第114話 庭に「魔界の犬」が乱入!猫VS犬の喧嘩がうるさいので掃除しました
3話更新の3話目です
その日の夜。
俺が頭にコタロウを乗せて庭で涼んでいると、塀を飛び越えて巨大な影が侵入してきた。
「グルルルッ……! 見つけたぞ、泥棒猫!」
現れたのは、体長2メートルはある黒い狼――いや、**魔犬**だ。
全身から不吉なオーラを放っている。
コタロウが俺の頭の上で毛を逆立てた。
『フンッ。しつこい負け犬が来たかニャ』
「貴様! 我ら魔王軍の宝物庫から『マタタビ』を盗み出した罪、万死に値する!」
どうやらコタロウが持ってきたお土産は、魔王軍からの盗品だったらしい。
とんでもないトラブルメーカーだ。
「やっちまえ! 八つ裂きだ!」
魔犬が飛びかかってくる。
コタロウも俺の頭から飛び退き、迎撃態勢をとる。
ギャンッ! フシャーッ!
庭で激しい攻防が始まった。
魔犬の牙と、猫の爪がぶつかり合い、衝撃波で庭の植木が吹き飛ぶ。
芝生がえぐれ、家庭菜園のトマトが潰された。
「……あ」
俺の中で、何かが切れた。
せっかく手入れした庭が。スズが楽しみにしていたトマトが。
「お前ら……人の家で何やってんだ」
俺は低く呟いた。
だが、興奮した二匹には聞こえていない。
「――掃除だ」
俺は両手を前に突き出した。
イメージするのは、騒音の元凶を「強制退去」させる突風。
「――【クリーン】、害獣排除!!」
ゴオオオオオオッ!!
台風のような暴風が、一点集中で二匹を襲った。
ただの風ではない。対象を「家の敷地外」へと弾き出す、拒絶の魔力だ。
「キャンッ!?」
『ニャアアアアッ!?』
魔犬とコタロウは、仲良くもつれ合いながら空の彼方へと吹き飛ばされた。
キラーン、と星になる。
「ふぅ。静かになった」
俺は【リペア】で庭を直し、家の中に戻った。
数時間後、ボロボロになったコタロウが「酷い目にあったニャ……」と帰ってきたが、魔犬の方は二度と近づいてこなかったらしい。
やはり、この家の主(掃除屋)を怒らせてはいけないのだ。
(続く)
犬猫戦争、勃発。そして即終結。
庭を荒らす者は、たとえペットでも容赦しません。
【クリーン】の応用で「物理的に吹き飛ばす」ことも可能になりました。
次回、年末も押し迫った頃。
あの「迷惑系配信者」が、懲りずにまたやってくる……?
しかし今度は、様子が少し違うようです。




