酷くはないかい
こないで、だなんて
いくらなんでも酷くはないかい
僕はこんなに
君を想っているのにね
青空の声も
海の瞳も
百合の花弁の肌も
夜の風の髪一筋も
抱きしめて
頬擦りして
キスをして
包み込んであげたいのに
こないで、だなんて
いくらなんでも酷くはないかい
悪かったとは思っているよ
自由に飛び立つ事ができる
無垢で力強い羽を切り落としてしまったのだから
飛び跳ねて走ることが出来る足を
切り落としてしまったのだから
仕方がないことだと
思いながらも
申し訳ないことだと
思いながらも
痛いだろうなと
思うながらも
切り落としてしまったのだから
でもいくらなんでも
こないで、なんて
少し
酷くはないかい
君がこの腕から逃げてしまうのが厭だったから
羽をもいで
足を落としたのに
私の胸に身体を預けて
鼓動を合わせてくれない君が
すべて
すべて悪いんだ
こないで、だなんて
いくらなんでも酷くはないかい
読んでくださってありがとうございます。