表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/71

第6話~土佐煮~

遥か彼方に灼熱の光槍。

相棒のへそのゴマと共に、日課の暴走族とカーチェイスをし、勝ち逃げしてきた崖際の境内で今日もひとり。

「ギリギリの日課だったな。みなさんも是非。」

木陰とタケノコに扮して、神社の備え付けのマイクに向かって、レジ袋を揉む音波をぶつけてサイバー空間に投擲している。へそのゴマはマイクの隣で仮眠を取っている。

『【日本の風景】焚き火【ASMR】』と称してレジ袋の音を垂れ流しているのは些か靄が残るが、自分の身体から土佐煮が産出されるよりかはマシだと言い聞かせる。

タケノコの姿の時に幾度となく土佐煮になって自滅したことで、少々磨り減っている奇怪な爪が何本か生まれてしまった。食べてみたいのだが、毎度の如く蒸発してなくなっている。蒸発するまでボコボコに土佐煮に圧をかけたつもりは無いのだがな。

寝て起きると、稀に爪が1本新品になっている事があるのは気のせいだろうか。その時に限って部屋から異臭がするので芳香剤が破裂している。散。

思いに耽っていると、遠くから自分の名を呼ぶ、けたたましい程の声が聞こえて来るのに気が付いた。まるでペンギンの群れの様だ。海に還ってくれないかな。

神社がかなりの高さの高台にあるためか、ペンギンの群れがさながら汚泥に嵌るかの如くちんたらと這っている。マスコットのようで愛らしいペンギンを横目に、レジ袋を揉み続ける。

平地にたどり着いたペンギンの群れが、一直線に自分のところに向かってくる。タケノコに必死になっている動物共が愛らしくてしょうがない。

自分の目下に来たペンギンたちが椅子を並べ、テントを建て、鍋の準備を始めた。

「今日は土佐煮にするからなー。丁度そこに唐辛子も落ちているしな。スパイシーだぜ。サンキュー!」

ありがとう、相棒。そしておれはショゴス。今日の晩飯はペンギンだ。今日も爪が磨り減る。

遥か彼方に冷涼の碧海。

壊滅的な野菜の摂取量のせいで将来が心配。水を飲もう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ