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205話目



「さて、登録商品60個何にしよう」


今日はいつもの廃村メンバー、マッヘンさん、倉敷さん、高梨さん、相良さん、長谷川さんに加えて灯里や高梨さん、オーフェンさんと春子さんと一緒に一棟貸しの宿に来ている。


いつも通りエントランスに出ると、ふと天井を見上げた。


「高い!!」


「入ってすぐ階段だね」


私と灯里が声を上げた。

エントランスすぐに折り返し階段が設置されている。 これはすぐに2階に行くべきか。 それともぐっとこらえて1階から探索すべきか。 非常に悩むところだ。


「あれ? 桜行かないの?」


灯里がすでに階段を上がるところだった。


私も2階から見る。


「灯里待って、私も行く」


二人で早速2階を回った。


階段を上がるとそこにはキッチンがあった。

階段から壁際まで私が縦に5、6人は寝転がれそう。

壁際に流し台と冷蔵庫、階段と流し台の間にもアイランドキッチン。

とても広い。


「桜、後ろ見て」


キッチンに見惚れていた私に灯里がそう言い振り返る。


「わー!!」


振り返るとそこには高い天井まで広がる窓、そこに映るは青々とした新緑の山並みだった。


「凄いね」


「うん」


呆気に取られて我に返る。

探索の続きだ。


階段上って左手にはリビング。 

壁掛けの大型のテレビの前にはコの字のソファー。

10人は軽く座れそうな大型のソファーが置かれていた。

階段上がって右手には大人数で食卓を囲めるようなダイニングテーブルがある。

それぞれ奥に続く扉がついており、まずはリビングから続く場所へと赴いた。


「可愛い」


「屋根裏チックだね」


大型の窓で挟まれた部屋。 天井は斜めになっておりどこか屋根裏を彷彿させる。

入り口近くには鮮やかなグリーンの2人掛けのソファー、テーブルやテレビ台、机は淡い色合いのナチュラルベージュの木材で作られておりなんとも落ち着く空間だ。


更に扉がある。


二人で顔を見合わせて進むとそこには広々としたウォークインクローゼットとトイレとお風呂があった。


「クローゼット広いね」


「あれじゃない? 冬場はスキーが出来る場所だから」


「スノーウェア用か」


なるほど、二人で感心し反対側の部屋を見た。

そちらの部屋は先ほど見た部屋と左右対称に作られていたのでさっと目を通し1階へと赴く。


エントランスから見て左手の細い廊下に足を進める。


「桜、待って、ここにも置き場があるよ」


細い廊下のエントランスに近い部屋。

そこには何かを立てかける用の木枠や洗濯機が設置されている。


「ここはスノーボードとかスキー板とかスノーシューズ置き場かな?」


廊下に戻りさらに奥へと進む。


「ここは何かな?」


「床の材質が違うね」


廊下や部屋はフローリングだったのに対しここは滑りにくい材質になっている。


「温泉だ」


進むと脱衣所が現れ、その奥には内湯と露天風呂があった。


「昼はウィンタースポーツを楽しめて夜は温泉かぁ、良いね」


「今度冬に来ようよ」


「さんせー」


その隣の部屋は寝室になっている。

こちらは落ち着いた雰囲気のホテルのような部屋だ。


「ここはお風呂じゃないんだね」


灯里が浴室を覗いている。

私も覗くとトイレとシャワーがあるのみ。


隣に浴室があるからなのかな?

満足して反対側の廊下に向かう。


「こっちにもお風呂あるのかな?」


「違うみたい」


こちらは浴室の場所がベッドルームとなっている。


「合宿所みたいだね」


「そうだね」


その部屋は壁際に二段ベッドが二つ、計4人が寝泊まり出来る部屋となっていた。

二段ベッドの前にはローソファ、その前にテーブル、ベッドと反対側の壁際にはライトベージュの明るい木目の家具、その上にはテレビが置かれていた。

この部屋にはトイレや浴室はない。 その代わり部屋の前、廊下を挟んで反対側にトイレと浴室が設置されていた。


廊下の最奥は部屋になっておりエントランス左側の奥の部屋と左右対称の部屋になっていた。


一通り回って満足したので2階に上がりくつろぎに行った。


部屋割りは4人部屋にマッヘンさん倉敷さん、菅井さん、高梨さん、隣接する二人部屋に相良さん、長谷川さん。

2階の階段上がって左奥の部屋に春子さんとオーフェンさん、右奥の部屋が私と灯里となった。


今は2階のリビングに皆に集まってもらった。

自販機の相談だ。


「パス」


「え? 早くない? もうちょっと聞いてあげようよ?」


相談する前に早々に離脱したのは倉敷さんだ。

それを菅井さんが止める。


「逆に聞くぞ。 俺がもし買うとしたら工具だが、それは自販機で販売しても需要があるのか」


「……いきなり工具ね」


「職人には需要がありそうですが……まず当分売れないでしょう」


「だろ。 それに飲食物も俺の好みなんかいらんだろ」


即座に春子さんとオーフェンさんから返答が出た。


「分かったわ。 食事の時に呼ぶから自由にしてて」


「おう」


そう言って倉敷さんが階段を下りて行った。


「そう言われると……わしもいらんくないか?」


「マッヘンさんはいります」


「現地の人の意見は大事です」


マッヘンさんも離脱の為にそろりと挙手をしたが、春子さんと私が阻止した。



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