第118話 究極の味噌汁の匂いを嗅ぎつけて、魔界から「暴食の魔王」がやってきました
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スズが古代魔法で完成させた「究極の味噌汁」。
その香りは、どうやらとんでもない客を招いてしまったようだ。
朝食の時間。
リビングの空間がバキバキと音を立てて割れ、そこから巨大な影が現れた。
身長3メートル、豚のような顔をした巨漢の悪魔だ。
『……う、美味そうな匂いだ……』
悪魔はよだれを垂らしながら、食卓を睨みつけた。
「なっ!? あれは魔界の幹部、**『暴食の魔王』ベルゼブ**!?」
ガイルが驚愕して椅子から転げ落ちる。
魔王クラスが、朝ごはんの匂いにつられて次元を超えてきたらしい。
『その汁をよこせ! さもなくば、この屋敷ごと貴様らを食らうぞ!』
ベルゼブが咆哮する。
リサがナイフを構え、リュウが窓の外でブレスの準備をする。
一触即発だ。
「待ってください!」
スズが鍋を抱えて前に出た。
「お腹が空いているなら差し上げます! でも、乱暴はダメです!」
『ググッ……。早くよこせ!』
俺はベルゼブの様子を観察した。
確かに強そうだ。だが、それ以上に気になったのは、彼の顔色の悪さと、口の周りの汚れだ。
「……あんた、なんか顔色悪いぞ。ちゃんと消化できてるのか?」
俺が声をかけると、ベルゼブは苦しそうに腹を押さえた。
『うるさい! ワシは常に腹が減っているのだ! いくら食っても満たされん! 胃が……胃が焼けるように熱いのだ!』
なるほど。
俺には原因が見えた。
彼の胃の中には、消化しきれない魔力と、腐敗した食べ物のカスがヘドロのように溜まっている。
それが満腹中枢を狂わせ、さらなる暴食を招いているのだ。
「それ、病気じゃないですよ。ただの**『汚れ』**です」
俺は席を立った。
食事の前に、客人の体を綺麗にしてやるのも、主人の務めだろう。
(続く)
味噌汁の匂いで魔王が釣れました。
食いしん坊キャラかと思いきや、深刻な胃もたれ(?)に悩まされているようです。
掃除屋の目には、体内の不調すら「掃除すべき汚れ」として映ります。
次回、魔王の胃袋を【クリーン】で大洗浄します!




