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第24話 親友の葛藤

今回は、いきなり茶武郎視点からのスタートです。

ご注意ください。

時刻は午前二時。


俺は、テントに当たってヒュウヒュウとなる夜風に起こされた。


一度目が覚めてしまうとしばらく寝られない体質なので、散歩にでも出かけるか……


そう思ってテントを出た矢先、目に飛び込んできたのは隣のテントの明かりだ。


そのテントからは、うめき声のような音が聞こえてくる……って、充は何をしているんだ?


気になって近づいてみると、充の独り言が聞こえてくる。


何と言っているかよくわからないので、耳をテントにくっつけて神経を研ぎ澄ます。


すると、細々とした生気を感じない声で何かをつぶやいているのが確認できた――


「どう思っているか……ねぇ。」


「っ!?」


どう思っているか。その言葉の直前にはきっと、『沙也加さんを』という言葉が隠れている。


俺が寝る前に投げかけた何気ない質問。


だけど、充はそれに即答することなく、深く考え込んでいるようだった。


そのあとは会話が続かず、俺たちは寝床に入ったのだが……


まさかこいつ、寝る前の俺の質問のせいでずっと寝れずにいたのか!?


明るいテントの中から、ゴソゴソとうごめき、寝返りを打つような音が聞こえてくる。


シュラフは仰向けで使うべきだが、そんな細かいことを気にしている場合ではない。


なにせ、せっかく人間関係に対して前向きに進みだした充の歩みを、俺の何気ない一言で止めてしまったのだ。


何か解決する方法がないか模索しようと、二十時くらいから放置していたスマートフォンを起動してみる。


すると、その画面には一件の通知が。


受信した時刻は昨日の午後八時半。


送信元は……俺の彼女、蒼だ!


急いでトークアプリを開いて、返信を打ち込む。


充のことは勿論助けるが、日を跨いでもなお返信がないと、さすがに蒼も不安に思うかもしれない。


俺は急いでメッセージの本文を読む――


『飯田家でお泊り会することになった!茶武郎もキャンプ楽しんでね、帰りは気を付けてね。』


画面に映し出されていたのは、彼女の優しさがにじみ出る短いメッセージ。


充の件で焦っていた俺の心が、メッセージによって平常を取り戻していくのを感じる……


顔には思わず笑みが浮かんでしまっていた。


……いかんいかん。


浮かれていないで返信を済ませて、充をどうにかしないと。


そう思ったところで、ひとつ閃いた。


「多少強引だが、この方法なら!」


そして俺は、頬が冷気でかじかむのを感じながらも、蒼とのメッセージのやり取りを始めるのだった――

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