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憐れみを求めてわざとらしく傷跡を広げていた
こどもと呼ぶには大きくなり過ぎたそれが
今日もその日をやり過ごすための毒を朝食に混ぜて
へらへらと笑う
沈んだ指 滲んだ
本文を欠いたうわごとで
ほんものの心を注いだ気になっていたね
途切れ途切れの輪郭から
はみ出ていったものを掬おうともせずに
嘯いただけ、
正常
だよ
物乞いと詩人が並ぶ広場で
僕はまた法の名のもとに人を殺す
何度でも繰り返されるそのなまえを呼んで
誰も死なないように気を付けながら首筋に刃を下ろす
濁らせた水槽の奥に何を見た?
わずらい
いとをたぐって
あなたを作り直す
知らない駅の知らない人になる
知らない国の知らない街をさがす
嘘ばっかり、
歩きなよ
そろそろ