第21話 男のロマン
休日を利用してキャンプをしている僕らは、暗がりに包まれながら夕食の準備をしていた。
メニューは行きの車で相談済みで、肉まんと一緒に材料も買いそろえてある。
茶武郎考案のメニューだが、作るのは僕一人らしい。
色々と言いたいことはあるが、あいつは手先が不器用なので賢明な判断かもしれない。
ハンモックに寝そべっていびきをかいている茶武郎を見て、僕はそう思った。
さて、気を取り直して調理を始めよう。
まず、豚挽き肉、にら、キャベツ、にんにくチューブ、しょうがチューブ、中華風調味料、醤油を混ぜる。
次に、フライパンの上に餃子の皮をそのまま敷き詰め、先ほど混ぜたひき肉たちを投入。
さらにその上から餃子の皮を被せる。
最後に少量の水をフライパンに入れ、蓋をしたら中火で二十分蒸し焼きにする。
こんがり焼き色が付いたらひっくり返して皿に盛り、刻み葱を散りばめたら……
超特大餃子の完成だ!!
何というか、すごくロマンって感じの料理が出来上がった。
レシピ掲載サイトの運営者のセンスに感動していると、茶武郎が目をこすりながら皿を覗いてくる。
「うまそうだなぁ」
「だろ?初めて作ったけど上手くいったぞ」
「じゃあさっそくいただくとするか!」
言って、茶武郎が昼間に使ったのと同じ餃子のタレを取り出してくる。
そう、このタレは本来、このタイミングで使う予定だったのだ。
たれを全体に回しかけ、二人で合掌。
「「いただきます!!」」
まず、律儀に半分こだ。
餃子の中央に包丁を入れると、肉汁があふれ出してくる……
「「おぉ……」」
思わず、感嘆の声がハモる。
一刀両断された餃子を前に我慢できなくなった茶武郎が、一番に餃子を切り分けて食らいつく。
「うっま!!やばいなこれ!!」
しかし美味そうに食べるなコイツ……
よし、僕も食べ始めようか。
そう決めて、箸で餃子の端を割り、口に運ぶ。
「……!?」
茶武郎の言葉じゃないが、これ…やばいぞ。
口に入れてまず脳に殴り掛かるのは、ニンニクのパンチ。
そのあとから、ひき肉の旨味と醤油の香ばしさが追いかけてくる。
美味しさの相乗効果に頭をくらくらさせていると、隣から缶のプルタブを引く音が聞こえる。
プシュ。
茶武郎は、一心不乱に餃子にかぶりつき、ビールでそれを流し込む。
その光景は、いつかのビール祭りの茶武郎を彷彿とさせる。
よし、僕も!
飲酒欲を刺激された僕はクーラーボックスに手を伸ばし、程よく冷えたビール缶を取り出す。
プシュ。
と、缶を開けたところでふと思う。
これ、もしかしたら……
「若月さんに作ったら喜ばれるかな、とか考えてんのか?」
「なっ!?」
いつの間に近くにいた茶武郎の一言に、思わずビールをこぼしそうになる。
「図星だな」
にやり。
茶武郎の口角がいやらしく上がる。
このあと、いつもより長い夜を過ごしたのは、もはや言うまでもないだろう――
今日登場した餃子のレシピは、『ソトレシピ』というサイトに掲載されていたものです。
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