第113話 猫の王が「頭の上」を占拠するので、【エンチャント】で鉄壁の帽子を作りました
3話更新の2話目です
マタタビ騒動の後、コタロウは俺に懐いてしまったらしい。
俺がソファでくつろいでいると、音もなく肩に登り、そのまま「頭の上」に鎮座するようになった。
『うむ。ここの眺めと体温が最高ニャ』
「重いし、爪が痛いんだよ。降りろ」
『断る。王の玉座は高いところと決まっているニャ』
コタロウはふんぞり返って動かない。
無理に引き剥がそうとすると、鋭い爪を立てて抵抗する。魔獣の爪なので、普通の服なら簡単に裂ける威力だ。
「Master、排除しますか?」
「いや、家の中で暴れるな」
リサが殺気立つのを止める。
猫は液体だ。力ずくで退かすのは難しい。
なら、共存するしかない。
「……痛くなきゃいいんだな」
俺はクローゼットから、ニット帽を取り出した。
これに魔法をかける。
「――【エンチャント】、物理耐性・極&クッション性向上」
見た目は普通のニット帽だが、強度は戦車の装甲並みだ。
俺はそれを被り、コタロウを乗せた。
『ほう? 座り心地が良くなったニャ』
「ふっ。いくら爪を立てても無駄だぞ」
コタロウが爪を研ごうとしたが、帽子は傷一つ付かない。
俺は勝利を確信した。
……しかし。
俺が「頭に黒猫を乗せたまま」家の中を歩き回る姿は、はたから見るとかなりシュールだったらしい。
「サトウ、それ流行ってるの?」
「主様、可愛いです!」
フィアナとスズには好評だったが、リサだけは「Masterの頭上に獣が……許せません」とギリギリ歯ぎしりをしていた。
こうして、俺の頭の上は、正式に「猫の王の玉座」として認定されてしまったのだった。
(続く)
頭の上が定位置になりました。
【エンチャント】のおかげで痛みはありませんが、見た目の威厳はゼロです。
猫のわがままには、最強の魔法使いも勝てないようです。
次回、コタロウを追って、因縁の相手が庭に現れます!




