだ陣を張っている。

 まだ激突はされていない。

 小太郎は、にやりと笑うと、



「えいやっ!」



 と、掛け声をかけ奇門遁甲スキルを使った。

(掛け声なしでも使えるが小太郎のこの時の気分で声を出したみたいだ)


 そうすると、この辺りの気温がどんどん上昇する。

 先程まで、15度くらいだったのに、今の気温は45度だ。



「せいっ!!」



 さらに気合の乗った掛け声をかける。

(どうやら、小太郎は掛け声がマイブームらしい)


 その掛け声とともに湿度が高くなる。

 先程まですごしやすかったのが、今は蒸れ蒸れの日本の真夏のようだ。

 鎧などを身に着けていたら、たちまち熱中症になってしまうだろう。



『名付けて、北風と太陽作戦!』



 両軍の陣が慌しくなってきた。

 そりゃそうだろう。

 いくら戦だからといっても、相手は人間である。

 もし、それが人間以外いや、人間を超越する者であったら……。

 その慌しいのが小太郎にも分かると、



「やぁっ!!」



 そう小太郎が掛け声をかけると、砂煙が舞った。

 両軍の兵士が目はどうにか開けられるのだが、先が殆ど見えない。

 この様な状況では、戦など出来る訳がない。

 武器など振るったら、周りの味方に傷をつけてしまいかねない。

 竜巻を起こす事も可能だが、怪我人が続出するだろうし、何より周りに被害が出そうなので砂煙をチョイスしたのだ。


 さらに30分くらいしたら追い討ちにとばかりに気温がぐんぐん下がる。

 先程まで45度だったのに、現在マイナス15度くらいである。

 小太郎は、少し飽きてきたのかテンションが下がった為か掛け声を発するのを止めたみたいだ。


 その小太郎だが、戦争?を見るのにあきて、興味は違うことに向いていた。

 裁縫道具を空間収納から取り出し何かチクチクと作りだしている。


 それから、30分くらい毎に気温が上がったり下がったりし、しかも砂煙で周りの状況がわからない状態が続いた。

 もう両軍、パニックである。

 その間も小太郎は、我関せずといった具合にチクチクと物作りをしている。

 その状態が二時間も続くと、末端の兵士達が



『この戦いは、呪われている』

『神が、この戦いを怒っているのだ』



 などの騒動があった後、両軍とも戦わずに退いていった。

 ちなみにその戦いでの被害は、風邪をひいた人が約7割とのことだった。


 ……で、戦から戻りその両国では、風邪が大流行した。

 ちなみに、その戦を画策した人たちもしっかり風邪を引いたという。


 小太郎の余程不幸なかぎり、人は死なないでしょうというのは、風邪をこじらせて亡くなる人のことを指していたのだ。

 ただ小太郎の運勢が良かった事もあり、一番酷い症状でも1ヶ月間寝込んだだけで治ったとの事だった。

 それは当然、戦を画策した人達だったが……。



 その後、両陣営のトップが戦いをしようと考えても戦が出来なかった。

 それは、この場にいた兵士達が今回の戦いに起きた話を周りに吹聴した為、民が祟りを恐れて軍の徴集に応じなかった為だ。

 軍の関係者も、実際にこの戦いに参加した者達から話を聞いたので、消極的になっていたので徴集もおざなりになったのだ。


 その様子を様子を見ていた女神様が、小太郎に向かって『ナム~♪』してた。

 本来ならこの戦い以降、この戦で亡くなった人の関係者達が恨んで憎しみ合い、大陸中に戦が血で血をあらうような戦いが起こる筈だったのだ。


 そのような予知が働いたので、それを打破するのは小太郎しかいないと女神は思い、小太郎に託したのだ。 そして結果は、この通りだ。

 誰も傷つく事なく戦いは終わり(風邪引きさんは多数でたが)そこには、恨みや憎しみが生まれなかった。

 女神のいい意味で予想を超えた結果だった。



 その小太郎はというと、すでに街にテレポートして虎の獣人さんたちの為に食料を買い込んでいた。

 だが、相変わらずにすごい事になっている。

 八百屋のおっさんが、



「おう、兄ちゃん今日も買い物か?」

「ええ、人が増えたんで沢山の量が必要なんですよ」

「今、この人参が沢山あるんだが買って行かないか?」

「人参ですか。 いいですね、 なら余りそうな分だけ下さい」

「相変わらず、気前がいいな。 俺も気分いいから横にあるじゃがいもはサービスだ」

「本当ですか!横にあるじゃがいもって、人参の2倍くらい量ありますよ!」

「おう、気にすんな! なんかあげたい気分なんだよ。 その隣にある玉ねぎもやるよ!」



 そんな訳で、今日のメニューは肉じゃがに決定した。

 小太郎はこの大サービスにお礼を言って店を出た。

 次に、肉屋へと向かう。


 そこでも同じようなことを繰り返して肉をいっぱい手に入れて店を出た。

 買い物が終わる頃には、辺りはすっかり夕方である。


 島に戻ると、お銀やお糸・アラクネさん達が心配していた。

 どうやら、女神様が連絡をしてくれてなかったみたいだ。

 とりあえず、戦争を止めてきたことと、買い物に行ったことを、夕飯の肴にして肉じゃがを食べた。


 ちなみに俺にとって、ジャガイモと人参と玉ねぎは、野菜の3種の神器だ。

 カレー粉を入れたらカレー。

 醤油味にすれば、肉じゃが。

 ホワイトクリームを入れたらシチューになる。


 醤油ベースにしただけなのに、これはまた美味しいです。

 とみんなには、好評だった。

 その席で今日の戦争のことを話したら『さすが、小太郎様』とみんなから大絶賛だった。

お読み頂きありがとうございます。

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