25話目 女子会と灯里の家5
全員酔い潰れていたみたいでラグの上で寝ていた。
カーテンから漏れる光で目が覚めるとアイテムボックスからスポーツドリンクを出して飲んだ。
「ん……」
もぞもぞと動き出す三人。
「朝…?」
「眠……」
それぞれ上半身を起こし伸びをしたり欠伸をしたりしている。
魔道具にコップを入れ洗浄し、新しく出したスポーツドリンクを注ぎ三人に手渡す。
ありがとうと言いつつ飲み干した。
テーブルの上には空き缶のゴミや食べ残しが散らかっている。
割り箸とタッパーを取り出してひとまとめにする。勿体無い勿体無い。
「灯里ー缶やゴミはどうすればいい?」
「あー……すーちゃんにあげてー…」
船を漕ぎつつすーちゃんが入った入れ物を指さす。すーちゃんの容量以上にある缶をどさっと入れていいものなのかと逡巡しとりあえず一つ入れてみた。
すーちゃんはゆらゆら揺れて缶を中に取り込むと瞬く間に溶かしていった。
これならばと残りの缶とゴミも次々に投入する。
あっという間に缶とゴミは無くなった。すーちゃん凄い。
みんなが飲み終わったコップももう一度魔道具に入れ綺麗にしキッチンの流し台に持っていく。
「灯里ー流し借りるねー」
「はーい……」
アイテムボックスから布巾を取り出して水に濡らす。
テーブルを綺麗に拭いた。
「……ほら、今日も仕事でしょ。起きなさい」
「うんー…………」
未だ夢現の三人を介抱し宿へと帰った。
共同浴場へ行きサッパリすると部屋で昨日の残りを食べて小腹を満たした。
今日は商業ギルドへ行こう。
この街の中央区にあるらしい。
ちなみにここに来る時に通った門は西門、冒険者ギルドは西区、灯里の家とクイナさん達の家も西区、高梨さんの家は北区らしい。
冒険者ギルドから大通りを道なりに進むと中央区に行けるとのことで行ってみることにした。




