22話目 女子会と灯里の家2
スライムのすーちゃん?洗浄の魔道具?氷の魔道具?
「どうやって使うの?」
「桜は初めてだね。洗浄の魔道具はこの箱の扉が開くからまずここを開ける。んでコップを入れる。扉を閉めて上のボタンを押す。赤いランプがつくでしょ?これが消えたら終了。また扉を開けて取り出すの。はい!綺麗になりましたー」
灯里が自分のコップを使って実演してくれた。うん。便利だ。
「これどうやって動いてるの?電源は?って電気ってあるの?」
「これは魔石で動いてるんだ。電気はないよ?後ろの……ほらここ、ここに魔石をポイっと入れるの」
裏返して見せてくれた部分には小さな蓋があり、その下には丸い穴が空いてる。
「氷の魔道具はコップの上にこの部分をかざしてスイッチを押すの。見ててね」
そう言ってコップの上に魔道具をかざした。上の方にボタンがついている。手のひらサイズのだから片手で持って親指で押せそう。ボタンを押すとクラッシュアイスが出てきた。ボタンを離すと氷も止まった。
「便利だねー。これってどこで売ってるの?私も欲しい」
「表通りの生活魔道具屋で売ってるよ」
「今度行ってみる!」
灯里に手渡されひっくり返したりして見てみる。どっから氷が出てるのかわからない。コップを手繰り寄せコップの上でスイッチを押してみる。下から覗く様にして氷の出口を見てみる。うん!よく分からない!
何もないところから氷が出てる。魔道具って不思議だな。
「あはははっ氷溢れるよ」
イリスさんに言われハッとして止めた。
イリスさんに渡し氷を出すとイリスさんはクイナさんに渡した。
「おつまみはどうする?何か出そうか?」
お漬物とか常備菜とか果物なら出せるよと灯里が言った。
「私出すよ!追加のお酒も出したいしみんなで選んで」
三人を手招きして魔法を発動する。
居酒屋で食べたメニューも出せるんだよねこれ。ってあれ?
「…さっき食べた物もある……」
「「「「えっ」」」」
爆発羊のたたきの文字があった。
「えっ?あ本当!ここの文字だけ読める。迷彩鳥のサラダもある!」
クイナさんに分けてもらった物まである。
さっき支払いで少しだけ払わせてもらったから?
「……出してもらえる?」
灯里に言われた通りに爆発羊のたたきを出してみた。
必要魔力は1500だった。高っ!!
「さっき食べたやつだね…」
「美味しいね」
ひょいっと食べるイリスさん。お行儀が悪い。
「えーーーこっちのものも出せるの?!いいなーーー!!」
灯里が叫んだ。
「私もびっくりだよ!!」
「えっ待って!桜銭貨持ってる?」
「持ってるけど?」
そう言って灯里は氷の魔道具を私に渡した。
「銭貨頂戴」
言われた通りに銭貨を灯里に渡す。
「どうだ!!」
そう言って灯里はタブレットを見た。
「桜スクロールスクロール!」
タブレットに灯里は触れなかったので私にスクロールを促してきた。クイナさん達は何が行われるのだろうと成り行きを見守っている。
灯里に言われるがままスクロールすると……
「きゃー!!!!」
灯里が叫んだ。
タブレットには氷の魔道具の文字が、必要魔力10。
「出して出して!!」
言われるがまま出してみる。
机に置かれる氷の魔道具。
そしてみんな無言になった。




