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夢はいずこと

拙い文に、お付き合い頂き有難うございます。


今回は日桜のお話です。

吹く風に 夢はいずこと 散る花弁


桜の未来(さき)は 光か闇か











―――――――――――――――――――――――――


――――――――――――普通でありたい。


何度そう思ったか知れない。


皆がよく言う「普通」が、私にとっては


普通ではなかった。


私も昼は高校に通っている。


この春高校一年生になったばかりだ。


クラスに友達もいるし、部活もやっている。


そんな友達も、先輩も、先生も。


誰一人として私が暗殺者だとは思わないだろう。


不意に後ろから声が飛んできた。


「藍桜ー!部活行こうよ!」


「うん。」


短い返事もいつもの事で、出会った頃は、


「水上さん、笑ったらきっと可愛いのに。」


「藍桜ちゃんもっと笑いなよー」


そんな事をしょっちゅう言われたのだが、


私が簡単に笑わないことが解ると


何も言わなくなっていった。


嬉しい、だとか、楽しい、だとか、


そういう感情が全く無い訳では無い。


あるのに、上手く笑うことが出来ないのだ。


でも、全く笑えないわけではないらしく、


二人の姉と、未鳩(みく)の前だけでは


普通に笑っているらしい。


笑えている、らしい。


「藍桜ー!部活遅れちゃうよ!」


「先輩に怒られるー」


「あ、ごめんごめん。」


私はテニス部に所属している。


テニスをしている間だけは、


暗殺者、赤桜である事を忘れられた。


たったの一、二時間だけだけれど。


部活仲間と外に出ると、桜の木々が


薄桃色の着物から新緑の衣に着替える最中、


残り少ない薄桃色を散らしていた。

読んで頂きありがとうございます。


今回は昼のお話でした。


自分の生い立ちを気にして、


普通でありたいと切に願っています。


次回は夜桜。いよいよ夜の仕事の開幕です。

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