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短編【文学】集(1)

それを呪いとよぶな

作者: 蠍座の黒猫

私の中にも、あるといえばあるのです。

そのすばらしい、呪いとよぶには、暖かなこと。


でも、なんでもなかったわけではないのです。

いったん失えば、なんだか最初はとれない大きな染みのようなことが。


それが、見えないわけでもないんです。

その依存していた心の部分の染みが、だんだんとぼろぼろになって。最後はぽっかりと穴があいて。


なんだか、失った瞬間は、アルミ缶に似ていましたから。

飲み干した後の缶が、ぱきぱき握りつぶれる感じなんて。そっくりです。


だから、その時から、暗い穴の呪いが始まったように思ったこともあります。

確かに消えない呪いのように感じていたこともあります。


でも、ちがいます。そのすばらしい、暖かな感情は、純粋なことだから、呪いではない。


失った悲しみには、ただぽっかりと空いた穴を吹き抜ける風を感じるだけで、何もしないでください。


悲しみを追いかけて、喪失を恨まないでください。ただ、そっと胸で良い音楽を聴いてください。


満ちてくるまで、じっと動かないで。







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― 新着の感想 ―
[一言] 優しい文ですね。優しい言葉ですね。まるで自分に語りかけられているように感じてしまいました。 満ちる時は、あたしにも来るのでしょうか。 来たら、幸せでしょうか。
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