表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/175

第35話 新チーム発足

 *今作では正規(せいき)ルートですが、別で分岐(ぶんき)ルートを9パターンあります。

よろしかったら誰がヒロインなのか予想してみてください。






 中田が主将になり、硬式野球部も新チームとなった。


 ここからは秋季大会の優勝に向けて練習を開始する。


 8月になって暑さが増し、体力のない部員はバテたりもしたが、慣れてきたのか暑さ対策も取るようになった。


 そんな時だった――


「監督、マジっすか!」


「ああ。練習試合を毎週土曜と日曜にしようと思う。練習ばっかりだと試合もしたいだろうからな。ただし、月曜と水曜は休みにする。あんまり毎日やると、ただでさえ練習はきついのにケガをしちゃうからな」


「そこまで気を使ってくれるなんて……あざっす!」


「中田もお礼を言えるようになったか~。入部したての頃は俺にでさえオラオラしてたのに、成長したなぁ~」


「それで次の試合はいつですか?」


「おーい! スルーとは酷いなあ!? まあいいや、次の土曜だ。試合相手は公立校から強豪校までたくさんいるぞ」


「うす!」


 こうして練習を重ねては試合をこなし、大敗(たいはい)する時もあれば大勝(たいしょう)する時もあり、新チームならではの不安定さもどこのチームにもあった。


 とくに新チームになって大きな手ごたえは天童(てんどう)盗塁阻止率(とうるいそしりつ)が5割に達した事、二年生がレギュラーとして台頭してきた事、一年の園田がエース候補となった事だ。


 そんな中で秋季大会のベンチ入りメンバーの発表の時が来た。


「集合!」


「はい!」


「これから8月終盤に行われる秋季大会の背番号を発表するぞ。といっても、人数が26人に満たないから全員入れるんだけどなw」


「監督が人数制限するからですってー」


「仕方ないだろう。ベンチにすら入れないメンバーが多いと指導が間に合わないし、育成にかけてるんだから中途半端(ちゅうとはんぱ)に多いと君たちも困るだろう?」


「えらいぶっちゃけてんなあ……」


「とにかく背番号を発表するぞ!」


 そして背番号はこのとおりになった――


 背番号1 松井政樹(まついまさき) 二年


 背番号2 天童明(てんどうあきら) 一年


 背番号3 清原和也(きよはらかずや) 一年


 背番号4 岡裕太(おかゆうた) 二年


 背番号5 中田丈(なかたじょう) 二年 主将


 背番号6 志村匠(しむらたくみ) 二年


 背番号7 三田宏和(みたひろかず) 二年


 背番号8 夜月晃一郎(やつきこういちろう) 一年


 背番号9 本田(ほんだ)アレックス 二年 副主将


 背番号10 園田夏樹(そのだなつき) 一年


 背番号11 川口尚輝(かわぐちなおき) 一年


 背番号12 田中一樹(たなかいつき) 二年


 背番号13 田村孝典(たむらたかのり) 一年


 背番号14 山田圭太(やまだけいた) 一年


 背番号15 片岡(かたおか)龍一郎(りゅういちろう) 二年


 背番号16 木村拓也(きむらたくや) 一年


 背番号17 榊大輔(さかきだいすけ) 一年


 背番号18 道下雄平(みちしたゆうへい) 二年


 背番号19 高田光夫(たかだみつお) 一年


 背番号20 綾瀬広樹(あやせひろき) 二年

 

 背番号21 石田武(いしだたけし) 二年


 背番号22 松田篤信(まつだあつのぶ) 一年


 背番号23 マネージャー 上原春香(うえはらはるか) 二年


 背番号24 マネージャー 高坂(こうさか)あおい 一年


 となった。


 二年生の世代は全員甲子園を経験していて、とても頼もしい存在となった。


 一年にとっては初のベンチ入りメンバーが多くいて、将来が楽しみなメンバーだ。


 そんな中で夜月は自分がレギュラーであることが信じられずにいた。


夜月(やつき)、君の勝負強さは()()だ。もう誰も劣等生(れっとうせい)なんて言わせない。しかも君は外野の守備もいいし、ファーストとしても大分(だいぶ)育ってきた。先輩二人が横にいるから安心して積極守備するといい」


「はい!」


「さて、秋季大会の地区予選だが、相手校は……川崎と北横浜エリアで、県立青葉台(あおばだい)高校、県立柿生(かきお)総合高校、そして横浜市立横浜工業高校だ。横浜工業は一年にとっては一度勝った相手だが、その時のメンバーだった三年はもういない。気持ちを新たに切り替えてもう一度勝負をしよう」


「はい!」


「よし! ここから全体練習だ! 気合入れていくぞ!」


「はい!」


 こうして全体練習が始まり、地獄のシートノックやアメリカンノック、さらにジャベリックスローやラグビーボールノック、テニスサーブノックなど変則的な守備練習を重ねた。


 自主練では素振りやティー打撃、変則素振りなどバッティング中心となった。


 秋季大会本番に近づくと、純子がグラウンドに現れるようになり、また何度も選手個人に合った指導をした。


 夜月の場合は、まず身体的特徴(とくちょう)を見られ、腕が長いせいかどれだけ小振りにしてもインコースが詰まりやすい事を知り、『ホームベースから少し離れて打った方がいい』と指摘されて試し打ちする。


 すると手ごたえがあったのか、また打球の飛距離が伸びてきた。


 アウトコースは『踏み込む足をホームベース側に踏み込めばいい』との事で解決もした。


 そして秋季大会は……ダイジェストでお送りしよう。


 最初の柿生総合高校は、(さかき)が完封勝利し、中田や夜月、三田のホームラン、さらに言えば清原からの代打の田村がスクイズを決めたりと大量得点になった。


 次の青葉台高校は、一年生を中心とした試合となった。


 清原が満塁ホームランを放ち、松田と田村、高田が猛打賞(もうだしょう)を取得、さらに言えばピッチャーの綾瀬と道下の完封リレー、抑えの本田が締めくくって完全勝利となった。


 横浜工業の試合はレギュラー中心ながら前日に夏バテした中田を温存、サードの片岡がガッツのあるファインプレーを見せ、守備面に課題ありの中田とは逆の守備で見せるサードとして覚醒し始めた。


 ピッチャーは松井と園田、川口が完封リレーを収め、攻撃では岡の3打席連続送りバント成功により堅実に点を稼ぐ。


 キャッチャーの天童も盗塁阻止も目立ったが、途中で石田に交代し、石田はバッティングでもホームランを放つなど打てるキャッチャーとして台頭する。


 最後の守備では田中が守備固めとして起用され、盗塁阻止率は低いものの三振率と併殺率(へいさつりつ)が捕手陣最高で、キャッチャー戦国時代となった。


 全勝で秋季神奈川県大会の出場が決まった。


 野球部は順調そのものだったが、一方の同じ池上荘(いけがみそう)の同級生たちはというと――


 麻実(あさみ)吹奏楽(すいそうがく)部は県大会に出場が決定、阿部もいきなりインターハイ全国大会でベスト8入りを果たす。


 幼なじみの瑞樹は水泳で高校日本代表の強化選手にもなるなど快進撃(かいしんげき)を見せた。


 郷田(ごうだ)青葉(あおば)学院に、河西(かさい)日ノ本(ひのもと)大学湘南(しょうなん)に、黒崎は横浜向学館(こうがっかん)に、つばさは県立川崎総合に、林田は常海(じょうかい)大学相模(さがみ)に決勝で敗退してしまい、インターハイを逃した。


 有希歩(ゆきほ)は文芸部で芥川賞(あくたがわしょう)高校生部門で受賞、優子も日本一のお茶会に招待されるなど文化部も全国に名をとどろかせていた。


 クリスは県予選でベスト4止まりで結果が振るわなかったが、クリスはまだメンバー入りしていないので将来が楽しみな選手となった。


 硬式野球部はここから春の選抜を賭けた勝負が始まるのだ。


 つづく!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ