女の子に呼び出されました
「はい、どうぞ。」
「すみません。もらいます。」
絶対上手く喋れたないだろう。そんな悲しみを中に今、私は世界一意味がわからない状況に置かれています。
そう、あの後、ゼッタイニダレニモイワナイデと樋口さんに片言の日本語で言われたので、普通に従うことにした。
もっとも、誰も話す相手がいないというのを想定されてなくてこれを言われるのは悲しいことなのだが。
今は、俺、木谷鏡也は完全な口封じのために樋口さんの家に呼び出されたという訳だ。
憧れの人に呼び出されて口封じはご褒美な気もするが。
「いきなり来てもらってごめんね。木谷くん。」
「いえいえ、なんの問題もないです。予定とか特に無かったし。」
友達少ないから誘われても月に1、2回位なんですけどね。
なんて恥ずかしいことを思いながら話す。
樋口さんを見て、やっぱりスタイル良いよなーなんて思う。
紺色の髪の毛に大きな瞳。背は自分より少し高い位だろうか。そしてこのむ...これ以上は止めておこう。
あの体がグシャっとなっていたのを思い出して身震いをする。
「あ、あの〜少し質問があるんですけどよろしいですか?」
「いいよ別に。私も丁度聞きたいことがあったし。」
「じゃあ先どうぞ。」
「あ、いいの?絶対ツッコミたい部分があるんだろうけど。」
「いや別にいいです。俺もどこまで突っ込めば良いのか分からないし。」
嘘である。本当はめちゃくちゃ聞きたいし、このまま有耶無耶になったらすごく困るので突っ込みたい。
しかし、そちら側にも質問があるなら優先すべきだろう。
「おっけー。分かったわ。
別に悪い意味で言ってるわけじゃないんだけど、木谷くんって変態?」
「へ、ふぇんたい!?」
「そういう意味じゃなくて、こんな化け物みたいな物見たあとにノコノコ私の家に来るって、どうなの?っ
て思っただけ。」
あーうん、確かにそうかもしれない。ていうか全然知らない子ならノコノコついて行ったりはしないだろう。
「そんな人存在しないと思ってたからね。
見つかった時はびっくりして、これ終わったわ。と思ったけど案外どうにかなるもんなんだね。
多分他の人は分からないのだけれども。」
「ははは、まあ一応面識ありますしね。
でも死なないなんて初耳ですよ。どういう事なんですか。」
「あ〜、うん。まあ、ね〜」
ん、こりゃマズイ系か?変な事だったらどうしよう。
「す、すみません。もしかして聞いたらマズイ奴だったりします?」
「いや別にそんな訳じゃないんだけどね。
うーん、まあ別にいいよ。その代わり、」
「その代わり?」
「私の呪いのようなものを治すのを手伝って貰いたいの。
正直、私1人じゃどうにもならなくて、って言われてもそもそも何でこうなったか分かんないよね。
一から話すわ。」
「分かりました。自分に出来ることはなんでも。」
自分にできることは何でもとか格好つけている自分に少し恥ずかしさもありながらも、いまの神がかってる状況の影響で多少痛いことを言っても問題ないかなんて余計なことを考えてしまう。
「あれは約何週間か前の...」
「あ、そういう形式で行くんですね。」
「こういう形式で一度は語ってみたかったもんで。」
絶対無駄なことを突っ込んだよな?と思いながら、彼女の話が始まる。