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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

教室

作者: 矢奏なふと

はじめに人生初の小説です。

この小説は最初に登場人物だけ考えて、あとは何も考えずにストーリーを打ち込んでいます。

1日で完成しました。

なので文脈がおかしいところが結構あるかもです。

    挿絵(By みてみん) 



僕の友人の安藤は日直のため教室で掃除をしていた。僕らの家は近いわけではないが、途中まで同じ道を行くので、僕も居残りをしていた。彼は少し真面目なため丁寧に掃除している。遅い。


「やっと終わったよ。今、何時?」


「もう17時だよ。さっさと帰るよ」


急いで帰ろうと鞄を持ち上げた時、鞄がそばにあった机に当たった。若林さんの席だった。


「アレ以降、全く来てないよな」


と安藤はつぶやく。アレとは若林さんが不登校になった事件である。若林さんは真面目で元気な、ごく普通の学生である。三ヶ月ほど前のある日、若林さんの友人が大きな事故に遭った。轢き逃げであったという。その日から若林さんは姿を隠した。


「まあ仕方ないだろ。それより早く帰るぞ」


走って担任に教室の鍵を渡しに行く。


「失礼します。鍵返しに来ました」


「お疲れ、安藤くん」


担任が安藤と話しているのに目は僕の方へ向いている。おそらく、数ヶ月前の課外活動についての話があるんだろう。この後きっと話しかけてくる。


「ちょっとこっち来て」


ほら、呼ばれた。


「この前壊したものは処理しといたからね」


「わかりました。ではまた明日」


早く帰りたいんだよ。担任は長話が好きなのでそれを回避しようとすることだけで頭がいっぱいだった。


「安藤、帰りにコンビニ寄ろうぜ」


 コンビニで唐揚げ棒を買った。このコンビニはあの交通事故の現場の近くだった。だから寄ってみようと思った。


「若林の友達が交通事故に遭ったのは悲しい出来事だけど、友達本人じゃなくて、なんで若林が三ヶ月も休むんだろうな」


安藤が不思議そうに考えている。相変わらず真面目である。


「捜査してみるか」


急にとんでもないことを言い出してくる。


「警察ごっことか小学生かよ」


僕は爆笑していた。しかし安藤の表情は悲しそうに見えた。


「わかった。付き合えればいいんでしょ」


「ありがとな」


こうして、警察ごっこ的なことが始まった。


 まず初めに若林さんの情報収集から始まった。教室で若林さんとよく話していた生徒に声をかけてみる。


「若林ってなんで三ヶ月も休んでるの?」


「もともとは若林さんのお友達が交通事故に遭って、自分のせいだと自身を責めちゃって。でも、その後お友達は回復して、一度会ったらしいよ」


「若林の友人は回復してたのか。じゃあもう休む必要もなくなるはずじゃ。一度若林の友人の家に行ってみようよ。さっき聞いた話だと、うちの近所だってよ」


安藤は本当に真面目なのか微妙に思ってきた。


「よし、着いた」


若林さんの友人の家に訪れた。安藤が事情を先に知らさせていたため、スムーズに聴けた。


「さくら(若林さん)は二ヶ月ほど前に一度会いました。その時は自分をかなり責めていたようで。申し訳ないと思ってます。今は連絡は取ってないけど、会った数日後にメールが送られてきました」


そのメールを見させてもらった。


 十月四日

『今日先生に会ったよ』

『みんな悲しそうな顔するんだ』

『次会う時はできる限り遠い日にしてね』


「みんなってことは複数人居たってことだね。先生が一番何か知ってそうだな」


翌日、担任に話を聴きに行った。


「先生。若林のことで聴きたいんですけど…」


担任は暗い顔をした。


「いいよ」


「十月四日、何してましたか?」


「好きな人が居てね。その方と出かけていたわ。その時に若林さんに会ったの」


「どんな話をしてました?」


「あまり覚えてないけど、友人が事故に遭ったとか」


今のところ辻褄が合う。安藤は難しそうな顔をしていた。次に安藤と行動を行うのは、また数日後の話である。


 ある日、安藤が僕の席に突っ込んできた。


「若林の家の場所を教えてもらったよ」


まだやっていたのか。


「今日行くぞ」


「まじか」


放課後、若林さんの家に行く。


「この辺のはずなんだけど…」


目の前には荒地があった。見知らぬお婆さんが話しかけてくる。


「家族ごとどこかへ消えたよ」


家はすでになくなってる状態だった。安藤は驚きを隠せない。


「若林の家族に何があったんだ」


捜査は難航している。そう思った一週間後、あるニュースが飛び出た。

『娘殺害。その両親を逮捕』

その被害者は若林さくら。朝、安藤が話しかけてくる。


「まさか亡くなっているとは。でも、先生がこの事実をもとから全く知らないはずがない。何か少しでも知っているはず」


職員室に向かうとそこには担任と警察が居た。他の先生に教室へと戻された。家に帰ると早速僕の学校がニュースで流れていた。

『娘殺害事件。担任教師も協力か』

このニュースを見た安藤から電話がくる。


「えらいことになったな」


「警察ごっこはもう十分だろ」


「いや、まだひとつ先生が言ってた好きな人がいただろ?その人も共犯なんじゃないのか」


数日、その人について調べたが、担任が逮捕されているため、これ以上知ることはないだろう。警察の捜査により、事件の全貌が明らかとなってきた。


 九月、若林さんの友人が事故に遭った。若林さんは自分を責める。一ヶ月不登校になる。回復した友人と再会。少し元気を取り戻すが、まだ精神的にしんどかった。精神が不安定な若林さんを気に食わない両親は殺害を企む。そこで殺害計画に気がついたのが担任の好きな人である。もともと若林さんとは知り合いで大変恨んでいたらしい。その流れで担任も協力。最期だからと若林さんの友人にメールをするのを許可した。あのメールは彼女の死に際であった。


 卒業した後、安藤は警察になるため警察学校に進学した。僕は今海外で薬の研究をしている。あの事件は大きく話題になったが、他の話題によって消え去った。まだ担任の好きな人は見つかっていないらしい。ただ最近、担任の携帯電話の履歴によって苗字は判明したらしい。その名はヨシダ。この事件はもう覚えている人が少ないし、ヨシダという名が広まることはないだろう。そういや、自己紹介がまだだったね。僕の名前は竜也。


吉田 竜也


教室

著者・挿絵(表紙):矢奏なふと


制作日 二〇二三年 十一月十三日

投稿日 二〇二三年 十一月十九日


この作品はフィクションです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白かったです。 学生さんでここまで書けるのはすごいと思いました。 表紙も素敵ですね。自作でしようか? 読ませていただきありがとうございました。
2023/12/26 23:05 退会済み
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