第110話 家族が増えて「合鍵」が足りないので、【エンチャント】で最強の顔パスシステムを作りました
3話更新の2話目です
無人島から練馬区の豪邸に帰宅した俺たち。
リビングでくつろいでいると、リサが深刻な顔で報告に来た。
「Master、セキュリティ上の懸念事項があります。……『鍵』です」
現在、この家に出入りするのは、俺、スズ、アイリ、リサ、ガイル、フィアナ、リーリア、ウーナ。
さらに西園寺さんや総理の使いも来る。
物理的な「合鍵」が足りないし、これ以上増やすのは紛失のリスクが高すぎる。
「いちいち玄関まで開けに行くのも面倒だしなぁ」
「はい。ですが、誰でも入れるようにするのは論外です」
そこで俺は閃いた。
物理的な鍵が面倒なら、魔法で認証すればいい。
「よし、玄関を『スマートロック』に改造しよう。……魔法版のな」
俺は玄関のドアノブに手を当てた。
イメージするのは、登録された魔力パターンを持つ者だけを認識し、自動で解錠・施錠するシステム。
「――【エンチャント】、魔力認証&自動開閉」
ドアノブが淡く光り、システムが構築された。
俺たちは順番にドアノブに触れ、魔力を登録していく。
「これでよし。試してみよう」
アイリさんが玄関の前に立つ。
ガチャリ。ウィーン。
ドアが勝手に開き、彼女が入ると自動で閉まってロックされた。
「わぁ、便利! 手ぶらで入れる!」
「これなら鍵をなくす心配もありませんね」
さらに、俺はオプション機能を追加した。
登録されていない人間(セールスや不審者)が無理やり開けようとすると、**『微弱な電流』**が流れて撃退する機能だ。
「これでセキュリティも万全だ」
俺は満足げに頷いた。
しかし、俺たちは忘れていた。
この世には、魔力認証すらもすり抜ける、**「規格外の生物」**が存在することを。
(続く)
物理鍵からの卒業。
魔力認証オートロックは、ファンタジーと現代技術のいいとこ取りです。
これで不審者はシャットアウト……のはずでした。
次回、最強のセキュリティシステムを「散歩ついで」に突破する、黒い影が現れます。




