あの時、私が見たもの
あれはまだ肌寒さが残る4月の終わり、私はもう散ってしまった桜の木を見ながら入学式からもう二週間ほど経ってしまった事実に驚きながらも、中学の頃もバタバタしてて一週間の過ぎた日なんて一瞬だったと思う今日この頃、いつも通り私は登校していた。
いつも通り、電車に乗って外の窓を見ていた。この時間は通勤ラッシュというのもあり人が多い。
座れることなど中々なく、ドアの端に追いやられていた。
友達に会ったら何話そうとか、定期テスト赤点取ったら補修受けさせられるのかな?など脳死でスマホも見ずにボケーっとしていた。
そんなとき、不意に怪我をしている鳥を見つけた。
普段、物や人を助けることはあるが、危険を犯してまでするほどではなかった。しかし、この時は、吸い寄せられるようにその鳥に釘付けになった。
羽は綺麗だが、付け根から血が出ている。
痛々しい姿を見て、次の駅で降りてその鳥がいた場所へ行った。
「大丈夫?今助けるからね!」
改めて見ても真っ赤な胴体と翼に黄緑色の羽が混ざったきれいな色だった。
「よしこれでオッケー。」
その鳥を止血したら、こちらの方を向いた。
感謝しているのかな?なんて思っていたのが一瞬。くちばしでつついてきた。
「痛った!何するんだよこのクソ鳥!」
思わず口が悪くなってしまった。しかし、そんな怒号にもひるまず、数発かましてきた後、ドヤ顔で立ち去っていった。
少し傷となってしまい、その後も何もなく、ただ学校に遅れて怒られるだけになってしまった。
友達には青くなっているのを見て心配していたが、鳥にやられたと言った瞬間笑われてしまった。
焼き鳥にしてやろか!?なんて思いながら学校を終えた。
その日の夜だった。
「一生物の痣になってしまったな。ふざけんなあの鳥。」
そんな独り言を呟きながら痣を見ていたその時、突然その場所から火が出てきた。
「アッツ!なにこれ!?ふざけてるの?夢じゃないの?なんで?」
痛覚は勿論あった。とても熱い火に覆われて、私は一度灰となって死んだ。
そしてその朝、何故か目が覚めた。
何故か生きている。
夢だったのか?なんて思っていたが、ベットに落ちていた自分が死んだ時に残った灰のようなもので生き返ったことを本能で感じ取ったのだ。
「どうしてこんなことに...なってしまったの。」
普通の人なら精神がおかしくなっていても仕方ない。しかし、何とも思わぬ感じで普通に学校へ行けてしまった。
もうこのときから普通ではなくなっていたのかもしれない。
しかしこれだけは言える。
私は不死の能力を手に入れたのだ。
隔日投稿を目標にしようと思います。