第120話 感動した魔王が「最高級ドラゴンミート」を置いていきました
3話更新の3話目です
感動のあまり泣き崩れる魔王ベルゼブ。
彼は涙を拭うと、虚空から巨大な肉の塊を取り出した。
霜降りが美しく輝く、最高級の肉だ。
『礼だ! これは魔界の深層に住む「エンシェント・ドラゴン」のテール肉! 滋養強壮、美容効果抜群の逸品だ!』
「えっ、ドラゴンのお肉ですか!?」
スズが目を輝かせて受け取る。
庭のリュウが「ヒェッ」と悲鳴を上げたが、種類が違うので問題ない(はずだ)。
『金貨や宝石など不要だろう。ワシはこれから、定期的に魔界の激レア食材を持参する。だから……その味噌汁を、また飲ませてくれ!』
「食材との物々交換ですね。いいですよ」
俺が許可すると、ベルゼブは「やったー!」と子供のように喜び、次元の裂け目へと帰っていった。
嵐のような朝食が終わった。
「……主殿。あやつ、魔王軍きっての武闘派だったんじゃが……」
ガイルが遠い目をしている。
平和が一番だ。
その夜。スズは貰ったドラゴンミートを使って「究極のドラゴンステーキ」を焼き上げた。
「んん〜っ! とろけるわ〜!」
「お肌がプルプルです!」
アイリさんとリーリアが大絶賛する。
こうして、我が家の食卓には、海、空に続き、魔界の食材までもが並ぶようになった。
食糧事情は、もはや国家元首レベルを超越している。
そして、季節はいよいよ年末。
明日は二十七日。俺たちには、今年最後の大きな仕事が残っている。
そう、**大掃除**だ。
(続く)
暴食の魔王が、まさかの「食材調達係」として契約成立。
これで魔界のレア食材も入手し放題です。
食卓がどんどんファンタジー化していきますが、美味しければ正義です。
次回、大掃除!
ただし、掃除するのは家だけではありません。
庭のダンジョンを丸ごと水洗いします!




