第9話 波乱の予感
デートの翌日。
昨日が日曜日だったので、今日は当たり前に月曜日。
少なくとも今日から五日間くらいは、平穏な日々を過ごすのだろうと思っていた。
大学で、沙也加さんと出くわすまでは――
時間は今日の正午過ぎにまでさかのぼる。
今日は午前中だけの予定だったので、帰宅に向け身支度を済ませ、キャンパスの出口に向かって足を動かしていた時だった…
背後から聞き覚えのある声が聞こえたと思ったら、背中にドンという衝撃が走った。
とっさに振り返ると、先日一日中一緒にいた金髪女がそこにはいた。
『今日は午前なんだね、私もだよ!』とか、『まだお昼食べてないから一緒に…』とか言われて、適当に相槌を打っていたら僕の家の前だった。
この人、催眠術か何かでも使えるのか…?
そんな経緯で今に至る。
僕の隣にはなぜかまだ沙也加さんが居座っている。
一応お昼は簡単なものを作ってご提供したのにな…
沙也加さんのことだから、タダのご飯が食べたくてついてきたのだと思ったのだが、違ったのか。
普段自炊はしないと聞いていたし、その説が濃厚だとは思うのだが……
合コンで猛アプローチ(?)を受けていたし、割と自然なのか?
あんなことやこんなことになったりしないよな…?
考えるのがめんどくさくなったので、直接聞いてみることにした。
「ねえ沙也加さん、そろそろ帰らないの?」
「いや、その…」
僕の質問を聞いた沙也加さんは、顔を赤らめてもじもじしだした。
まさかの予想が当たったか…!?
いやいや待て!ここ実家だぞ!
が、混乱寸前の僕の頭の中とは裏腹に、沙也加さんの口から放たれた答えは実にシンプルなものだった。
「昨日のデートの唐揚げ、食べたいから夜まで待とうかなって…」
「また行くつもり!?」
予想だにしなかった答えに、ついつい大きな声で反応してしまう。
「そうじゃなくてね!? 充くん、食べたものを再現するのにハマってるって言ってたじゃん? 昨日の帰りに車で話してくれたやつ!」
「あぁ、ピザのやつね。」
「それで…今日の深夜に、それを再現したやつを作ってもらおうかなって!」
またこの人は突然にすごいことを言い出すなと思う。
「確かに、再現したいところではあるんだけど…」
「だけど?」
「今日、平日だから普通に親が帰ってくるんだよね……」
その一言を境に、沙也加さんの顔の闇が深くなっていく。
「そっか、実家住まいだったかぁ」
「うん。だから、また別の機会にして――」
週末にでも延期しようと言おうとしたその時だった。
「ただいまー。お兄ちゃん帰ってるのー?」
――現在中学生である我が妹が、帰宅してしまった。
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