第116話 魔導書を食い荒らす「本の虫」を【クリーン】で傷つけずに駆除しました
3話更新の2話目です
図書館の至るところから、ギチギチ……という不快な音が響いていた。
マーリンお爺ちゃんが指差す先を見ると、本棚の本が、虫食いの痕のようにボロボロになっている。
「あれは**『ブックワーム(魔導虫)』**じゃ! 魔導書を食い荒らす、知識の泥棒め!」
ブックワームは、紙や石板に刻まれた「情報」を喰い、魔力を吸収する厄介な魔物だ。
普通の攻撃魔法では、本もろとも焼き尽くしてしまう。
「Master、リサが殲滅します。ただし、本を傷つけない保証はできません」
リサがナイフを構える。
「待て。本を傷つけたら、マーリンお爺ちゃんが暴れるだろ」
俺は本棚の前に立った。
イメージするのは、本に付着した**「虫という名の汚れ」**だけを、ピンポイントで消し去ること。
「――【クリーン】、害虫選別浄化」
シュッ。
光は放たれない。ただ、本棚のすべての本から、白い粉のようなものが湧き出し、消滅していく。
ブックワームたちだ。彼らは、本に刻まれた魔力を「餌」としていたが、俺の【クリーン】は、その餌(魔力)と彼ら自身を分解し、無害な存在に戻したのだ。
一瞬で図書館全体が静まり返った。
本は傷一つ付いていない。
「お、おお……! 見事じゃ、サトウ殿! 知識の泥棒どもを、傷つけずに追い払うとは!」
マーリンお爺ちゃんは感涙している。
俺は埃を払い、本棚に手を当てた。
「これで、ゆっくり読めますね。俺は魔導書なんて読めませんが」
ウーナが近くにあった石板を手に取った。
「これは『古代料理魔導書』よ! 食材の味を究極まで高めるための魔法が載ってるわ!」
マーリンお爺ちゃんが手に取ったのは、「魔力で永遠にシワがつかない服の作り方」の巻物。
俺の【エンチャント】の知識をさらに深めるものだ。
「よし。俺の生活をさらに楽にするための知識が、大量に眠っていそうだな」
(続く)
【クリーン】は万能の害虫駆除剤でもありました。
知識の宝庫を守り、これで心ゆくまで古代魔導書を読み漁れます。
マーリンとウーナが目を輝かせている傍ら、スズが見つけたのは「料理のレシピ」でした。
次回、その古代レシピを使って、スズが究極の料理に挑戦します!




