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Q.人生とは? A.スリッパ

作者: ゴマ

 俺は掃除スリッパに命をかけてきた。君たちも一度はやったことがあるだろう? スリッパの下に雑巾を敷いて滑りながら掃除するっていうあれだ。俺は小学生の時に「ああ、なんて便利なんだろう」という快感に似た感覚にとりつかれ、大人になってもそれを極めてきた。

どうすればもっとスムーズになるだろうか? もっと埃をちゃんととらなければ……。

元々お遊びなだけに問題点は多々あり、それらを解消するために俺は日夜研究を重ねた。

そしてついに究極の掃除スリッパの完成にたどり着いた。その名も「エアー・バキューム・スリッパ」略して「エバス」。空気をつま先以外の足全体より噴射し、宙に浮いて進むのだ。これにより摩擦のせいでスムーズに動けないという最大の欠点が解消され、驚くほどスムーズに動けるようになった。また、空気を噴射したら埃が飛ぶと思うだろうが、つま先で埃を吸い込むようにしているため、全く問題はない。

 これが俺の人生を費やした産物だ。俺の人生の目標だ。俺は今、誰よりも幸せな人生を送っているのだ! 確信がある。特許を取り、ネット上で発表すると驚くほど反応があった。そのほとんどが俺を賛美するか、同感のコメント。

 

 俺は幸せの絶頂だった。今なら死んでも良い。


 すると思いが天に伝わったのか、直後、胸が急に苦しくなる。あまりの苦しさに胸を押さえてみると、鼓動を感じなかった。どうやら俺は死ぬらしい。まあいいさ本当に幸せなんだ。文句なってどこにもない……。

 だが、俺はここでくだらぬを考えてしまった。


「俺の人生ってなんだったんだ?」


 それは、今となっては遅すぎる自問。とてもじゃないがどうでもいいこととは思え無かった。もちろん答える人などあるはずもなく、まもなく俺は意識を失った。



 後日、彼の死は少しだけニュースになった。偶然それを見た女は、夢中になってやっていた携帯ゲームを少しだけ止めると、

「くだらない。」

 そうつぶやいて。


 後は忘れてしまった。

この小説を書いたきっかけは「スリッパ」で何かアイディアが浮かばないかな~と思ったことです。

何故か人生を語っている……。


皆さんの人生は幸せですか?

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