第98話 「お金じゃ買えないものが欲しい」アイリの暴走とネットオークションの魔力
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豪邸の生活は完璧だった。
地下には温泉があり、壁紙は世界中の絶景。服は自動で変わり、食事は常に最高級。
しかし、完璧すぎる生活は、住人たちの「欲」を刺激する。
「うーん……佐藤さん。私、お金じゃ買えないものが欲しい」
そう言い出したのは、アイリさんだ。
彼女は国民的アイドルとして、大金を持っている。そして今、俺の力で最高の環境も手に入れた。
「何が欲しいんですか? ダイヤモンドなら庭のダンジョンで採れますよ」
俺がそう言うと、彼女はスマホの画面を突きつけてきた。
「これよ、これ! **『魔力を帯びた呪いのタロットカード』**だって!」
ネットオークションの画面だった。
出品者が「鑑定士も絶句した」「触れると不運になる」と煽っており、現在の入札額は既に数千万円に達している。
「これ、本物ですかね?」
俺が鑑定すると、幻影魔法のような偽りの情報はなかった。
カードは確かに異世界の魔道具であり、触れた者を精神的に疲弊させる**『厄』**の成分を含んでいる。
「ふむ。ただの**『精神的な汚れ』**だな」
「この家にない『不完全なもの』が欲しいの! 完璧すぎて、つまらないのよ!」
アイリさんの暴走を止められない。
彼女は「不完全さ」を刺激と捉えているようだ。
そして、そのカードの出品者は、俺の【クリーン】から逃げたはずの**悪徳業者エドガー**の仲間らしい。
「このカード、鑑定結果を偽装して出品されています。非常に悪質な**『情報の汚れ』**です」
リサが冷静に分析する。
俺はため息をついた。
「分かりました。俺が落札します。ただし、落札したらすぐに【クリーン】で綺麗にしますよ」
「ええ!? もったいない! 呪いがなくなったら普通のカードじゃない!」
「呪いなんて、**俺にとってはただの汚れ**ですよ。俺は、アイリさんの不完全な『欲』を満たすために、汚物を買って掃除する羽目になったわけだ」
俺はすぐにオークションに参加し、一瞬で最高額を塗り替えて落札した。
(続く)
完璧すぎる生活は、人間に「不完全さ」という刺激を求めさせます。
アイリさんの暴走から、主人公は再び裏の悪徳ビジネスに巻き込まれることに。
ネットオークションという「情報の汚れ」と「悪徳業者の呪いのアイテム」を、主人公はどう掃除するのか?




